2019.12.23
12月23日 i P S再生医療問われる真価
相次いで臨床応用の段階に進もうとしている i ps細胞を使う再生医療だが、 高コストになりやすく、既存の治療法や他の新技術と比べて優れた効果を示せるのかが、注目されている。
9日に計画が発表されたのが「網膜色素変性症」の再生医療だ。光を感じる視細胞が痛み徐々に視野が欠ける遺伝性の難病で、進行を防ぐのが難しく有効な治療法がないため、iPS細胞を移植し失明状態から明暗がわかる状態に回復するのを目指す。
しかし、移植しても効果が出るとは限らない。
この病気には「遺伝子治療」という異なるアプローチもでてきた。視細胞の栄養を作る遺伝子を網膜の細胞に入れて、視細胞が弱るのを遅らせる臨床試験が19年2月から始まっていて、5人に実施し安全性などを確認済みだ。
- i P S細胞
・失明に近い状態からの回復に期待
・手術の危険性
・合併症のリスク
・高コスト
- 遺伝子治療
・安全性の確認がすすんでいる
・悪化を遅らせるが、視力の回復は難しい
再生医療の研究は進んだが、遺伝子治療といった他の技術も進歩している。 患者に最適な治療を実施できるように幅広い治療法の研究開発が必要だ。
「1 2月2 0日 日本経済新聞」
投稿日:2019年12月23日