5月7日 盲目アザラシ 支える飼育員

子どもから大人まで楽しめる水族館、南知多ビーチランド(愛知県美浜町)では飼育員の努力もあり、目の見えない高齢のアザラシがいまも現役で活躍している。

アザラシの雌のコウと雄のジャックは白内障で何年も前からほとんど目が見えない。かなり高齢の部類に入るが、来園者と触れ合うイベントに出演を続けている。飼育員のサインは声のほか、ひげや体に触れる方法で伝えている。目が見えなくなった動物の活躍は多くはないというが、これには飼育員の思いがある。

「目が見えなくても、とても健康。いろんな事が出来る事を知ってほしい。」「動かないでいると筋力は衰えていく。お客さんと一緒に遊ぶことは動物にとってもいい刺激」これらのトレーニングは健康管理でも重要な役割を果たしている。サインを使って体重計に誘導したり、採血するのを待機のサインでじっと我慢させたりする。特に目が見えなくなると警戒心が強まり、動物と飼育員の信頼関係がないとできない作業という。「飼育動物をトレーニングする最大の目的は、ショーではなく健康管理」と飼育員さんは力を込める。

 

4月23日 朝日新聞

5月7日 花粉 飛ばぬ日を夢見て

国民の3割が悩んでいると言われるスギ花粉症。今年も花粉が飛び交う時期を迎えた。花粉をつくらない、飛ばさない技術開発は進むが、課題も多い。

花粉が出ない「無花粉スギ」とは研修者が一本ずつ棒でたたき、数千本に一本の割合で雄花が花粉を作らない突然変異のスギである。無花粉スギを増やして、植え替えを進めれば花粉が飛ばないスギ林に変えられるかもしれない。しかし無花粉スギは成長も遅く木材としての質も良くない。優れた木材になるには「精英樹」と交配させて品質改良する必要がある。普通に交配させただけでは半分以上が花粉を作るスギになってしまう。花粉の有無が分かるのは成長し2~3年ほどかかる。そこで森林総研はスギのDNAを調べて無花粉スギを大量に増やす技術を開発中だ。また遺伝子操作で効率よく無花粉スギを作り出す研究も進む。今年2月DNAを操る「ゲノム編集」を応用し、花粉を作れなくしたスギができた。しかし他の生態系への影響など慎重に見極める必要がある。また、今あるスギ花粉を作らせない飛ばさない方法の開発も進む。「シドウィア・ジャポニカ」という菌を使う方法や天然油脂由来の界面活性剤の成分の薬剤を吹きかけるなどの方法もある。しかし予算の問題や農作物や人体への影響がないのか課題も多い。

4月23日 朝日新聞

5月7日 教室、誰もが学びやすく

京都市立高野中は2018年9月までに、教室の黒板周辺に貼っていたプリントや写真を全て後ろの壁などに移動した。1年の教室は汚れていた壁のペンキも塗り直した。発達障害は掲示物や壁の汚れに気をとられて授業に集中出来ないケースがあり、そうした生徒への配慮だ。同校は障害のある複数の生徒が通常の学級で学ぶ。特別支援教育のモデル校に指定された17年度から校内環境の見直しを始めた。赤や青が見えづらい色覚障害への配慮で、板書は原則、白と黄に限定。文章を読むのが苦手な生徒には、読み上げ機能付きのタブレット端末を配布した。板書が見えづらかったという生徒は「黒板が見やすくなり、授業に集中できるようになった。」教員も「理解することをあきらめてしまったり、途中で寝てしまったりする生徒がいなくなった」と効果を実感する。

 

3月30日 日経新聞

5月7日 マスクのかけ方

花粉症に悩まされる季節。地域差はありますが、2月からスギ花粉の飛散は4月ごろまで続く予想。対策の一つはマスクの着用ですが、ずっとつけていると耳が痛くなることがあります。これを防ぐ方法は「マスクのひもをかける耳の付け根に引っ張る力が集中しないことが大切」

マスクを口に当ててひもを耳にかけただけでは耳の上下のいずれかにも、ひもの引っ張る力が偏ってしまう。そこで、耳たぶ付近からひもと耳の間に指を入れて、耳をなぞると上下の力のバランスがとれるという。マスクをつける前に、ひもを軽く1.2回の伸び縮みさせることも効果がある。ひもの太さもマスク選びの重要な要素。太いほど力が分散されやすい。自分の顔の形やサイズに合ったマスク選びも重要」せっかくマスクをつけても隙間があると花粉が入り込んでします。これを防ぐためには顔との隙間を少なくするようにマスクに折り目を入れるとよく、マスクと顔を出来るだけ密着させる。隙間を減らす事で花粉のブロック効果は4倍ほどまで高まると言われています。

3月23日 朝日新聞

4月8日 スマホ使いすぎ見直しを

若い世代を中心に「急性内斜視」の患者が増えている。一方の目の視線が鼻側に寄る「内斜視」のうち、生後6か月以降に突然発症するものを「急性内斜視」と呼ぶ。

主な症状は物が二重に見える「複視」。片方の黒目が内側に向き、物が二重に見えるようになる。斜視は眼球を動かす働きを持つ筋肉と密接な関係がある。

 

発症の引き金とみられるのがスマホ(スマートフォン)の使いすぎ。スマホはパソコンよりも目に近い位置で画面を見るため、長時間凝視すると眼球を内側に向ける「内直筋」が収縮したままになりやすい。

 

