10月2日 補助犬の理解を広めたい

店頭に「補助犬OK」とあるのに、実際に店に入ろうとすると拒否されてしまう。
ステッカーは広まったものの、補助犬への理解はいまだ深められていない。

実際には補助犬の入店に問題はないとされているにもかかわらず、
「保健所から店内に犬や猫を入れないよう指導されている」などと断る店が
後を絶たないため、視覚障害者は諦めて遠い店を利用せざるを得ないとか。

この問題に関して、中部盲導犬協会によると、保健所が飲食店向けの講習会で
説明するなどして行政が広く法律を周知させていくことが不可欠とのこと。

レストランチェーン「すかいらーく」では傘下の3千店全ての入り口に補助犬の
入店可能な掲示を施し、点字のメニューや社員向けのマニュアルも用意。

厚生労働省は今年度中に店舗用の補助犬受け入れマニュアルを作成し自治体を
通じて配布する予定。

◆身体障害者補助犬法とは
2002年10月1日に施行。公共施設や公共交通機関において、補助犬の同伴
受け入れを義務付ける法律。不特定多数の人が利用する施設にも拡大され、
完全施行されている。

(中日新聞10月2日)

10月1日 40歳以上は定期健診を

視覚障害の主な原因となっている5つの疾患は、中高年で多発するという。
(※)国立病院機構東京医療センター部長の山田昌和氏による。

成人の失明原因を上位から5つ挙げると・・・

①【緑内障】
┗網膜神経節細胞が死滅する進行性の病気。視野に異常が生じる。
 一度欠けた視野は元に戻すことが困難であるため、失明の原因にもなりうる。

②【糖尿病性網膜症】
┗糖尿病の症状のひとつ。高血糖で網膜の血管がもろくなって視力が低下する。

③【変性近視】
┗網膜が薄くなり、剥がれるなどして眼鏡をかけても正常な視力が得られないか
 視野に異常が出る近視。

④【加齢黄斑変性】
┗網膜の中心部に、壊れやすい新たな血管が生じるなどして、視野の中心部が
 欠けたり、物がゆがんで見えたりする。

⑤【白内障】
病状の進行を早く止めるには、定期的に検査を受けて発症に早く気づくことが大事。
40歳を過ぎたら人間ドックや定期的な眼科受診をおすすめしたい。

(中日新聞10月1日)

9月18日 「黄斑円孔(おうはんえんこう)」と診断されたら…

<どんな病気?>
黄斑に穴が開くことで、視力が落ちたり、物がゆがんで見えたりする。ボールや花火などが目に当たるといった衝撃によって起きるほか、老化などが原因となる場合もある。

※黄斑…網膜の中心にあり、光を感じる役割を果たしている部分

 <治療法は?>
衝撃が原因である場合、自然にふさがることも。3ヶ月~半年ほど様子を見てふさがらなければ、手術を行う。老化が原因の場合、網膜に接しているゼリー状の硝子体が年齢と共にしぼむことで、黄斑が引っ張られ裂けるように穴が開く。この場合は早めに手術をしたほうが、回復もよくなる。

 <どんな手術をするの?>
網膜の表面にある膜をはがし、眼球内をガスや空気で満たす。穴がふさがるまでは、3日間~1週間ほどの入院し、うつぶせの状態を保つことが必要となる。

<視力は回復するの?>
衝撃が原因の場合、どのくらいのダメージを受けたかが回復にも大きく影響し、目の奥が出血するようなけがだと、回復しにくいことも。手術は穴をふさぐことを目的とするため、ふさがった後は自然治癒力に委ねられる。視力は1年ほどかけてゆっくり戻っていくため、手術後しばらく視力が低下したままであっても、回復する可能性がある。

 (朝日新聞 9月18日)

9月11日 まぶたのけいれんが治らない!?

