5月28日 白内障手術、術後のケアもしっかりと

白内障手術は、カメラのレンズに当たる水晶体を、後ろの膜の水晶体後嚢(のう)を残して除去し、眼内レンズを挿入します。
成功率の高い安全な手術で、術後の炎症反応もかなり軽減されていますが、わずかながら合併症が起こることがあります。
特に、細菌などの感染で起こる感染性眼内炎には注意が必要で、約1000人に1人の割合で起こります。術後から1週間以内に発症する場合が多く、眼痛、充血、視力低下などがあれば、すぐに受診が必要です。

切開した傷が良くなるには2〜3カ月かかります。術後に目をこすったり、押したりしないように注意しましょう。術後に網膜のむくみで視力が低下することもあり、長期の抗炎症点眼薬の投与が必要です。

また、水晶体後嚢が濁る“後発白内障”になることもあります。これによって視力低下などが見られれば、特殊なYAGレーザー光線で治療することもあります。

定期検査は術後2〜3カ月は必須です。担当医師の指示をよく守り、指示された点眼を確実にするようにしましょう。以降は6カ月後、さらに1年に1度は定期検査を受けることをお勧めします。

(中日新聞 5月28日)

5月10日 思い切り泣いて、ストレス減少!?

GWも終わり、新しい職場や学校にも慣れてくるころですが、思い通りにいかないことが続いて不満が募るなど、ストレスを感じているという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな方のためのストレス解消法をご紹介します。

<「情動の涙」の効果>
心温まる映画の一場面に感動したり、魂を揺さぶられる音楽に出合ったりして思わず涙が流れてしまった、そんな経験はありませんか?この涙は専門家の間では「情動の涙」と呼ばれ、これこそがストレス解消につながるのだそうです。
この涙は、目の乾燥を防ぐためのものや、目にごみが入ったり、タマネギを切って刺激を受けたりして反射的に出る涙などとは異なります。
情動の涙を流すときには、興奮や緊張状態に対応する交感神経に代わってリラックス状態につながる副交感神経が優位になります。副交感神経が働くと、ストレスが低下し、夜に眠りにつく時のような状態に近づきます。科学的には未解明な点もあり、なお検証が必要ではありますが、泣くことはこのような状況を自ら作り出し、ストレスをなくしていると考えられています。

<感情を表に出してみましょう>
このように、泣くことを含め、感情を表に出すことはストレスを減らすうえで大切です。
現代社会においては、表情が失われた「失感情症」の人が多いと言われています。
そうした人の多くは他人との会話などコミュニケーションが少なく、パソコンや携帯電話の画面ばかり見ている傾向があるそうで、大脳皮質が処理する情報の量が膨大になると、本能や感情をつかさどる部分との間で機能のバランスが崩れてしまうことにつながります。
そんな失感情症から回復するには “楽しい体験をし、人との交流を喜ぶ”こと。
例えば、歩いて汗をかく、音楽を聴いたり絵画を見たりして感動するなど、ちょっとした心がけが大切。しかし、あまり必死にやるとかえってストレスが高まるので、”ほどほどに”
がポイントです。
ストレスは気付かないうちに深刻化している場合もあります。まずは、“1日の終わりにきょうは泣いたか、笑ったか“などと、自分の心の状態を振り返ってみることがストレス解消の第一歩です。

(日本経済新聞 5月12日)

4月13日 小さな文字、見づらくなったら老眼?!

▼こんな症状は老眼かも…
目が疲れる、しょぼしょぼする、夕方になると見づらくなる、といった症状から、すでに老眼は始まっている可能性がある。
実際に、老眼とは思わず眼精疲労を訴えて受診し、老眼を指摘されることも多いようだ。

▼老眼とは?
目のレンズの役割をしている水晶体が加齢によって硬くなり、ピントを調節している毛様体筋が調節できなくなり、近くのものが見えにくくなる状態が続くこと。
早い人では40歳前後から、平均的には45歳くらいになると見え方に何らかの変化が起きる人が多い。その後老眼は進み、視力が安定するのは60歳前後といわれている。

▼   我慢は禁物!
老眼の症状に気づいていても、我慢して老眼対策を先送りする人も多いのではないだろうか。しかし長い時間放置していると、肩こり、頭痛、さらには吐き気といった症状が起こることも。早いうちに老眼対策をすると、余計老眼が進むのでは?と不安に思うかもしれないが、我慢せずに早めに対策をすることで、不要な目の負担を減らすことが大切だ。

