2月3日 色覚の特性、気づかずトラブルも

特定の色が見分けにくいという先天的な色覚の違いを自覚しないまま進学や就職の時期を迎え、トラブルに直面するケースが相次いでいる。学校での色覚検査が中止されて10年。
受診経験のない人が増えていることが理由だ。

眼科医会によると、中高生のうち受診まえから症状に「気づいていた」のは約5割。受診のきっかけの大半は進学や就職だという。
文科省は2003年度から小学校での一斉検査を取りやめたが、「検査がなくなったことを知らない保護者が多く、現状を周知する」のを目的に、希望者には学校で検査したり、眼科を勧めている動きも増えている。
このような動きに対し、日本色覚差別撤廃の会の井上会長は「色覚の異なる子への偏見を生み、就職制限につながってきた学校での検査は本当に必要か。」と複雑だ。
「色覚の特性を『異常』と切り捨てるのではなく、ケアや情報提供の体制づくりが重要」と指摘するのは、NPO法人「カラーユニバーサルデザイン機構」。
トラブルを防ぐためには、まず色覚の特性に関する積極的な周知を図ることが必要。
そのうえで、本人が進路選択の前から特性を知るとともに、周りも色覚への理解を深めることでトラブルに困る人も減るのではないだろうか。

(日本経済新聞 1月29日)

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