2月27日 小学生のほぼ半数が花粉症

花粉症シーズンの本格到来を前に、ロート製薬が7千人超の親を対象とするアンケート結果を公表した。0~16才の子どもの42.6%、小学生ではほぼ半数が花粉症を実感しており、勉強集中できないなど日常生活への影響もみられた。
専門家は生活環境の変化に加え、親の花粉症発症率の高さも要因としている。
現在小学生の子どもの花粉症の平均発症年齢は5.8歳で、症状は鼻水、目のかゆみ、くしゃみの順に多かった。24.9%が「授業など勉強に集中できない」と答え「夜眠れない」
「外で遊びを楽しめない」も目立った。
日本医大耳鼻咽喉科の大久保公裕教授は、子どもが外で遊ぶ頻度が低くなって細菌に触れる機会が減り、花粉に免疫反応を起こしていると分析している。

中日新聞2024.2.24

2月26日 花粉症対策 今年も万全に

飛び始めは2月初めと早かったが、大量飛散だった昨年より量が少ないとみられる地域が多いという。ただ、昨年並みか多いと予想される地域もあるので地元の情報をチェックしてほしい。
花粉を防ぐ方法として、マスク・眼鏡の効果が高い。しかし、意外と実行されていないのが実情だ。特にコンタクトレンズを使う人が眼鏡に切り替えられていないことが多い。ゴーグルではない普通の眼鏡で十分なので着けてほしい。
最も効果的なのは毎日飲み薬と点鼻薬を併用すること。しかし、点鼻薬は症状がひどいときだけなど誤った使い方をする人が後を絶たない。
正しく使っても1、2割の人は症状が改善しない。そうした重症患者にとって頼れる味方となるのが、19年にスギ花粉症にも保険適用となった抗体治療薬「オマリズマブ(商品名・ゾレア)」だ。現在文案がネットで公開中のガイドライン改訂版も重症者への使用を強く推奨する。ただし処方できる患者には厳しい要件があり、実施する医療機関も限られてくる。

<スギ花粉を防ぐ方法>
・花粉情報に注意する
・飛散量が多い時は外出を控える。外出時はマスク、眼鏡を着用
・表面が、けば立った毛織物などのコートは避ける
・帰宅時、衣服や髪をよく払う。洗顔、うがいをし、鼻をかむ
・飛散量が多い時は窓や戸を閉める。換気時の窓は小さく開け、短時間で
・飛散量が多い時の布団や洗濯物の外干しは避ける
・シーツ、布団カバーは週1回以上洗濯する

中日新聞2024.2.20

 

2月20日 自分らしさ光る義眼

磁気センサーで緑や赤に光ったり、ブラックライトで瞳の中の文字が光ったりする独創的な義眼を作る女性が名古屋市にいる。「義眼アーティスト」として活動するリブさん(29)。自身でデザインした義眼を身に着けることで、幼少期に右目を失明したつらい過去を乗り越え、自分らしさを表現しながら生きている。
医療用の樹脂などを使って自作する技術を磨き、2023年に装着できるレベルになった。一からデザインした自作の義眼は現在8個である。

中日新聞2024.2.20

2月20日 失われた光再び認識へ ~目の難病 治療のカギを握るタンパク質~

国内で緑内障に次いで失明の原因となる難病「網膜色素変性症」の治療薬の開発で、※1タンパク質「ロドプシン」が貢献している。
網膜色素変性症は厚生労働省の指定難病で、視野が徐々に挟まる病気である。
4千~8千人に1人が発症し、約3万人の患者がいるとされる。目の奥にある網膜をつくる複数層の神経細胞のうち、最も外側で光を受け止める「視細胞」の機能が失われるのが原因だ。
ロドプシンは光を受けることで働くタンパク質。「動物型」と「微生物型」に大別でき、計1万1千種類以上あるといわれる。これまで、微生物型の一種の遺伝子を組み込んだウイルスを残った内側の細胞に注射し、光を再び認識させる研究が進んできた。ただ晴天の明るい場所でしか見えず、室内では見えない課題があった。
動物型は光の感度が高いが、網膜で機能させるのが難しい。微生物型は感度が低いが網膜で機能させやすい。双方の長所を組み合わせたい考えだ。24年度の治験を目指す。

※1:名古屋工業大の神取秀樹特別教授が研究してきた治療薬

中日新聞2024年

2月5日 障害者配慮 私立大でも義務化

障害者への合理的な配慮(障害者が社会生活を営む上で必要な対応)を民間事業者にも義務づける改正障害者差別解消法が4月に施行され、私立大にも障害者への配慮や支援が国立・公立大と同様に求められようになる。それに先立って、桜花学園大(愛知県豊明市)の学芸学部英語科には昨年4月初めて全盲・20代女性が入学した。大学も受け入れの環境を整える中、「中学校の英語の先生になりたい」と勉学に励み、ここまでの約10ヶ月間、充実した大学生活を送っている。

独立行政法人日本学生支援機構が全国1,176校の大学などを対象に行った調査によると、障害のある人の在籍数は、22年度が4万9,672人で、06年度の10倍に増えている。視覚障害者の学生は823人で、このうち視覚による学習が難しいとされる「盲」は141人。

4月の改正法施行では、従来は障害者への合理的な配慮が「努力義務」だった民間事業者も、「義務」となる。これまで私立大では、障害者を受け入れる取り組みに差があるなどと指摘されていたが、今後は国立、公立大と同様に、費用や人手がかかりすぎない範囲で可能な配慮や支援、環境整備が求められる。

中日新聞2024.2.3

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