2025.1.28 台湾産、ま?!

所用で沖縄日帰り。

空港を含め沖縄滞在時間は6時間半。

それでも一応旅です。

沖縄行きはいつもかりゆしウエアで。

沖縄へのささやかなリスペクトです。

 

那覇市内はゆいレールが便利。

一番前の席は前向きで運転席のすぐ後ろ。

前方が広く見える特等席です。

一番前に座りたくて、出発を一便ずらしたことも。

今回は時間がなく残念。

座ったのは、もうすぐ就活(話の内容から)の男子学生たち。

ゲームとおしゃべりに夢中で景色は全く見ていません。

話を聞いていても(聞こえる)楽しい年頃。

(景色見ないならオバサンに代わってよ~)心の声。

 

所用を済ませて残り数時間。

行きたい所、やりたい事は欲張らず絞るのがコツ。

今回は初めての福州園。

老師(先生)おすすめの場所です。

那覇市制70周年記念と那覇市と福州市(中国福健省)の友好都市記念締結10周年記念事業の庭園です。

 

春・夏・秋冬を建築物や石像彫刻・木々で表現。

どの場所から見ても絵になります。

静寂の中、時々すれ違う人々が話してるのは中国語。

それゆえ、中国式庭園と相まって異国にいる錯覚に。

 

併設のカフェで沖縄風かき氷を。

注文にきたスタッフが日本人ではなかったので、もしかして中国人?中国語実地チャンス!と思い、国を訪ねると

『ミャンマー』

あれま、それでもしばらく日本語で話をしました。

知らない誰かと話すのも旅の楽しみ。

 

 

北海道では杉植林がないので、スギ花粉症は発症しません。

沖縄は…というと、沖縄でもスギ・ヒノキは非常に少ないので、内地(本州)のようなスギ花粉症は発症しません。

琉球松(リュウキュウマツ)が2~3月に花粉飛散しますが、抗原性が低いので、ほとんど症状発症に至りません。

この時期沖縄暮らしもいいなあ~と見果てぬ夢。

 

名古屋は既にスギ花粉がいくらか飛散し始めました。

毎年予防的に早めに点眼開始する患者さん(早期治療が最も効果的!)、ムズムズやかゆみ・違和感を感じる患者さんは、すでに来院されています。

スギ花粉症の院長も既に開始済み。

昨年夏の暑さの影響で、例年比よりかなり多めの飛散予想です。

東海地方では特に津(三重県)市と静岡市は飛散非常に多しです。

 

素晴らしい庭園を満喫して帰ります。

 

スーパーや市場が大好きな院長。

地元の人が利用するお店を覗くのは楽しみ。

沖縄産のバナナ・パパイヤ・ドラゴンフルーツなどが並んでいます。

島バナナは嬉しくて買ってしまう果物のひとつ。

初めて沖縄県産の法蓮草・セロリ・サラダ菜を見つけました。

このような野菜が沖縄で栽培されているとは…

地元では当たり前かもしれませんが、沖縄と結びつかず驚き。

地産の野菜や果物を買うのも旅の楽しみ。

 

特筆すべきはサンマの塩焼き。

台湾産と表記。

『台湾産、ま?!(吉本新喜劇の茂三じいさん)。台湾サンマ?!』

サンマが台湾で獲れるの?

サンマ=北海道や三陸沖のイメージ、サンマ=台湾とは結びつかずまたまた驚きです。

沖縄と台湾の距離・親交を実感。

 

野菜や果物・魚をその日のうちに空輸(院長とともに)

なんて贅沢な法蓮草やサンマ達。

 

法蓮草もセロリも普通の味でした(何を期待した?)。

サンマは、普段食べている北海道や東北のものに比べると、スリムで脂がない感じ。

こういう経験もお楽しみ。

 

花粉症でクリニックも忙しくなります。

元気に仕事をするためにも、束の間の非日常は大切な時間です。

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2025.1.21  インフルエンザで目やに?!

