5月26日 まずは片目でセルフチェック!

ちまたでも知られて来ている「加齢黄斑変性」。早期発見が大切な病気ですが、実際はどんな病気でどう異常に気づけばいいのでしょう?Q&Aでご紹介します。

▼症状は?
視野の中心がゆがむ・目がかすむ・暗くなるなどの症状があり、放置すれば失明の可能性
もあります。

▼原因は?
加齢黄斑変性は網膜の下に新しい血管が出来る病気。網膜の中心にあり、ものを見るのに重要な「黄斑部」が老化で異常をきたすことが主な原因です。
日本では食の欧米化が原因とも言われており、喫煙は発生率を高めます。

▼治療法は?
血管の成長を抑える薬を白眼の部分に注射する方法が主。視力の維持・改善が期待できま
すが、薬価は高価で1~数か月ごとの定期投与が必要です。
定期的に精密検査をして少しでも悪化したらすぐに注射する方法や、注射に加え病変部に
レーザー照射をして新生血管を破壊する方法もあります。

この病気は進行してしまうと薬を投与しても効果がありません。まずは片目ずつでものを見てみて、少しでも症状を感じたらすぐに眼科を受診しましょう。

                            (5月13日 中日新聞)

5月21日 人工の網膜!? 視力改善に光

米国やドイツで臨床応用が始まっている、人工網膜の臨床試験(治験)が大阪大学の瓶井資弘病院教授らによって始められた。治験は「網膜色素変性症」の患者が対象となり、失明に近い状態の患者の目に電極を埋め込み治療する。
<人工網膜の仕組み>
①   眼鏡につけたカメラで撮り、腰にぶら下げた装置で映像を電気信号に変える。
②  信号は耳の後ろの装置を通じて、目の裏側に付けられた電極に伝わる。
③  目を介した信号を脳が感じ、目の前の光景となって現れる。
研究チームは1月末に1人目の患者に人工網膜を埋め込んだ。手術前は明暗を感じ取れるぐらいだったが、目の前の棒をつかみ、棒が動く向きもわかるようになった。
2015~16年度には企業やほかの大学とも協力し、10~15人程度を対象に本格的な治験を始める予定。安全性や治療効果を見極め、2018年ごろには厚生労働省の承認を得て、臨床応用の目処をつける考えだ。
網膜色素変性症は視覚を担う細胞を失う。患者数は国内で1万人以上と推定されていて、失明に近い状態から健康な人並みに視力を回復するのは難しいが、物の形がなんとなくわかれば生活がしやすくなる。
万能細胞のiPS細胞を使う再生医療と並び、目の難病患者が視力を取り戻す治療法として注目したい。

 (日経新聞 5月12日)

5月16日 お子さんが弱視と診断されたら…

Q.弱視ってなに?
A.人は生まれてから、網膜にピントが合い、その信号が脳に届くという経験を積むことで物を見る回路が完成していきます。通常は6、7歳までに完成しますが、弱視とはその回路が十分に発達出来ず正常な視力が得られないことです。そのまま大人になってしまうと、どんな眼鏡をかけても視力は上がりません。

Q.原因はなに?
A.原因の多くは強い遠視で、次に多いのは斜視です。強い遠視では遠くも近くもピントがぼけてしまい、斜視では片方の目が違う方向を向いてしまうために、幼いうちにものをしっかりと見る訓練が出来ないのです。

Q.どう診断するの?
A.診断には3歳児健診が重要です。弱視は5、6歳までに治療する必要があります。眼鏡で矯正しても視力が0.7以下の場合は弱視と考える事が多いです。

Q.治療法は?
A.強い遠視なら、遠視を完全に矯正する眼鏡をかけます。斜視の場合は、手術をして眼の位置をまっすぐにしたあと、使っていなかった方の目で物を見る訓練をします。

弱視は、適切な治療をすればかなり高い確率で治すことができます。3歳を過ぎたら、まずは受診をしてみましょう。

                           (朝日新聞 5月13日)

4月28日 飲ませていませんか?保護者に注意喚起

製薬会社などでつくる「くすりの適正使用協議会」が20日、中学生の子供を持つ全国の母親を対象に調査を実施。保護者の医薬品に対する知識不足の実態が浮かび上がった。

処方薬に関する調査で、「過去に飲み残した処方薬を、似た症状がでた際再び子供に飲ませた経験があるか?」との質問に65.5%の母親が「経験がある」と回答。
「兄弟・姉妹間で使い残しを飲ませたことがあるか?」には42・6%、「自己判断で量や回数を増減したことがあるか?」には33・8%がYESと回答したのだ。

処方薬は患者の症状や体質に合わせて処方されているため、一般用の医薬品と違って有効期限は記載されていない。日本製薬工業協会は「残った処方薬を自己判断で使うと、症状の悪化や思わぬ副作用を招く恐れがある」として注意を呼び掛ける。
2012年に全国の中学校で「くすり教育」が義務化されたが、子供だけでなく保護者の理解を促すことが重要だ。

目薬も同じ。お子さんの大切な目、自己判断せず、まずは受診を!

