6月7日 高齢者の運転とリスクと健康の続き

高齢者の運転能力や技術は、安全運転支援装置付きのサポートカーや適切なトレーニングを受けることで向上することが明らかになっている。

特に実車によるトレーニングは効果が高い。

国立長寿医療研究センターが軽度認知障害の高齢ドライバーを対象とした「運転寿命延伸プロジェクト」の実証実験を行った。

講習を含めた運転技能向上プログラムを3ヶ月受けた人と、受けない人に分けて比較した。

受けなかったグループは実験前とほぼ変わらず、実験後の1年後に追跡調査したところ、受講者は点数が下がったものの、以前のレベルに戻ることはなく、トレーニング効果が持続することも明らかになった。

運転方を指導する中、高齢者の運転ミスの特徴が見えてきた。

  • ペダルの踏み間違い

体の柔軟性の低下で自然にできた姿勢が難しくなることが一因。

対策としてはブレーキペダルを意識し、足を乗せておく。

  • 無理な右折

判断能力の低下が原因。

対策としては右折に必要な時間や対向車の速度・距離を認識する。

  • 左折時の大回りによる巻き込み事故

視野の狭さや体の硬さから安全確認時の首振りも不十分で気が付きにくいのが一因。

対策としては必要な首振りの角度を理解すること。

中日新聞2024/6/6

6月7日 高齢者の運転リスクと健康

高齢者の運転では、加齢による心身の衰えで、技術や能力が低下する危険性が指摘されている。

70歳以上のドライバーが免許を更新する際には、教習車による実車指導や運転適性検査を含む「高齢者講習」を義務付けている。

また、75歳以上には認知機能検査が課され記憶力や判断力を問う。

認知症と診断をされた人は免許取り消しとなる。

認知症の恐れがないと判断された人や一定の違反歴がある場合は、運転技能検査が課され、合格しないと更新できない。

慶応大名誉教授の三村将さんは、「そもそも認知症かどうかの判定と運転していいのかの判

「認知機能の低下が運転の大きな問題であることは確かだが、それだけでは運転の安全性は評価できない。警察庁の認知機能検査だけではなく、注意力や視野などを調べる各種の検査でふるいにかけ、問題のありそうな人には、可能な限り実車やシミュレーターで評価するのが望ましい」と言う。

「警察庁はどちらかというと免許をどうやって返納させるかに力を入れているが、安全に運転できる期間をなるべく延ばすことも社会的に求められている。

それは高齢者の意思決定を可能な限り保証し、生活や尊厳を守ることにつながる」と話す。

中日新聞2024/6/5

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