巷ではインフルエンザが流行っています。

インフルエンザ罹患中の眼科受診はありませんが、全ての人にマスクの着用はお願いしています。

 

一年中通して子供の目やには多いですが、特に寒い時期に一番多くなります。

まず、状況を保護者からヒアリング。

そこから速やかに診察。

目やにの色・粘り具合・出方や白目や黒目への影響など。

時には、目やにの培養も。

長年眼科医をしていると、小さな子供さんに対する対応も迅速になっていることを実感します。

子供に対応するコツ・診察のコツ。

もう今は慈母の気持ちです。

 

子供の結膜炎の場合、検出される多くは『インフルエンザ菌』か『肺炎球菌』です。

どちらも風邪の原因菌です。

『インフルエンザ菌が出ました』と説明すると

『え~!インフルエンザに罹っていたんですか?!』とびっくりされる方が多々。

『いわゆるインフルエンザとは違いますよ。あっちはウイルス。今回は細菌です』

 

細菌は単細胞の生物で細胞分裂により増殖(自分で増殖可能)。

ウイルスは生物の細胞に感染して増殖。

細菌は顕微鏡で確認可能。

ウイルスは小さい(細菌の約1/1000から1/100)

 

インフルエンザウイルスによる風邪とインフルエンザ細菌による風邪は全く別物です。

 

子供の結膜炎の患者さんは、目がウルウルしていたり、鼻水が出ていたりと、風邪を引いていることが多いです(高熱はない)。

『インフルエンザ菌』や『肺炎球菌』による結膜炎は、就学前から小学生の子供に多く、また何回も繰り返します(よく風邪をひくから)。

小さな子供と同居家族の場合は、子供からの感染か、同じ細菌性結膜炎になることもあります。

いずれにしろ、適切な(強くなくてよい)抗生物質の点眼で速やかに治ります。

もちろん眼科医に完治を確認してもらってフィニッシュです。

 

ただし、きちんと点眼をすることが大前提。

小さな子供は、なかなか協力をしてくれませんが、それでも回数を守ってさすことが大事(処方指示を守るは治療の大原則)。

最近は、院長の提案『目薬さしましょう』とか『ものもらい切開しましょう』『〇〇なので眼鏡作りましょう』に、お母さんが子供に承諾を問う光景が見受けられます。

『目薬さす?』『切る?』『眼鏡作る?』

子供は大体『いやだ』(当たり前)

ここは、保護者が決定して欲しいところです(子供の人格を尊重かもしれませんが、この場合は違う…)

 

もの思うこと多いこの頃です。

 

さて今年もあれこれ計画。

どれも自己満足の範囲での自己決定。

 

先日所用がありJR利用。

ホームに着いたのは13時近く。

ちょっとお腹が空いたし寒いし…自販機で何か飲み物…

視界に入った立ち食いソバの看板。

そう、『やりたいことリスト』の片隅にあった駅の立食い蕎麦屋。

いつでも行けそうで現在まで実行に至らず。

なぜなら、電車に乗る時点で空腹の時がないから。

若い頃と違って、別腹とか、無理に食べようということをしなくなりました(不可)。

美味しく食べたいので、お腹の空き具合は重要。

お腹減り具合においてベスト!

今こそ!いざ、立ち食いソバ!

迷わず店内に。

券売機でお勧めのきしめんを。

狭い厨房でおばさん(70代?)2人が手際よく連携プレー。

冷凍きしめんを茹で、つゆに入れ、エビ天・揚げ半分・鰹節とネギで完成。

熱々のきしめんが体に沁み入ります。

立食いゆえの束の間の幸せ・初体験。

 

今年も楽しいこと見つけられそうです。

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事

2025.1.14  象が落ちても…

個人宅に往診に行くと、年季の入ったガラス戸にたくさんの土産物・置物が飾ってあるのを見ます。

子どもの頃、友人宅や親戚宅でよく見た昭和の風景。

余程気に入ったお土産や飾り物以外は買わなくなった昨今。

 

ですが、一人旅復活してから自分用に小さな置物をいくつか買うように。

旅した体験と記憶が一番のお土産なのですが、目に見えるものとして小さなお土産も欲しくなるもの。

お土産を見てその時の旅を思い出す。

回想は幸せな時間。

 

