5月21日 デジタル画面凝視 近視リスク
スマートフォンやタブレットなどデジタル機器が身近になる中、子どもの視力の低下傾向が続いている。
文部科学省の2022年度学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の小学生は37.88%、中学生は61.23%で、いずれも過去最多。
国立成育医療研究センター眼科医員によると、スマホ画面など近くの物ばかり凝視する生活が続くと、眼軸(眼球の奥行き)が過度に伸びて遠くの物にピントが合わなくなる。この状態を「近視」と言い、体の成長に伴って眼軸が伸びている学齢期に進行しやすい。大半は眼鏡やコンタクトレンズで矯正できるが、強度近視と呼ばれる状態になると網膜剥離などのリスクが高まる。近視が進むと基本的に元には戻らないため、普段から近くを見すぎないようにすることが大切である。
子どもがスマホやタブレットを利用する際は、目と画面の間を30センチ以上離し、30分に1回は6メートル先を20秒以上見るように心掛けるとよい。
また、デジタル機器の画面から出るブルーライトをカットする眼鏡の着用を子どもに勧める動きもあるが、日本眼科学会などは推奨する根拠はないとしている。
朝日新聞 令和6年5月18日