11月26日 「白杖=全盲じゃない」理解訴え

「白杖持つ人って見えないんじゃないの。詐欺じゃね?」

「席を譲ったのにスマホいじってた」

電車内でスマートフォンを見ていたときなどに、このような言葉が聞こえてきたという視覚障害者は少なくない。

「“白杖を携えるのは全盲の人”という誤解から、筋違いの批難や疑問視をされることがある。」と、弱視などの視覚障害者がストラップや漫画を用いて理解を求めるなど声を上げ始めている。

 

全盲でなくても、視野の欠損や視力の低下で白杖を必要とする視覚障害者は多く、スマホは文字の拡大・読み上げ・白文字への反転など、わずかに見える人にとって便利な機能が多い。

道路交通法でも、「目が見ない者に準ずる者を含む」と明記のうえ、全盲でない視覚障害者にも白杖の携行か盲導犬による歩行を義務付けている。

 

神奈川県秦野市の渡辺敏之さんが作る、キャラクター『はくたん』のストラップには、「白杖=全盲とは限りません」の文字。自身も視覚障害をもっており、「正しい知識を柔らかい雰囲気で伝えたい」と手作りで販売を始めた。売れ数はすでに300個。

売上の一部は支援団体に寄付していて利益は出ないが、「関心をもってもらえれば」と語る。

これに感銘を受けた大阪市の山川恵子さんも、“全盲ではない視覚障害者”としての実体験を漫画で紹介。主人公は遮光眼鏡をかけ白杖をもったパンダの『よっかちゃん』。来月からは渡辺さんとのコラボでストラップ販売を予定している。

 

(11月22日 朝日新聞)

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