とはいえ、やはり置物に統一感はなく…

置き場を探していたら…ありました。

院長電子カルテの横のモニターの回転台。

 

置いたもの。

網走刑務所のアポポ(服役者が作成)。

野沢の鳩ぐるま(籐で編んだ地元婦人作)。

宇和島闘牛の木の置物(闘牛は一見の価値あり)。

備前焼の亀(の箸置き)。

つるつるした石(息子が旅先で拾ってきた)。

4792と彫ってある小さな与那国馬(地元の陶工房)。

ちょんと腰かけている鳩サブレ人形(本店限定)。

バンダナを巻いているオバケのQ 太郎人形(3本の毛が今2本に)。

そして、カンボジアで買った象(これのみ大きい)。

 

診療の度に目に入るので院長の癒しになっていました。

モニターで説明した後、患者さんに尋ねられることも。

 

ある時ちょっとしたいたずら心で、象をPCの上面に手をかけているように置いてみました。

意外にもキュート。

ただ置いておくよりもいいね~とスタッフと話していました。

 

ある日の診療終了後、スタッフが『すみません~、先生、大変なことが!』

何々?

聞くと、PC周りを掃除しようとしたら象が落下、牙が取れてしまったとのこと。

見ると確かに象の牙が折れています。

そして牙の折れた所を見ると…何と空洞!

やはり…

 

カンボジアの市場で見つけた木彫り(と思っていた)の象。

一目見て欲しい!と思ったけれど、その時は現金しか持っていませんでした。

しかも持ち金は残りわずか。

何度か手に取り戻しを繰り返し、やはり象は高いなあと思っていると…

日本語で『お姉さんだから安くしておくよ、○○ドルにするよ』

う~ん、手持ちが…

『もう少し安くできる、それとてもいい物』

手持ちのお金を見せて断ろうとすると…

『わかった、○○ドルでいい。すごく安くなった』

『買います!』

Good Job!

模造紙に包まれた像を持ってホテルに向かって歩いている(約1.5キロ)と、トゥクトゥク(2輪タクシー)が近づいてきて乗らないかと誘います。

1乗車2ドルとのこと。

1ドルしかないことを伝えて断り歩き出します。

すると、1ドルでいいから乗っていけとのこと。

50%ディスカウントしてくれホテルまで付けてくれました。

 

帰国後、象を家族に見せると『木製じゃないよ。プラスチック製を買わされたんだよ』

そんなこと思っても見なかったけれど、お風呂に入れると沈んでいきました…

でもまだ木製を信じたい院長。

牙が折れたことで、いわく付きの象はやはりプラスチック製だったと判明!

やはり…

 

真偽がはっきりしてすっきり。

お値打ちに買ったと思ったのに、市場のオバサンのほうが上手。

トゥクトゥクのドライバーは、じっと待っていて0より1ドルにまけても乗車してもらった方が売り上げにつながると賢明な選択。

みんな生きるために頭を使っている…

カンボジアの市場と象とツクツクのエピソードは一番のお土産。

偶然ですが、象が落ちて良かったのかも。

 

代わりに、一位一刀彫の巳・宇和島の牛鬼が加わりました。

新年から賑やかなデスク周りです。

こちらもご覧ください。

2023.8.22 何しにカンボジア? その1

2023.8.29 何しにカンボジア? その2

2023.9.5 何しにカンボジア? その3

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの日常の出来事

2024.12.24  仕事は楽しい?!

今年もあとわずかになりました。

先日吉本新喜劇を生で見て、今年の笑い納めをした院長です。

 

院内の忘年会では、しゃべり納め?!

いつもスタッフのおしゃれを楽しみにしている院長です。

よそ行きの服にお化粧。

みんな素敵!

