9月1日 使い分けは大人の魅力

本が、携帯の文字が、見えない…!?
あるとき急にそう思ったことはないだろうか。そう、「老眼」だ。
年を重ねるごとにレンズの役割である水晶体は硬くなり、ピント合わせの筋力も衰えていくのだが、実はこの眼の衰えは10代からすでに始まっている。読書の距離に焦点が合わせられなくなった時、ようやく自覚するのだ。

残念ながら現代の医学で老眼の予防や根治はできないが、見えづらさを和らげる手段は次々と開発されている。
角膜をレーザーで切る、樹脂製のリングを入れる、瞳孔を縮める点眼薬で手元を見やすくする…。白内障手術で使う眼内レンズでは、手元にもピントが合わせられる多焦点レンズも登場している。

だが、どれも一長一短。眼科医がまず勧めるのは手軽な眼鏡の使用だ。着け外しが面倒かもしれないが、状況に応じた眼鏡の着脱が出来るのは「成熟した大人の印」だそう。
目にも大人の装いをしてみては?

                             (朝日新聞 8月26日)

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