【「眼瞼けいれん」とは――?】
まぶたの筋肉がピクピクけいれんする病気。悪化するとほおが引きつり、目や口が開けられなくなることも。40代~50代の女性に多い。

 【原因は何か――?】
顔の筋肉に関わる神経が血管に圧迫され、異常な電気信号を出している。もしくは、まれに脳内の腫瘍や炎症が引き起こしていることも。

【治療法にはどんなものがあるか――?】
経度なら経過観察。気になるようであれば抗うつ剤や精神安定剤を試す(※)高血圧なら血圧を下げることも。薬が効きづらく、症状がひどい場合はボトックス注射を。

(※)不安がけいれんを増長させていたり、症状を過大に受け止めていたりするから。

【「ボトックス」とは――?】
筋肉そのものの動きをまひさせる薬。8割の人に効果あり。ただし、効果は3ヶ月程度。打つ場所を誤ったり、薬剤が重力で下にたれると別の筋肉をまひさせてしまうことも。

【ボトックスが効かない場合は――?】
効きにくい体質かもしれない。上まぶたが落ちてくる重力筋無力症など別の病気が併発していることも。こちらは特効薬があり、簡単に診断できる。

(9月11日朝日新聞)

9月8日 さし過ぎに注意!正しい目薬の使い方

今回は、簡単そうで意外と知らない目薬の使い方について。

<正しい点眼方法は?>
 ①手を石けんできれいに洗う。
 ②顔を上に向け、片手の指で下まぶたを引いて、目やまつ毛に直接触れないように、
  下まぶたに1滴さす。あふれた点眼薬は、清潔なティッシュなどで拭き取る。
 ③点眼後は目を閉じ、指で目頭を軽く押さえて涙点をふさぎ、1分ほど安静に。
   →涙点をふさぐことで、目薬が鼻やのどに流れるのを防ぐことができる。 

<1滴で大丈夫?>
 人間の目は1滴以下の目薬しか入らず、1滴でもあふれるようになっている。
 あふれた分を補充しようと1度に何滴もさすと、目の健康に必要な油分や涙中の抗菌成分なども洗い流してしまい、目の乾燥や異物感につながることもあるので要注意!

<1日に何回させばいいの?>
 点眼回数が多すぎても、同様の副作用が起こる可能性がある。
医師からの指示がない場合は、1日の点眼回数は6回程度まで
※目の表面に細かい傷があることの多いドライアイの人は、防腐剤入りのものを使うと
  傷を助長してしまう可能性があるため、防腐剤の入っていないものを。

<保存方法は?>
 高温や日光を避ければ、常温でOK。
 残った目薬は、処方薬なら開封後1週間から1ヶ月、市販薬なら開封後2ヶ月を
過ぎたら廃棄すること。
 →→→防腐剤の有無によって使用できる期間が変わってくるため、説明書で確認を。
 ※自分で選んだ市販薬を使用し、1、2週間たっても症状が改善しない、
  もしくは悪化した場合は医療機関へ!

 <「目洗い」は必要なときだけ>
  洗眼薬を使用して目を洗うという人も増えているが、涙が出ていれば目を洗う必要はなく、むしろ目を洗うことで眼に必要な成分を洗い流してしまうことに。
 しかし、何か固形物が入ってしまったり、酸やアルカリ性の溶液などの異物が入ってしまった場合は、緊急の対応として速やかに目を洗うことが必要となる。

 (日経新聞 9月8日)

8月27日 金環日食観察で80人が眼底に異常

日本眼科学会は8月25日、横浜市で開かれた金環日食シンポジウムで、5月21日の金環日食を観察した後、目に違和感があり眼科を受診した人は全国で約1000人、うち80人は目に異常があったと公表した。 

眼科医からの報告を集計したところ、裸眼で観察した人が多く、90%近くは1日以内~数日程度で症状が消えたが、12%は症状が継続。視野の異常やゆがみを感じる人もいた。

眼底異常と症状継続の人は、日食網膜症になった可能性も考えられている。

受診者は中高年が多く、都道府県別では愛知が172人と最多となり、次いで東京、茨城、栃木、千葉の順だった。

※    日食網膜症…日食を直視することで太陽の強い光線が目に入り、網膜障害をきたす。   
           目に痛みや熱さを感じたり、疲労感やめまいが起こったりすることもある。
           網膜の細胞が受けた損傷程度によっては、視力低下が起こり、視野
           中央に中心暗点が残ることもある。

(中日新聞8月27日)

8月24日 処方箋の期限、ご存知ですか?

