12月4日 読者の楽しさ伝える障害者の「目」

録音図書の利用対象は著作権法の改正で、視覚障害者だけではなく、識字障害や上肢障害のある人たちなどにも広がった。サピエ(※ 1)のダウンロード数も伸び、音声デイジー(※2)だけで年400万を突破。だが、毎年の音声デイジーの新規登録は1万ほどで、書籍の新刊数の7分の1程度。保有タイトル数も、1千万以上という国立国会図書館の図書に比べれば微々たるものだ。一方で、音訳ボランティアは後継者不足と高齢化が進む。

19年に成立した読書バリアフリー法は、誰もが読書できる社会の実現を掲げ、サピエなどへの支援と音訳者らの人材確保もうたっている。高い技術がいる音訳ボランティアの正当な位置づけと活動への支援なしにバリアフリー法の理念は実現されない。

 

※1:全視情協が運営するネット上の図書館

※2:1枚のCDに50時間以上も登録でき、検索なども容易な国際標準規格の録音図書

 

2023.9.30 朝日新聞

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