10月2日 プッシュ式容器を「共用品」へ

傾けて上を押すと、しょうゆが一定量だけでる、軍艦巻きにかけるのに便利な、お寿司屋さんでもみかける、あの、しょうゆさし。

実は1966年から“盲人用具”として「日点」で販売されている。今はデザインの洗練されたものも多い。

 

目の不自由な人にとって、液体を適量測る難しさは調味料だけに限らない。

今年4月に洗剤メーカーへ営業マンとして転職した鶴見さんは、目の不自由な義理の両親から、洗濯のとき液体洗剤の量を測るのが困難だと聞いた。自社製品の中からプッシュ式容器の液体洗剤をプレゼントすると、感謝され、「私たち以外の目が不自由な人にも喜ばれると思う」とアドバイスされた。

 

報告をうけた上司の富田さんは、障害のある人のことまで想定してモノを作っていなかったことに気づかされ、全盲や弱視の人、さらには視覚障害者以外の人からも、意見やニーズを聞きだした。

現在富田さんは、まずプッシュ式容器を広く知ってもらい、次によりわかりやすい表示にすることを目指してチャレンジ中。

身体的な特性や障害にかかわらず、多くの人が使える「共用品」の開発に向け、動き始めている。

(9月29日 日経新聞)

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