今回は、病院等で渡される院外処方箋について。
<院外処方> 2011年度の院外処方率は65・3% (厚労省)と年々増えてきている。「かかりつけ薬局」を決めることによって、他の病院で出た薬や市販薬などとの重複や飲み合わせをチェックできるというメリットがある。

しかし・・・
薬局で薬をもらうために必要な処方箋には、「交付日を含めた4日間」という使用期間がある。だが、実際あまり知られていないのが現状となっている。

 <なぜ使用期間があるの?>
医師は患者の症状に応じて薬を処方しており、日がたつと症状が変わり、
分量などが安全、有効でなくなる恐れがあるため。
ただし、長期の旅行など特別な事情がある場合、医師の判断で延長できる。

<万が一、期限が過ぎてしまったら>
・再度受診
・自己負担で再発行(医師の判断による) 
⇒ しかし不要な医療費や再発行による処方箋料(全額自己負担)が発生してしまう!

★      薬の受け取りは、できるだけ受診当日に。
   やむ終えず翌日以降になる場合は、使用期限の確認を!

 

中日新聞 (8月23日)

8月23日 ロービジョンケアで、雇用率UPをはかる。

●ロービジョンとは…良い目の視力が0.5未満である状態。全国で推定165万人。
          糖尿病患者が併発する網膜症や、緑内障、網膜色素変性症などの
          病気によって視力が低下する場合が多い。

●ロービジョンケアとは…リハビリや訓練を通じて日常生活の支障を軽減させること。

【主な取り組み】
・拡大鏡など、その患者にあった補助具を医師や視能訓練士が選び、使用方法を指導。
・日常動作(歩行や階段の昇降、電車の乗り降り)の訓練。
・点字の練習や、音声読み上げソフトを利用したパソコンによる職業訓練/就労指導

→→→働きたいと考える視覚障害者の増加や、企業に義務づけられる障害者雇用率の
   引き上げを追い風に、今後障害者雇用がさらに進むかもしれない。

   ※ロービジョンケアに携わる眼科医は現状まだ少ないが、厚生労働省では
    今後ロービジョンケアを可能とする医師を増やし医療の質を高める意向を
    示している。

(日経新聞8月23日)

8月23日 ~視覚障害柔道で金メダルを狙う~

ロンドン・パラリンピックの開幕が今月の29日に迫っています。
そこで今回、愛知県出身の選手である広瀬選手をご紹介します。

広瀬誠選手(35)は、西尾市出身。高校二年のときに、視覚神経の病気である
「レーベル病」と診断されました。2.0あった視力はたった二カ月で0.2へ。

本が読めなくなり、将来自動車の運転もできないだろうと絶望にうちひしがれる中
好きな柔道だけはあきらめずに続けていたそうです。

岡崎盲学校の盲学校教員になるためにその後筑波大理療科へ進学。大学生になっても教員試験の勉強と柔道を両立し、2004年には名古屋盲学校の教員になりました。

現在も職場に近い田代道場(名古屋市千種区)で稽古にいそしんでおられるそうです。

 アテネでは銀メダルでしたが、北京では7位。減量に苦しみ一度はパラリンピックを断念しようとさえ思ったことも。しかしやはり「勝ちたい」という思いが強く5月の選考会決勝で勝利し、「やるからには金」と公言しているそうです。ぜひ応援しましょう。

 中日新聞(8月23日)

8月17日 50代以上で急増!網膜の病気

[代表的な網膜の病気]

 ≪加齢黄斑変性≫
ものを見る中心部(黄斑部)に異常をきたす病気。
[症状]ものが歪んで見える、中心部が暗く見える、視力低下
   ⇒5mm方眼紙を見ると、片目ずつ見たとき線が歪む

 [原因]喫煙、食生活の欧米化、遺伝子によるものなど。
   ⇒年齢を重ねると起こりやすくなる。中高年になったら、定期的な眼科受診を!! 

[治療法]投薬が現在では一般的。薬以外に、サプリメント「オキュバイト」を飲む方法も。

 ≪糖尿病網膜症≫
加齢黄斑変性と並んで患者が多く、中途失明原因では緑内障に次ぐ2位。
[症状]初期は自覚症状がないことが多く、急激に視力が低下する。

[原因]血糖値が高い状態により網膜の血管が緩むことで起こる病気。
   ⇒糖尿病を患っている方は、半年~1年に1回の眼科受診を!! 

≪網膜色素変性症≫
暗い所で見づらくなったり、視野が狭くなる病気。定期健診を受け、緑内障や白内障などの合併症に備えることが大切。

≪網膜剝離≫
虫のようなものが見える飛蚊症や、光のないところで光が見える光視症など。視野が欠けたり視力低下につながる場合もあるので、何かおかしいと思ったらすぐ眼科へ。

 (8月17日/日経新聞)

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