▼   対策は?
老眼用のメガネやコンタクトには様々な物があるが、目への負担や安定感から考えると、第一選択は遠近両用メガネだ。遠近両用メガネは見え方に慣れる必要があり、老眼が進んでから初めて使うと余計に時間がかかってしまうことも。
今の遠近両用メガネは、遠くから近くまで連続的に見えるよう、一つのレンズの中で度数を段階的に変えた「累進レンズ」を使ったものが主流で、一見しただけでは老眼鏡とわからないものも多い。他にも、室内専用向けの「中近レンズ」や手元と約1m先までの視野を重視した「近用レンズ」がある。
長時間使っても疲れないものを選ぶポイントは、まず自分の生活スタイルで重点的に見たい距離を検討すること。何に困っているのか、何を見たいのか、1日にどのくらい見るのかを眼科や眼鏡店に伝え、必要なら複数を使い分けるのも理想的だ。
老眼鏡は自分なりの見方を見つけるのに慣れが必要。すぐに諦めずに徐々に慣れるつもりで使うことをお勧めしたい。 

(日本経済新聞 4月13日)

4月12日 歩行訓練ソフト、無償提供サービス開始

11日、産業技術総合研究所と東北大学電気通信研究所が共同開発した、視覚障害者の歩行訓練用のシステムを歩行訓練士向けに無償提供を始めたと発表した。

このシステムでは、自動車の音や電柱のような障害物に反響する音などを立体的に再現することができる。

使用例として、まず訓練士がソフトがインストールされたパソコンで、目的地までの地図を描き、周囲の環境にある様々な音を入力してコースを作成する。
視覚障害者はセンサーを取り付けたヘッドホンを装着することで、盲学校の校庭など安全な敷地での訓練を行うことが可能となる。

(日本経済新聞 4月12日)

3月31日 音を聞いて、「見える」ようになる!?

特殊な装置で音を聞いて視覚を補う「感覚代行」の研究が進んでいる。

この装置はサングラスに小型カメラをつけた機器で、画像の絵柄を基に音を発する。モノクロ部分の白い部分を検知し、その上下位置を音の高低で、コントラストを音の大小で表している。
このような音に対して、初めは脳の聴覚皮質が反応するだけだが、やがて視覚皮質への脳神経回路が柔軟に変化し活性化することで、盲目の人でも「見える」と感じる人もいるそうだ。

このように一見便利な感覚代行装置だが、音への変換原理を頭で理解していても、
使いこなすのはかなり難しく、普及していない。

しかし、装置の研究をしている脳科学者の下條信輔・米カリフォルニア工科大学教授は、装置を自分で試し、訓練をしていなくても物の表面がツルツルかザラザラか把握できることに気づいた。
また、同じように表面のきめの細かさ・粗さを判別してもらう実験をしたところ、装置の音が何を意味するかを知らずに答えた人でも、訓練をした人と同等の正解率が得られたという。
下條教授はこうした現象などを手がかりに「簡単に使える装置と使用法を実現したい」と応用研究を進める考えで、さらに「見える」とは科学的にどういうことなのかも解き明かそうとしている。

 (日本経済新聞 3月31日)

3月24日 やっぱり今年は”重い”!?

気象情報会社ウェザーニュースが、花粉症に悩む約4万2千人を対象に、今春の花粉症について調査を行いました。

例年より飛散量が多いことに比例し、43.3%の人が「ここ数年と比べて症状が重い」と回答しています。
ちなみに、前年の記録的猛暑の影響で、大量の花粉が飛んだ2011年の調査では「重い」と回答したのは43.2%でした。
やはり、今シーズンもかなりつらい傾向にあるようです。
また、都道府県別では神奈川県がトップの53.4%、愛知県は3位51.5%と半数以上が重い症状に悩んでいます。

さらに、症状が出始めた時期については、2月上旬までが57.6%で、この頃一時的に暖かくなったことで飛散が早まったとみられています。
そんな中、事前対策に「いつも以上にしっかり力を入れた」という人は49%を占め、花粉情報への関心も伺えます。
3月も残すところあとわずか。今後も引き続きしっかりと対策して、花粉症を乗り切りましょう。

 (日本経済新聞 3月24日)

3月24日 日本人起業ベンチャー、新薬を開発

加齢黄斑変性は、「目の難病」とも言われるように進行すると失明することもある。
その失明を防ぐ治療薬を、日本人研究者が米国で起業した創薬ベンチャー、アキュセラ社が開発した。

開発したのは、加齢黄斑変性のうちの「ドライ(萎縮)型」向けの飲み薬。
日本人の患者に多い、網膜の下の血管から新しく細い血管が出てくる「ウェット(滲出=しんしゅつ)型」には治療薬があるが、黄斑部の細胞が衰える「ドライ型」には治療薬がない。
日本人と違って欧米人は、患者の約9割がドライ型であり、治療薬がないために米国の失明原因1位とされている。