院長も気合を入れてこの日のために服を新調。

『先生、パーティー用ですか?』

『ううん、これ(忘年会)用。ここでお披露目したら普通に着ます』

懐石料理を囲んで話の輪が咲きます。

 

仕事のこと、家庭のこと、日常のことなどなど

オバサン(院長筆頭)の強みは、話が途切れないこと。

 

仕事の話題で。

夫から『(パートだから?)楽しく働いていていいね~』って言われるんです、の声。

正社員の立場からは、理不尽なことに耐えて仕事をしなければいけない時も多々。

休みたいと思っても休めないことも多々。

それは夫でなくても、クリニックの院長として働いてきた経営者であり労働者の立場(一応妻でもあり母でもあり)からすると理解できます。

パートさんが、子供の行事でお休みしたいと言われると、かつて(子育て中の院長)は羨ましく思ったこともありました。

 

しかし当院のような小さなクリニックだと、パートさんといえども各々得意なことで重要な仕事を担ってくれており、大事な戦力になっています。

そして楽しく働けてるって最高じゃん!

楽しく働けているのは、その人の特性に合っているということ。

楽しく働いているって羨ましがられるくらい、生き生きしていること。

院長感謝。

自信持って~!

 

かくいう院長も、仕事をしていて落ち込むことも悩むことも多々ありますが、続けてこられたのは、仕事が好き!ということ。

眼科専門医・医学博士・開業医・学校医・産業医・健康スポーツ医・障害者スポーツ医、どれも必要で好きな仕事です。

 

67職種調査(朝日新聞)によると、正社員のうち、労働時間が一番長いのは約53時間の自動車運転従事者(トラックなど)で女性の割合は2.8%。

次に多い医師は約50時間で女性の割合は24.9%とのこと。

 

『つらい。大変。嫌だ』

これに勝る『好き』

瞬間的に49:51になることもフルタイムの医師生活の中ではありましたが、経験を積み、家族も変化する中、『好き!』を続けて良かったと思います。

患者さんにはいつも『先生、元気だね~』と言われます。

元気な姿でいること、元気に声をかけることも院長には医師としての必須条件だと思っています。

何かしらの病気があって患者さんは来院されるので、気分だけでも明るくスタートしたいと思っています(もちろん腕は大事)。

 

忘年会の話題に戻って…

常に音楽や音が欲しいか否かでまたまたおしゃべり。

院長は日常的にイヤホンはしないし、見ないテレビはつけません。

その代わり周りの声・会話をよく拾います。

 

先日、知人とすし屋のカウンター。

一席離れて、出張のビジネスマンが大将と温泉談義。

『このあたりに、すぐ行って帰ってこられる温泉って…』

『下呂・奥飛騨…』

違う違う…もっと近場が…

知人と話をしながらも、耳がダンボ。

教えてあげたい…

とうとう『あの~横からですみません…蟹江温泉があります!日本名泉100選の源泉かけ流しですよ』

『あ~蟹江温泉。確かに』と大将。

電車ですぐの旨を伝えると『帰る前に行ってみます』

 

ほんの小さなどうでもいいことでも、大きく盛り上がるのが女性ならでは。

スタッフたちに感謝です。

 

院長は自分用にクリスマスカードを何枚か買います。

メリークリスマス!

 

次回は1月14日です。

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事

2024.12.17    今度は日本按摩

中国の按摩(マッサージとは厳密には違う)を施術してもらって以来、色々なマッサージが気になるように。

 

今までそれほど用もなかったのに、違いを感じたくてまずは手近なリラクゼーションに。

眼科医は常に細隙灯顕微鏡を使って診察をするので、前かがみになりがちです。

加えて電子カルテの入力をするので、首肩には負担が。

そのために首肩の筋トレをしている院長です。

無資格者(リラクゼーション店は資格不要)でも、マッサージしてもらえば気持ちよくなります。

リフレッシュにはいいかも。

ちなみに医師免許があれば、針灸按摩の施術は可能です。

 

 

次に、中医学の先生(前回の新彊で)に施術してもらった経験をもう一度…と、中国的な施術をしているところを探しました。

按摩推拿は、圧迫・さする・押す・つまむの意味だそう。

施術者は日本人。

本場中国に行ったことはなく、中国人から伝授された日本人からの伝授(孫弟子?)とのこと。

本場施術者の体験(私)を聞きたいようでした。

気持ちよくなりましたが、中国の先生の施術とは全然違う。

まあ、これも一つの体験。

 

