2月20日 失われた光再び認識へ ~目の難病 治療のカギを握るタンパク質~

国内で緑内障に次いで失明の原因となる難病「網膜色素変性症」の治療薬の開発で、※1タンパク質「ロドプシン」が貢献している。
網膜色素変性症は厚生労働省の指定難病で、視野が徐々に挟まる病気である。
4千~8千人に1人が発症し、約3万人の患者がいるとされる。目の奥にある網膜をつくる複数層の神経細胞のうち、最も外側で光を受け止める「視細胞」の機能が失われるのが原因だ。
ロドプシンは光を受けることで働くタンパク質。「動物型」と「微生物型」に大別でき、計1万1千種類以上あるといわれる。これまで、微生物型の一種の遺伝子を組み込んだウイルスを残った内側の細胞に注射し、光を再び認識させる研究が進んできた。ただ晴天の明るい場所でしか見えず、室内では見えない課題があった。
動物型は光の感度が高いが、網膜で機能させるのが難しい。微生物型は感度が低いが網膜で機能させやすい。双方の長所を組み合わせたい考えだ。24年度の治験を目指す。

※1:名古屋工業大の神取秀樹特別教授が研究してきた治療薬

中日新聞2024年

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