(4月22日 日経新聞)

4月19日 「国民の敵」に新治療

今や国内の4人に1人が発症していると推定される花粉症。
この「国民の敵」ともいえる花粉症に対し、新たな治療法として期待が高まっているのが「舌下免疫療法」だ。

<今までの治療>
抗ヒスタミン剤によって症状を一時的に和らげる対症療法が、花粉症の主な治療法だった。

<舌下免疫療法>
根治に向け、1日1回花粉のエキスを含んだ薬液を舌下に垂らし少しずつ量を増やして体質を変えるというもの。臨床試験で900人のうち8割に効果があったと報告されている。
今までも免疫療法は行われてきたが、注射による痛みなど患者側の負担が大きかった。
すでに今年1月、最も患者数の多いスギ花粉症に対しこの療法の新薬が承認され、早ければ10月に健康保険の対象となる見通しだ。

ただし治療期間は2年間。その間毎日欠かさず薬を服用する事が大切で、治療開始のタイミングや服用の仕方など治療の仕組みに対する患者側の十分な理解が必要だ。
また処方する医師も講習を受ける必要があるが、受講する医師は増えており来シーズンに向け注目は増している。

                           (4月10日 日経新聞)

4月9日 就活の春、“言葉に効く”ニュースです!

今回はいつもと違い、受験や就活の際にも役立つ「言葉遣い」についてです。
言葉はその人の教養や品格を表しますが、実は間違った使い方をしている人が多いのだとか…。まずは新社会人が間違えてしまいがちな例がこちら。

×「~部長におつなぎします」    「~におつなぎします」

×(目上に)「ご苦労さまでした」  「ありがとうございました」

×( 〃 )「了解しました」    「承知しました」

誰かに取り次ぐ時は先輩や上司であっても敬称をつけないのが適切です。
また「ご苦労様」や「了解」は目上の人が使う言葉なので気をつけましょう。

ベテランの社会人でも注意したい言葉遣いはあります。例えば…

×「お帰りになられました」     →○「お帰りになりました」

×「~の方に~の方をつけますか?」 →○「~に~をつけますか?」

×「勤務させていただいております」 →○「勤務しております」

…などなど二重・過剰敬語や、むやみに遠まわしな表現は逆に無責任な印象を与えてしまう事があります。普段正しいと思って使っている言葉も、もう一度見直さねば…と、スタッフの背筋も伸びるニュースでした。

                             (3月31日 日経新聞)

4月4日 まぶたのトラブル、原因はさまざま

▼ 考えられる原因は?
* 加齢変化によるもの
加齢とともに筋肉や挙筋腱膜の機能が衰えることにより、目が大きく開かなくなるのが眼瞼(がんけん)下垂もその一つ。また、最近では長期間のコンタクトレンズの使用により、それほど高齢でなくても眼瞼下垂の症状を訴える人が増えています。

* 神経の異常がもたらすもの
かかる頻度の高い病気の一つが眼瞼けいれん。主な症状としては、目が乾く、しょぼしょぼする、目を開けていられない等です。目が開けにくいということから、患者のなかには自分で加齢による眼瞼下垂だと思い込んだり、目の違和感からドライアイと診断されたりすることも多いそうです。

▼   セルフチェックをしてみましょう
①ベッドなどにあおむけに横たわり手鏡などで顔を見る。
②まぶたを何回か大きく開けたり、閉じたり、まばたきをしたりしてみる。
→加齢やコンタクトレンズによる眼瞼下垂なら、重力によって上まぶたが下がってしまう病気なので、この状態なら正常に目を開けられるはずです。
自分が思うように瞬きができなかったり、左右で動き方が異なったりするときは専門医に相談してみましょう。

▼   治療法は?
眼瞼けいれんには、症状を改善するためのさまざまな手法が登場しています。
例えば、ボツリヌス菌の成分を注射するボトックス治療。過剰な収縮をしている眼輪筋などに作用して症状を和げます。
そのほかに、まぶたの上部を軽く圧迫し目を開けやすくする「クラッチ眼鏡」や、薬物治療、特定の筋肉を弛緩させる手術治療なども開発されています。

