2月15日 花粉飛散 今年は要注意

2023年は関東や近畿など各地で過去10年で飛散量が最も多くなる恐れがある。国内の花粉症患者は約20年で2倍超に増えたと推計され、若い世代の増加が目立つ。

年代別では10代や20代の増加が著しい。

花粉症に詳しい日本医科大大学院の大久保教授は、若い世代で患者が増えている背景について「外で遊ぶことが減り細菌に触れる機会が少なくなり、免疫反応が花粉に向かいやすくなった」と分析する。

「マスクやアイガードを着用したり、服に付いた花粉を取り込まないよう着替えを頻繁にしたりして対策を取ってほしい」と話す。

2023.2.13    日本経済新聞

2月7日 近視リスク 大人も目の前

東京医科歯科大学附属病院の大野京子教授は『大人になって初めて近視になる人が増えている』と説明する。

スマホが手放せない時代になり、足元ではコロナ禍による外出自粛で遠くを見る機会が減ったことも影響している可能性があるという。

日本近視学科会によると、近視の原因は遺伝要因と環境要因の両方が関係すると考えられている。環境要因としてパソコンや読書など至近で見続ける作業が多くなると、近視の傾向が高まるという。

最近では、近視進行抑制に力を入れる医療機関が目立つ。

『低濃度アトロピン点眼薬』は、毎日の就寝前に点眼することで近視を抑える効果が見られ、医薬品医療機器法(薬機法)上の認可が下りていないものの、自由診療として扱われている。また、就寝時のみ着用して日中には装着する必要がなく、角膜の形状が修正されていく角膜矯正用コンタクトレンズ『オルソケラトロジー』についても、レンズ自体は薬機法の承認を受けているものの、医療機関で受ける診療は保険適応外(自由診療)となってる。

インターネット上には、近視の療法についてあいまいな情報もある。

健康被害につながる恐れもあるため、必ず医師の診断を受けて治療に取り組んでほしい。

日本経済新聞  2023.1.28

11月18日 子の弱視 VRけん玉で改善

子どもの約3%が罹患するという弱視。今回、視力回復を目指すのは、左右の視力に開きがある「不同弱視」などの症例です。
視力回復は、幼児、児童のうちに取り組むのが効果的とされる。
とはいえ、子どもたちはアイパッチを嫌がることがままあり、保護者にも大きな悩みや負担となっている。
ゲームを楽しみつつ治療が進められるシステムの開発に着手。まずはけん玉で遊ぶ形の原型モデルを作った。
ゴーグルにダウンロードするアプリを通じて、けん玉に取り組んだ時間などの治療の進み具合を随時把握できるようにもなる。
23年度には臨床研究に入る予定です。

「朝日新聞2022.11.16」より

11月4日 進化する緑内障治療について

緑内障とは、目と脳をつなぐ視神経が傷つき、視野が欠ける病気。近年では、視神経の状態が詳しくわかる機器が広く普及し、新しい手術法や点眼薬も続々と登場。診断や治療の精度が高まり、早期発見できれば視界を保てるようになってきている。

視野が欠ける主な原因は眼圧で、眼圧は眼球の丸い形を維持するための内圧で、眼球を満たす「房水」が、作られた量と同じだけ排出されることで一定に保たれている。何らかの原因でそのバランスが崩れると上昇し、視神経を傷つけていく。症状が進むにつれて、見えない範囲が広がる。年を取るほどなりやすく、日本人の場合、四十歳以上の二十人に一人、七十歳以上では十人に一人が発症するとされる。だが、片方の目の視野が欠けても、もう片方が補って正常に見えるため、症状に気づきにくい。一方で、診断や治療はここ十年余りで格段に進展した。中でも大きいのが、高性能な光干渉断層撮影(OCT)の普及だ。目の組織の断面を近赤外線を使って撮影する検査方法で、視神経の状態を立体的に調べられる。薬剤を使用せず、従来の眼底検査のようにまぶしくないため、患者の負担が少ない。

この検査が2008年に保険適用となって以来、機器を導入するクリニックが急増。当院でも既に導入している。最新機種は緑内障患者の95%を正しく診断でき、撮影にかかる時間も数秒にまで短縮された。

眼圧を下げる点眼薬の種類も大きく増え、各患者の症状などに合わせやすくなった。房水の排出口に金属の細い管を入れて流れを良くする手術法も開発され、16年には保険適用に。基本的に白内障の水晶体再建と同時に行い、手術時間は十分程度と体への負担が少なくて済む。点眼の手間を減らすことにもつながる。ただ、現状では欠けた視野を元に戻す方法はない。検診で早期発見し治療することが何より大切だ。国内では、眼圧がそれほど高くないのに視野に異常がでる「正常眼圧緑内障」が患者の七割を占める。そのリスク因子とみられるのは、近視、四十歳以上、家族に既往者、の三つ。特に近年はスマートフォンなどの画面を長時間、近距離で見る機会が増え、近視の人が増加傾向にある。三十代で緑内障を発症するケースも報告され、患者の低年齢化が懸念されている。年に一回は眼底検査を受け、早期発見につなげてほしい。