街にはマッサージ店が溢れかえっていますが、按摩(鍼・灸も)の看板はめっきり見なくなりました。

あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師は、専門の養成施設や学校で学び、国家試験に合格して資格を取得します。

江戸時代以降、視覚障害者(盲人)の職業として定着していましたが、現在では晴眼者(目の見える人)の方が多くなっています。

昔は『あんまさん』と呼ばれていたような…

 

今回、視覚障害者であるあん摩マッサージ師に施術を受けました。

通された部屋には入っていくと、小柄な女性Aさんが『こんにちは~』

仕事柄、目には注意が行く院長。

両眼とも義眼です。

つまり盲目。

親し気な声でベッドに横たわるように言われます。

 

最初は、黙って施術をしてもらっていたのですが

『足、硬いですね~』と言われ

『たぶん筋トレしているので…』

『そうなんですか~私もね~運動しなきゃいけないんですけどね~』それを機に話が弾みました。

首もしっかり揉んでもらいます。

院長は普通のオバサン患者。

そのうち『失礼ですが、目は病気か何か…?』

『赤ちゃんの頃に、目に癌が出来たんですよ。取らないと脳に行って死んじゃうからって、両眼取ったんです』

『そうでしたか…』

オバサン患者の脳内、一気に眼科医にスイッチオン。

網膜芽細胞腫だったんだ!

 

網膜芽細胞腫は、眼球内に発生する悪性腫瘍です。

乳幼児に発症します。

腫瘍が大きくなり、瞳孔が白く見えようになることが特徴です。

また、低視力や斜視で発見されることもあります。

放っておくと生命に関わるので、昔は眼球摘出が唯一の治療法でした。

現在では、大きさによっては化学療法などで温存も可能に。

また両眼の場合は遺伝性である可能性もわかってきました。

院長も大学病院時代、該当する患者さんを受け持った経験があります。

今でも時々思い出す患者さんです。

 

生来の視覚障害者だけでなく、中途失明者にとっても資格取得は生活の上で重要です。

昔より視覚障害があっても職業の選択は広がっていますが、ある意味狭まってもいます。

按摩(初体験)で身体は気持ちよくなりながらも、頭は冴えてしまった院長でした。

 

 

こちらもご覧ください

2017.4.11 日本眼科学会in2017

 

 

 

 

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2024.12.3  人もワイン?!

11月第3木曜日はボジョレーヌーボー。

ボジョレーの新酒ワインの解禁日です。

 

20年以上前の大学院生の頃。

JRから金華山の岐阜城が見えると間もなく岐阜駅。

岐阜城は、懐かしさ(故郷)とともにエールをくれるシンボルでもあり。

木曜日は、大学病院の緑内障外来を担当し研究もして、ふらふらになりながら一目散に家に向かいました。

幼い子供たちは頑張って起きて待っています。

翌日は自院の診療です。

 

現在よりもずっとバタバタの毎日でしたが、それでも、大学院を経て医学博士を取得したときは感無量。

実際には、博士号取得後の恩恵よりも、博士号を取る過程で勉強・研究したことが大きな収穫となりました。

 

大学病院の緑内障外来は、進行した緑内障患者さんや、手術前後の患者さんなどでいっぱい。

クリニックでは経験しないような症例も多く経験。

これも眼科医として知識と経験の財産となっています。

そして、途切れることなく新しい知識を得ることもスムーズになっています。

 

 

最近、重症化する緑内障のタイプがわかってきました。

進行が速い患者さんとは…

1,高眼圧

開放隅角緑内障では、眼圧が1mmHg下降するごとに、進行リスクが10%減少。

正常眼圧緑内障では眼圧を30%下降により約8割が進行抑制された。

2.落屑(らくせつ)症候群

落屑とは、加齢により瞳孔周囲に付くふけのようなものです。

落屑緑内障は平均的には正常眼圧緑内障より進行が10倍速い。

3.睡眠時無呼吸症候群

眼圧が低くても進行しやすい(肥満・加齢・男性は発症要因となる)。

 