急性内斜視を発症した場合、複視の症状は特殊な屈折レンズを使ったプリズム眼鏡で矯正できる。また、ボツリヌス菌が作り出す成分を注射し、内直筋をまひさせて緩める治療もある。

 

日頃から気をつけたいのはスマホの使い方。何時間も続けて使うのを控え、目にかかる負担を減らしましょう。

3月9日 日本経済新聞

4月8日 iPS細胞移植を承認

iPS細胞から角膜の細胞を作って目の病気の患者さんに移植する大阪大の臨床研究計画を5日、厚生労働省の専門部会が条件付きで了承した。角膜は目の中央にある直径11mmほどの透明な膜でレンズの役割をする。

他人のiPS細胞を使うため、移植した際に拒絶反応が起こるリスクの説明などが条件に盛り込まれている。

 

計画では京都大が備蓄している他人のiPS細胞の提供を受け、角膜の細胞に変え円形のシートに加工。患者の角膜の損傷部を除去し移植する。移植の治療効果と安全性を確かめ、順調にいけば24年頃には実用出来る見通し。

 

角膜の移植を待つ人は全国に約2000人いるとされている。しかし日本アイバンク協会などによると、全国の角膜提供者は年間800~1000人台で推移している。移植を希望しても通常2,3年待たなくてはならない状況で、米国などからの輸入に頼っている。

3月6日 日経朝刊

4月1日 紫外線見えるマウス

光の波長を変換する機能を持った微粒子をマウスの目に注入し、本来は見えないはずの赤外線を目の中で可視光に変えて見られるようにしたと、中国科学技術大などのチームが1日までに、米科学誌セルに発表した。

人間に使うにはさらに検討が必要だが、特殊なゴーグルがなくても暗い場所で物が見える軍事技術にしたり、色の識別が難しい色覚障害に対し、微粒子で色の見え方を調整したりするような使い方が考えられるという。

チームは、近赤外線を吸収すると緑の波長に変え放出する微粒子を開発し、マウスの目の網膜に注入した。網膜の細胞は微粒子が変換した光を受け取り、脳に情報を伝える仕組みだ。チームはこのマウスが赤外線に反応する上、赤外線で描いた三角や円と言った「形」も認識できることを実験で確認。マウスは可視光と赤外線が両方見えており、遺伝子操作や大掛かりな装置を使わずに、見える光の範囲を拡張できることを示した。効果は2か月以上続いたという。

 

 (3月1日 日経新聞)

 

4月1日 果物・野菜と花粉症が関係している? 

花粉症のアレルギー反応は目や鼻等から体内に入った花粉を追い出そうとして抗体が作られ、その抗体が花粉とくっつくことで目や鼻が刺激される。

花粉症の人の中には果物や野菜を食べたときに口の中がかゆくなったり、のどがいがいがすると感じるひともいる。その症状、実は花粉症と関係しているよう。

 

なぜ果物や野菜を食べる事で同じ症状がでるのだろうか。それは花粉に含まれているタンパク質に似たものが食品に含まれていることもあるからだそう。そのため「交差反応」を起こすとアレルギー反応がでる。

 

特定の果物・野菜を食べ、いつも違和感があるならアレルギーの専門医にかかり花粉症だと伝えることが大切。また、タンパク質は熱に弱いため過熱をすることで症状がでないこともある。

 

しかし確率された治療法ではないので血液検査を行い、どんな物質や食品にアレルギー反応がでるかを知る事も大切だ。

2月13日 朝日新聞

3月4日 小豆の色が実は・・・

和菓子のあんや赤飯に使われる赤小豆、その紫色は新種の色素によるものだと、名古屋大学大学院情報学研究科の吉田久美教授らのグループが明らかにした。

 

これまではブドウや他の豆類にも含まれる「アントシアニン」だとされ、抗酸化作用や視覚回復などの効能と共に紹介されていたが、修正を迫る発見。赤小豆にはアントシアニンがほとんど含まれていないことが判明していたが、色素が何かは分かっておらず、吉田教授らの研究により2種類の紫色の新色素を発見。これらは水にはほとんど溶けないなど、これまでの認識と異なる性質がある事も分かったが、効能はまだ不明な点も多い。

 

和菓子のあんの色は産地や品種によってばらつきがあり、職人の経験と勘できれいな紫色を出す工夫がされてきた。色の構造が分かったことで、欲しい色の育種や望ましい調理方法などに向け、科学的な解明ができるそう。

 

名古屋人に広く好まれている「あん」。見なれたあの紫色が、実は新発見だったとは驚きです。

 

(2月8日 中日新聞)

2月15日 みんなが読める点字

視覚障害者が指で「読む」点字の凹凸に片仮名やアルファベットを重ね合わせ、目の不自由な人も健常者も意味が理解できる独特のデザインがじわりと浸透しはじめている。「共生社会の考えにぴったりだ」として東京・渋谷区役所が新庁舎の案内板に採用した。

発案したのは東京都中央区のデザイナー、高橋鴻介さん(25)ある日、点字を見ながら「なぜ僕は点字を読めないのだろう」と疑問に思ったのがきっかけだ。

試行錯誤を重ね、昨円3月に自身のツイッターで紹介すると国内外から「点字を学ぶのに役立つ」「盲学校に通う子どもの教材が読めるようになれたらうれしい」と多くの反響があった。

高橋さんによると、デザインは複合施設「渋谷ヒカリエ」で一時使われたほか、電通本社で採用されることが決まった。渋谷区役所が案内板に使うと、広島、岡山の両県庁から区役所側に問い合わせがあったという。

 

 (2月6日 日経新聞)

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