9月29日 デコボコと穴を触って、服の色がわかる!?

「着ている服の色を知りたい」と話す全盲の女性との会話からヒントを得て、触れば衣服の色が認識できるという“触覚タグ”が開発された。
視覚障害者の生活支援の研究に携わる、開発者の日本女子大学の非常勤講師・佐川賢教授は、「目の不自由な人の服選びに活用してほしい」と話す。

このタグは、突起と穴の配置で計23色を表現できるという。
開発にあたり注目したのは、彩度、明度と並ぶ三属性の一つである色相と、色を似た順で隣り合わせて円形に配置した「色相環」の存在。
4年がかりで完成させたタグは、彩度のある10色を意味する突起が円形に並ぶ。
円上部の突起を赤と決め、円内の中心部には、黒・白・灰色の無彩色を示す突起を上下に配置した。例えば、淡い赤の場合、赤を示す突起のすぐ内側に穴が開いている、という仕組みだ。

すでに、都内のタグメーカーが6月に商品化しており、衣服の製造会社と価格交渉を進めている。また、すでに購入した衣服にも付けられるよう、視覚障害者向けに1枚50円で直接販売することも検討している。
このような開発によって、目の不自由な人でも色の楽しさを実感できる社会が広がっていくことに期待していきたい。

(日本経済新聞 9月18日)

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