この治療薬は、目の網膜の細胞に老廃物を送り込む酵素の働きを阻害し、老廃物がたまって細胞の機能が衰えるのを防ぐ効果が期待される。
これまでの治験では、酵素の働きを90%以上抑えることが確認されており、服用を続ければ失明に至らない可能性が高いとみられている。

月内にも、実用化にむけた最終試験が大塚製薬と共同で行われ、約440人を対象に2年間毎日服用し、その効果を確認する予定だ。
新薬として承認されれば、米国ではアキュセラ社と大塚製薬が共同販売するとのこと。実現すれば、巨大製薬企業が主導権を握る創薬ビジネスに一石を投じることになりそうだ。

(日本経済新聞 3月24日)

3月16日 患者支えるチームと技術

埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンター
ここには「ロービジョン(弱視)クリニック」という、専門家がチームを組んで、診察や治療、生活支援、カウンセリングに取り組む施設があります。

ここで行われるのは、医師や視能訓練士による検査や診察だけではありません。
網膜色素変性症などによって視力低下などが進んだ患者に対し、”残った視力で生活の質を維持し、日々の生活を充実させる“にはどうしたらいいのか、ソーシャルワーカーによるカウンセリングも行っています。
また、実際にパソコン画面などを使って、残った視力を有効に利用するための指導を受けることもできます。

眼科医の仲伯医師は、「検査結果などに振り回されず、しっかりと病気と向き合ってもらえるよう、チームでサポートします。一緒に乗り越えましょう。」と呼びかけ、患者1人1人に勇気を与えています。

(日本経済新聞 3月16日)

3月16日 今年は花粉だけじゃない!?

スギやヒノキなどの花粉の飛散が最盛期を迎えています。今年は例年の約1.7倍の飛散量と予測されており、飛散量の少なかった昨年に比べると6.6倍だそうです。
さらに今年は花粉に加え、中国からの微小粒子状物質”PM2.5″の飛来も懸念されています。同国から飛んできている黄砂にも、このPM2.5が付着していることがあるそうです。

「PM2.5はアレルギー症状の原因である抗体を作りやすくするため、花粉症を誘発する可能性がある」と指摘する専門家もいます。
また、名古屋市内の診療所では、今年初めて花粉症の症状が出たという患者も多く、中にはぜんそくのような重症を訴える方も。

このような状況に対し愛知県は、県内のPM2.5の濃度が環境省の定める基準値を超えると予想される場合、ホームページなどで注意喚起情報を公表する予定で、今後の情報にも注意が必要です。

薬局や量販店の花粉対策用品も予想を超える売れ行きで、例年以上の対策を考える方も多いようです。
例年に比べて症状がひどいという方は、まず症状にあった医療機関を受診することをおすすめします。

 (日本経済新聞 3月16日)

3月15日 新薬で症状改善に期待!

視野がゆがんだり欠けたりして、失明の可能性もある“加齢黄斑変性”。
現在、一般的な治療では坑VEGFという新薬が効果を上げています。

<原因は?>
網膜の下にある色素上皮という細胞に不必要な血管が生え、網膜が押し上げられることで、目の奥に異常な膨らみができます。
それが、視力低下や物がゆがんで見える原因です。さらに症状が進行すると、網膜そのものもダメージを受け、視野が欠けるなどの症状が現れます。

<治療法は?>
麻酔をし、坑VEGF薬を眼球の内側に注射することで、不要な血管が増えるのを防ぎます。程度によっては、膨らみの部分もレーザーで取り除くこともあります。
坑VEGF薬による治療は、進行が止まるだけでなく、病気によって低下した視力が回復する例も多くみられ、革命的なものと考えられています。
しかし治療には、入院や毎月の通院、年に数回の注射が必要で、注射1回分が17万円程するなど、保険を適用しても高額な費用がかかるという面もあります。

<早期発見のために>
治療による効果が上がった理由の一つに、検査装置の進歩があげられます。
その装置は、光干渉断層計(OCT)と呼ばれ、網膜の様子を数マイクロメートルの解像度で見ることができます。自覚症状のない段階でも、異常な血管が生えていないか、網膜層が膨らみ始めていないかが分かります。
網膜が深刻なダメージを受けてしまってからでは、坑VEGF薬も効果はありません。
目が見えにくくなったら、老化によるものと自己判断せずに一度検査を受けることを
お勧めします。

また、近年ではiPS細胞(人工多能性幹細胞)による初の臨床研究が注目を集め、将来的に再生治療が効果をあげることも期待されていますが、一般的に導入するには20年はかかると言われています。
iPSの臨床研究を計画している先端医療センター病院は「治療を中断して来ることは絶対にしないように」と警告しています。

(朝日新聞 3月12日)

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