 

QOLが低下する患者さんとは…

1.中心視野障害がある

日本人に多い正常眼圧緑内障は中心視野障害を生じる頻度が高い。

強度近視の正常眼圧緑内障は早期から中心視野障害が生じやすい。

 

まだ20年前にはわかっていなかった知見です。

多くの症例・論文の積み重ねで新しいことが分かってきます。

 

さて、当時は今よりもボジョレーヌーボーの売り出しが盛んでした。

11月の第3木曜日の大学院の帰りには、必ずお勧めのワインを買って帰りました。

新酒だけあって、渋みもなくフレッシュ感があり、普段飲まない院長でも飲みやすかったです。

 

いつの間にか普段飲むようになった院長。

そしてボジョレーヌーボーも買わなくなりました。

好みは重くて渋みのある辛口赤ワイン。

ちなみに赤ワインは緑内障発症率を下げる傾向ありと言われています。

今日の一日に『お疲れ様!』

 

最近読んだ終活をテーマにした小説。

75歳の主人公が、高校1年生の時の憧れの女子に、終活と称し再会の機会を図ります。

再会した彼女は、初々しく清楚な女子高生はどこへやら、苦労の人生を経て同居の嫁の悪口を話しまくる婆になっていた、という始末。

親しい知人にその落胆を話します。

しかし落ち着いた先は…

『昔は、えぐみも渋みもなくて複雑さもないライトボディのワイン。

今のほうがずっと面白い。

意地も悪いし策士だけど、それが人間の複雑さになっていた。

まさにフルボディ』

 

なるほど。

楽しいことも悲しいことも、嬉しいこともつらいことも、たくさんの経験をすることによって、自分というワインが熟成されるのだと思えばこの先も乗り越えられそう。

目指せ、最高のフルボディ!です。

澱(おり)も溜まるくらいに!

 

 

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 2024.11.26  目の神様in奈良&愛知

始めは偶然知った目の神様も、だんだん、目の神様巡りが旅のテーマのひとつになっています。

患者さんから『目のお寺、好きなんですか?』

と、聞かれることがあります。

好きか嫌いか?と聞かれれば、好きでお参りしているのですが、寺社仏閣に対して『好きです』は何ともミーハーみたいで答えるのに躊躇します。

一眼科医の興味…ですが、信心を持っての参拝客には失礼な答え。

地元のお寺で毎週お経を習い(子供会単位で!)、家でも仏壇に手を合わせお経を読んで育った院長。

医師になるまでは、何事も御仏が助けてくださると信じていましたが、医学(科学)の道を進むうちに何でも祈願祈祷で良くなることはない事実も目の当たりに。

ほとんど無宗教に近い現在でも、それぞれの寺社仏閣にご利益に至るゆかり話に興味はあるし、足を運び参拝することに意義があると出かけています。

 

今回は、奈良・壷阪(つぼさか)寺。

ここは以前『近鉄三昧・阿呆列車』で吉野への通過駅です。

 

せっかくなので法話も聞ける日を選びます。

橿原神宮からの電車は混んでいましたが、飛鳥で多くの人が下車。

壺阪寺下車客は数人。

小さな駅から1時間に1本のバスに乗り込み高取山の中腹へ。

 

壺阪寺は、眼病封じのお寺で、歌舞伎『壺阪霊園記』として有名だそう。

今から300年以上昔、座頭の沢一は条坊お里と暮らしていた。

お里は午前4時になると床を抜け出していた。

もしや、好きな男でも…と問いただすと、この3年壷阪寺の観音様に朝詣でをしていた。

沢一は自分も観音様にお参りを始めたが、盲目ゆえに不遇な暮らしをさせていると思い身を投げた。

それを知ってお里も身を投げてしまう。その夫婦愛に、観音様の霊験で二人は助かり、沢一の目が開眼した。

 

真偽はともかく、エピソードを知ることも『へ~』

 

