2023.2.7 SHE SAID(シー・セッド)
新聞(紙)は毎朝のルーティンのひとつ。
毎日3紙をざーっと見て、目に付いた記事・興味ある記事を読みます。
文化欄も好き。
紹介されていた映画『SHE SAID』を見に行きました。
実話に基づいた映画。
2017年、ニューヨークタイムズ紙が報じた記事。
ハリウッド映画の大物プロデューサーのセクハラ・性的暴行事件を告発。
その後、映画業界のみならず国を超えて性犯罪の被害の声を促し、#Me Too運動の起爆となったそうです。
そして、この映画上映中のつい先日、性犯罪要件8例が日本でも提示されました(タイムリー!)。
2人の女性記者の取材によって、過去の被害者が表面上の示談で泣き寝入(というか、過去を封印)していたこと、隠蔽が暗黙の了解である業界・社会であることが掘り起こされていきます。
被害に遭った女性への聞き取り、面会、実名公表までのやり取り。
また、加害者側の関係者・弁護士などへの聞き取り・面会など。
調査を妨害されながらも、チーム一丸となり事実を突き詰め、報道公開します。
この映画では、性的暴行事件の告発記事を公表する過程において、2人の女性記者の行動がカッコイイのです。
ジャーナリストとしての使命と責任、プライドを映画の中で感じます。
夜中でも、海外でも、取材依頼があれば出かけていく。
相手が年上でも、男性でも、地位が高くても、屈せず取材に飛び込んでいく。
性被害に遭った女性たちには、寄り添い共感して取材をする。
バリバリのキャリアウーマンたちですが、私生活では妻であり母である様子を描き出しています。
キッチンやダイニングでも原稿を書き、ベビーカーを押しながらでも仕事の電話に応えます。
仕事となれば、夜でも子供たちを夫に預けて出先に。
夫は妻の働きを阻止したり揶揄しないし、子供も何となく母は大事な仕事をしているのだろうと感じている。
夫は妻を自分のサブ(従人)ではなく、対等の人間・パートナーとして静かに応援。
子どもの寝顔で癒され、子供の言動で母親としての自己嫌悪に陥るシーン。
仕事の停滞に落ち込んだり、ちょっとした成功にまた頑張ろうと奮い立つシーン。
映画キャストみたいに、美人でカッコ良くはないけれども、昔の自分に重なるものが。
そんな時代もあったよね~(♪中島みゆき♪)
いわゆる男性的働きを、妻母の役割もしながら女性が続けることは、結構大変。
しかし、仕事が、社会に関わる一個人(属性ではない)としての自分を発揮できた場所(今現在も)であったと思います。
映画の中でも、高齢出産で産後鬱と診断された記者が、復帰して元気を取り戻します。
これからの時代は、性差に関わらず、相手を尊重し認めていくことがより求められると思います。
脇役で、登場する女性上司。
的確な指示をし、時には子育て中の彼女たちを気遣い深夜に残業します。
彼女もカッコイイ。
むしろ、今はこちら側にシフトチェンジです。
自分より年上の素敵な女性たちを目標に。
自分より年下の女性たちに賢明な助言を出来るよう。
社会派映画としても、働く女性としての視点からも見応えのある映画でした。