5月10日 思い切り泣いて、ストレス減少!?

GWも終わり、新しい職場や学校にも慣れてくるころですが、思い通りにいかないことが続いて不満が募るなど、ストレスを感じているという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな方のためのストレス解消法をご紹介します。

<「情動の涙」の効果>
心温まる映画の一場面に感動したり、魂を揺さぶられる音楽に出合ったりして思わず涙が流れてしまった、そんな経験はありませんか?この涙は専門家の間では「情動の涙」と呼ばれ、これこそがストレス解消につながるのだそうです。
この涙は、目の乾燥を防ぐためのものや、目にごみが入ったり、タマネギを切って刺激を受けたりして反射的に出る涙などとは異なります。
情動の涙を流すときには、興奮や緊張状態に対応する交感神経に代わってリラックス状態につながる副交感神経が優位になります。副交感神経が働くと、ストレスが低下し、夜に眠りにつく時のような状態に近づきます。科学的には未解明な点もあり、なお検証が必要ではありますが、泣くことはこのような状況を自ら作り出し、ストレスをなくしていると考えられています。

<感情を表に出してみましょう>
このように、泣くことを含め、感情を表に出すことはストレスを減らすうえで大切です。
現代社会においては、表情が失われた「失感情症」の人が多いと言われています。
そうした人の多くは他人との会話などコミュニケーションが少なく、パソコンや携帯電話の画面ばかり見ている傾向があるそうで、大脳皮質が処理する情報の量が膨大になると、本能や感情をつかさどる部分との間で機能のバランスが崩れてしまうことにつながります。
そんな失感情症から回復するには “楽しい体験をし、人との交流を喜ぶ”こと。
例えば、歩いて汗をかく、音楽を聴いたり絵画を見たりして感動するなど、ちょっとした心がけが大切。しかし、あまり必死にやるとかえってストレスが高まるので、”ほどほどに”
がポイントです。
ストレスは気付かないうちに深刻化している場合もあります。まずは、“1日の終わりにきょうは泣いたか、笑ったか“などと、自分の心の状態を振り返ってみることがストレス解消の第一歩です。

(日本経済新聞 5月12日)

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