(日本経済新聞 3月29日)

3月24日 聞いてみました!春のふところ事情…

花粉症の方にはつら~いこの季節。
例年、対策商品にどれだけの費用をかけているの?
全国の皆さんに聞いてみました。
結果は、「2000円未満」が30%と最多。「2000円以上5000円未満」が23%と続きました。
購入する商品としては下記の通り。
*マスク(86%)
*ティッシュペーパー(64%)
*薬(56%)
「花粉を家に持ち込まない。」「帰宅後はシャワーを浴びる。」など日頃の心がけに加え、「症状が出なくても病院で受診し薬をもらう。」など、対策は早め早めにという意識も強いようです。
早めの受診で症状プラス、経費も軽減できるかも?

                             3月15日 日経新聞

3月18日 普及進む!?「無花粉スギ」「少花粉スギ」

 ◆   「無花粉スギ」の現状
花粉症のシーズンが到来し、「花粉を減らしてほしい」と思う方も多いのでは。
その期待に応えようと、国や都道府県などが無花粉や少花粉のスギの品種開発を進め、そうした品種を植える実用段階に入ってきた。
無花粉スギは1992年、富山県農林水産総合技術センター森林研究所の研究員で元新潟大大学院教授の平英彰さんが世界で初めて発見した。
その後、研究を引き継いだ岐阜大大学院出身の斎藤研究員が、悪戦苦闘しながらも林業用品種の開発に成功。今は、無花粉スギを富山県が組織的にバックアップする。研究所には、優良無花粉スギの苗を育てるためのビニールハウスが四棟整備され、事業者の費用も県が負担。出荷本数は2012年は5000本だったが、2020年には10万本にできる見通しだ。富山県内ではスギ苗木を植える本数は年間4~5万本程度。「県内で植えるスギの全部が無花粉スギになる」という年も遠くはない。
しかし、毎年伐採するスギの本数はスギの全体の本数の一部にすぎないので、無花粉スギの効果は徐々にしか見えてこない。斎藤さんは「花粉症の人は都市部に多いので、都市近郊から重点的に無花粉スギに切り替えていくのがいいのでは」と話す。 

 関東で普及進む「少花粉」品種
実用段階に入り始めた無花粉スギより普及が先行しているのが、花粉飛散量が通常の1%以下の「少花粉スギ」。同研究所が品種を開発し、都道府県などを経由して森林の所有者などが植林するルートができていて、関東の都県の取り組みが早い。
ヒノキでも「少花粉ヒノキ」の開発が先行しているのに比べ、「無花粉ヒノキ」は昨年12月、神奈川県が「全国で初めて発見した」と発表した段階にとどまる。
スギやヒノキを伐採して木材に加工するサイクルが順調に回らないと、無花粉・少花粉の品種の普及は進みにくい。はっきりした効果が出てくるのは数十年先かもしれないが、今後の普及に期待したい。

 (中日新聞 3月17日)

3月18日 世界で初成功!角膜内皮細胞の移植手術に光

京都府立医大が今月12日、目の角膜が濁り、視力が低下する<水疱(すいほう)性角膜症>の患者に対して行った、角膜内皮細胞の移植手術に世界で初めて成功したことを発表した。
水疱性角膜症は、角膜内皮細胞が生まれつき弱かったり、事故や病気で傷つくことで発症する。患者は国内に約1万人、世界で数十万人。移植手術には、アイバンクを通じて提供される角膜が必要だが、慢性的に不足している。一つの角膜から、必要な細胞を培養で増やし、これを移植する今回の手術が定着すれば、角膜不足を補える。
京都府立医大の木下茂教授(眼科学)らは、米国から取り寄せたヒトの角膜から角膜内皮細胞を取り出し、3種類の化合物を使うことで培養。約10倍に増やすことに成功した。サルに移植し安全性などを確認した後、3人の移植手術を実施したところ、いずれも0.05~0.06だった視力が0.1~0.9に回復した。
この培養法で、数年以内には細胞を2~300倍に増やすことが可能という。
今後2年間で30人に移植手術を行い、有効性を確認する予定だ。
移植は、高齢者より若い人から提供された細胞の方が、移植後も安定するといい、木下教授は「若いドナーの細胞を増やし、移植できる効果もある」と話している。

(中日新聞 3月13日)

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