5月21日 近視予防へ国語や算数も屋外で  台湾の小学校「1日120分」で成果

台湾の小学校で、屋外に出て子どもの近視の発症を予防する取り組みが成果を出している。

近視は将来の目の病気のリスクを上げる。

日本の文部科学省にあたる台湾の教育部は、1999年に「学童視力保健計画」を策定。

児童の視力悪化を防ぐため、毎日120分間を屋外活動に充てる取り組みを続けてきた。

これまでの研究で1日2時間、光を浴びると近視の発症を抑えられることが分かっている。

近視の多くは、眼軸長(目の長さ)が伸びることが原因だ。

太陽光には眼球の伸びを抑える効果があるとされている。

台北市近郊の興穀小学校は台湾の中でも積極的に近視の抑制に取り組む。

以前は5階建てだった校舎を3階建てに建て替え校庭に出やすくした。

また教室横の外廊下は幅3メートル以上あり外壁がない。気軽に屋外授業ができるように設計した。

休み時間には教室の照明を消し、児童が外に出るよう促し、読書やゲームなどを30分行ったら10分間は目を休ませる『3010運動』を保護者向けの説明会を開くなどして家庭での協力を得ている。PTA会長は「ゲームやスマホなど『目の敵』があふれているが、きちんとやれば効果は確実」と話す。

 

朝日新聞 令和6年5月20日

5月21日 デジタル画面凝視 近視リスク

スマートフォンやタブレットなどデジタル機器が身近になる中、子どもの視力の低下傾向が続いている。

文部科学省の2022年度学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の小学生は37.88%、中学生は61.23%で、いずれも過去最多。

国立成育医療研究センター眼科医員によると、スマホ画面など近くの物ばかり凝視する生活が続くと、眼軸(眼球の奥行き)が過度に伸びて遠くの物にピントが合わなくなる。この状態を「近視」と言い、体の成長に伴って眼軸が伸びている学齢期に進行しやすい。大半は眼鏡やコンタクトレンズで矯正できるが、強度近視と呼ばれる状態になると網膜剥離などのリスクが高まる。近視が進むと基本的に元には戻らないため、普段から近くを見すぎないようにすることが大切である。

子どもがスマホやタブレットを利用する際は、目と画面の間を30センチ以上離し、30分に1回は6メートル先を20秒以上見るように心掛けるとよい。

また、デジタル機器の画面から出るブルーライトをカットする眼鏡の着用を子どもに勧める動きもあるが、日本眼科学会などは推奨する根拠はないとしている。

 

朝日新聞 令和6年5月18日

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