2020.2.25 名古屋市もの忘れ検診
院長は眼科専門医ですが、『名古屋市もの忘れ相談医』でもあります。
スタッフも講習を受けて『認知症サポーター』です。
眼科はせ川こうクリニックは『認知症の方にやさしい店』に指定されています。
当院では、患者さんと会話の多いクリニックゆえか、眼科診療中の会話の中で『あれ?』と『認知症』を疑うとスクリーニング検査をし、『認知症サポート医・専門医』に繋げています。
『認知症』も軽度だと、簡単な会話は成立するので、既に内科にかかっていても、気付かれないこともあります。
今年度から、『名古屋市もの忘れ検診』が始まっています。
当院も実施医療機関です。
検診に関連して、国立長寿医療研究センターの先生から認知症の講義を受けてきました。
認知症に大きく関与しているのは…
中年期では、高血圧・肥満・聴力障害
高齢期(60歳~)では、うつ・糖尿病・運動不足・社会孤立・喫煙だそうです。
中年期の肥満は発症リスクを上げるけれど、高齢期にはやや太っている(ぽっちゃり)の方がリスクを下げます。
また、やせ(BMI<20)もリスクを上げます。
高齢期には、無理に痩せてはいけません。
体重減少と認知症も相関ありです。
糖尿病は認知症発症のリスクを上げますが、糖尿病性網膜症(眼底に出血など起こる)など末梢血管の循環が悪くなると、さらにリスクが高まるとのこと。
眼科と認知症もリンクしています。
喫煙もリスクありなので、禁煙をお勧めします。
喫煙は、眼科の病気(加齢性黄斑変性症など)を含め、ほとんどの慢性の病気のリスクになっていますが。
運動習慣も大事です。
推奨は1日60分ほど、1週間に3~4回、中~強度の強さで続行すること(体力のない人、機能の衰えがある人はこの限りでない)。
有酸素運動、筋トレ、太極拳(体幹を使う)などの運動が有効です。
あとは、社会との繋がり。
繋がりの大きさは関係なく、外部社会に参画することが重要。
内容は、どれも、スタディ(研究)に基づいた事実や仮説であり、非常に興味深い内容でした。
眼科以外の勉強は、いつもリフレッシュ出来て楽しい!と思うのは院長だけ?(もちろん眼科の勉強も楽しいですが)
人生100年時代。
現在95歳以上だと、女性の4人に3人、男性の4人に1人が認知症です。
誰もが、なり得る認知症だからこそ、発症リスクを抑える努力(予防)をしたり、早期発見・治療に主眼が置かれてきています。
認知症になったとしても、社会生活に支障を及ぼさずに、天寿を全うする。
これが、今の認知症治療の目標です。
認知症の患者さんを、目の病気の依頼で往診します。
認知症の程度も様々、認知症の進行具合も様々です。
『名古屋市もの忘れ検診』は、1年に一回受けられます。
65歳以上で認知症と診断されていない市民が対象です。
受付にお申し出ください。
まだ若い(と言っても中年…)院長は、今のうちに、リスク軽減に努めたいと思います。