2016.07.04
7月4日 「ヒステリー」は目にも。
精神的ストレスが原因で、手足の麻痺や知覚障害が出現する症例があります。
「ヒステリー」とよばれ、成人女性に多く、過去の辛い出来事が無意識に心の奥に封印され、体の症状として発症する神経症の一つと言われています。
ヒステリーと考えられる症例は、眼科においてもあります。
ある女性は交際相手に右目を殴打され、以後数か月も右目の視力が低下したまま改善しませんでした。大学病院にも紹介されましたが、検査の結果目には異常なし。
最終的に、片目の視力測定を行うと見せかけて、実際は両目が同じように見えないと測定できない特殊な視力表で検査をしました。すると、右目は視力低下していないことが判明。
殴打による精神的ストレスが原因だったのです。
医師は女性に、精神科への紹介も一つの方法として提案しましたが、「目の病気なのになぜ精神科なのか」と説明を信じてもらえませんでした。
心の病にどう対応するか、難しい課題です。
(6月28日 中日新聞)
投稿日:2016年07月04日