9月29日 視覚障害者 切なる願い

エスカレーター上では立ち止まることを義務付ける条例が10月1日、名古屋市で施行される。
条例制定のきっかけは、2004年。障害者や高齢者から『エスカレーターで歩かれると、突き飛ばされそうになる』といった声が市交通局に寄せられ、『エスカレーターでは歩かないで』と呼びかける啓発が始まった。
2008年には地下鉄久屋大通駅でエスカレーターが緊急停止し、14人がけがをする事故も起きた。啓発を続けてきたが普及には限界があったとして条例化に踏み切った。
条例はエスカレーターを利用する場合、左側右側にかかわらず、段上では立ち止まることを義務付ける。交通各社や商業施設といったエスカレーターの設置者、製造や点検を担う事業者にも立ち止まり利用の周囲啓発を義務付けた。

この条例について名古屋市視覚障害者協会は『視覚障害者が気兼ねなく、介助者と並んで乗れるようになる。身体の不自由な人や小さな子ども連れなど、とっさの動きができない人や、右側にしか立てない人にもいいことだと思う。』と話していた。

中日新聞 2023.9.26

 

9月20日 視覚障害者の歩行ナビ開発

足に感じる振動で目的地まで誘導する、視覚障害者向けの歩行ナビサービス「あしらせ」を、東京の新興企業「Ashirase」が展開しています。

「あしらせ」とは

視覚障害者向けの歩行ナビゲーションサービスで、柔らかな板状の装置を足のかかと付近と側面、甲の3か所に触れるよう、両方の靴に入れて利用します。装置は専用のスマートフォンアプリと連動しています。アプリで目的地を設定すると、装置が振動し始めます。甲付近が震えていれば方角が合っている証拠で、道順案内が始まります。例えば、30メートル先を左折するとします。そうすると、左側の装置だけが振動します。そのまま歩くと、徐々に振動の間隔が早まり、曲がり角に来たところを知らせる。この連続で、目的地まで案内します。

健常者が情報の約8割を視覚から得ている一方、視覚障害者は聴覚や足の裏、白杖など多種多様なインターフェース(接点)から情報を得ています。そのため、情報処理に忙しく、脳内で処理中に情報同士が衝突すると道に迷ったり、事故に遭ったりするというのです。

足で知らせる今の装置は、靴に取り付けたまま玄関で靴を着脱できるので、保管場所を決める必要がない。機械を管理するということを極力減らせる装置である方が、彼らの生活に溶け込んで長く愛用してもらえる。

中日新聞2023.9.16

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