「中日新聞 11月1日」

7月26日 夏の日差し 目にも負担

「子どもの頃から目に紫外線のダメージを蓄積させることは、将来の目の病気につながる恐れがある。」金沢医科大眼科学講座主任教授の佐々木洋さん(59)は言う。紫外線を多く浴びることで発症するのが瞼裂斑だ。白目部分が盛り上がったり、黄色っぽく変色したりする。充血やドライアイなどの原因となり、一度できると白目のシミとして残る。瞼裂斑ができた状態でさらに紫外線を浴び続けると、白目の表面を覆う結膜が黒目にかぶさる「翼状片」という病気になる可能性もある。翼状片は進行すると瞳孔に達し、視力が低下し失明することもあるため手術が必要となる。強い紫外線を長期間浴びると、目の中のレンズである水晶体のたんぱく質が変性し、老眼や白内障になりやすいことも分かってきた。
対策は、つばの広い帽子や、紫外線カットのコンタクトレンズや眼鏡、サングラスを着用するといい。色の濃いサングラスは視界が暗くなって瞳孔が開き、レンズと顔の隙間から入る紫外線が目の奥まで届く可能性がある。佐々木さんは「外から目が見えるくらい薄い色のレンズがおすすめ」と話す。

「中日新聞 7月26日」

7月26日 触り読みで絵本楽しんで

視覚に障害がある子どもたちにも楽しめる絵本を届けようと、大阪のボランティアらが、布や革を使って絵を立体的に表現した「さわる絵本」作りに励んでいる。子どもたちは手の感覚を研ぎ澄ませて物語に浸り、自身の世界を広げている。「さわる絵本」は、元となる本で描かれたものが何かを触って把握できるよう、さまざまな触感の材料で薄いぬいぐるみのようなものを仕立て、台紙に張り付ける。大きな文字と点字の両方で文章が記され、目が見える人も楽しめる。丁寧に作業を進めるため、1作品を仕上げるのに半年から1年近くかかるという。「障害者向け図書の中でもまだ新しく、圧倒的に数が少ない。」 NPO法人事務局の田中加津代さん(68)は、作り手の輪がさらに広がるよう願っている。

「日経新聞 7月25日」

6月27日 中3の約3割視力が0.3未満

文部科学省は23日、視力が0.3未満の中学3年生の割合が約3割に上り、小学生から学年が上がるにつれて近視が進んでいるとの調査結果を公表した。視力1.0以上の中3は約4割にとどまる。眼球の奥行きを示し、長いほど近視の度合いが強い「眼軸長」は、小1男子の平均が22.96㎜、女子が22.35㎜だったが、中3では男子24.61㎜、女子は24.18㎜に伸びた。
日本小児眼科学会の東範行理事長は「幼いころからアニメやゲームを、スマホなどで長く見ている影響が大きいと思う。屋外で遊んで遠くを見る時間を増やしたり、画面を見る時間を限ったりする習慣づけが必要だ」と話した。

「朝日新聞 6月24日」

4月22日 iPS細胞から、眼の涙腺に似た立体的な組織を作ることに初めて成功

iPS細胞から、眼の涙腺に似た立体的な組織を作ることに、大阪大学のチームが世界で初めて成功した。

眼の表面は涙腺から分泌された涙液で乾燥を防いでいる。

免疫疾患のシェーグレン症候群などの病気では、涙腺の機能が損なわれ、重いドライアイになる。

涙腺は成人では再生せず、根本的な治療はない。

生着した組織の量はまだ少なく、成熟化の度合いも実際の涙腺に比べるとまだ低いが、今後の治療につながるとしている。

   2022.4.21   中日新聞

4月6日 iPS角膜細胞は安全

大阪大眼科チームは、iPS細胞から作成したシート状の角膜組織を、ほぼ目の見えない角膜上皮幹細胞疲弊症の患者4人に移植する世界初の臨床研究が完了し、拒絶反応やがん化と言った問題は起こらず、安全性を確認したと発表した。

全員症状が改善し、うち3人は矯正視力が向上。0.15から0.7まで改善した人もいた。

3~4年後の実用化を目指し、次のステップとなる知見を2023年にも実施する。

2022.4.5 中日新聞

3月21日 レゴのポッチで点字勉強

4月に開業5周年を迎える名古屋市港区のレゴランド・ジャパンは、18日、点字などを楽しめる新施設レインボー・デザイン・スタジオをオープンする。

子どもたちが遊びを通じて多様性を学べる場にする狙い。レゴブロックの突起を活用し、点字で自分の名前などを表現してもらう。

園内の入り口近くには、約88万個のブロックでできたサクラの木(高さ4.4メートル)を5月8日まで公開する。

 

中日新聞 202.3.18

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