ここでは、お守りや数珠だけでなく、目薬や目薬の木飴・せんべいなども売っていました。

目薬の成分は確認して、お守りとせんべいをいただきました。

 

また、別の日。

灯台下暗し。

愛知県にも目の神様があることを知る院長。

知多の『めがね弘法』大智院。

眼鏡をかけている弘法大師です。

安政7(1860)年、目の不自由な浅吉翁が身代大師に祈願したところ、目が見えるようになった。

代わりに大師の左眼が傷つき、以来、翁の残した眼鏡をかけられるようになったとのこと。

 

現代は、目の病気があったり目が見えなくても、黒い眼鏡をかけることはなくなりました。

しかし、昔は、黒い眼鏡をかけている事=視覚障害者のイメージでした。

黒い眼鏡と白杖が目の見えない人のイメージとなっていました。

 

黒い眼鏡は遮光の意味と、表から眼の状態を隠すために使われてきました。

 

めがね弘法の眼鏡も眼病(もしくは怪我)を隠すためと思いますが、今の人が見ればサングラスをかけた弘法に見えます。

最近は丸い眼鏡が流行っているので、今風に見えないこともないです(罰当たり)。

 

ちょうど、めがね弘法大祭の日。

眼病平癒・健眼長寿の加持祈祷がされていました。

○○(住所)の○○(名前)の○○(目の病気)と祈祷の声がリズムよく流れてきます。

つい病気・病名で祈祷されている人のことをしばし想像する院長。

ちゃんと眼科もかかっていますよね?!

ここでも目薬・目薬の木のお茶・先見(先がよく見える)飴が売られています。

 

目の神様に『へ~』を見つけに参拝する罰当たり?な院長です。

もちろん患者さんの眼病治癒祈願をしています。

■目の神様シリーズはこちらからご覧ください

目の神様in 鎌倉

目の神様 in平泉

目の神様 in 仙台

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

目の霊山

余呉へGO,GO

鎌倉好き

医者も祈願する!?

 

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2024.11.19   開けてみた!

『頑張った自分へのご褒美として40歳の記念に買いました』

某ファッション雑誌で、石のピアスを付けたメイクアップアーティストを見たのは、院長30代の頃。

『素敵~』

いつかは、いつかは…と思っているうちに、40代はあっという間に過ぎ、気が付くと50代に。

偶然出会った石のピアス。

ちょうど開業25周年。

40歳からはずいぶん経ってしまいましたが、この機会・記念に買わないでどうする?

あいにくピアスの穴を開けていないので、イヤリングに再加工依頼。

 

出来上がったイヤリングは、繊細でとてもきれい。

仕事柄、指輪は出来ないので耳でお洒落を楽しみます。

とある晩、自転車で近くのスーパーまで買い物に。

マスク・眼鏡・帽子で。

自転車を降りて、両耳を触ると(このイヤリングを買って以来、耳たぶ確認!)左耳のイヤリングがありません。

血の気が引きます。

家からスーパーまでは500メートルほど。

買い物どころじゃない、探さなきゃ…

息子たちが、たまたま家に居たので電話。

かくかくしかじか…

それぞれが懐中電灯を持ってスーパーに向かってきます。

私も自転車を止めて探します。

『なかったわ~』と息子たち。

『やはり…』失意のどん底…絶望感…

と、最後に来た息子が、少し手前の街路樹でしゃがみ込み『これ?!』

手に取り『これ!これ、これ!』

見つかりました!

息子たちありがとう!

 

この一件以来、イヤリングは引き出しの中に眠ることに。

 

ある日ふと…

何のために買ったの?

また落とすかも…って、ずっと付けないの?

いつ付けるの?今でしょ!

自身と問答。

ピアス穴を開ける決心をした院長でした。

決心をしたものの、ピアスをしている知人その他にヒアリング。

どこで?痛みは?ケアは?などなど。

 

クリニックで、友人に…開けてもらい方は色々みたいです。

当初は、クリニック(何科でもよい)に行こうかと思っていましたが、息子たちに経験を!と思いついた母。

早速、息子たちに左右それぞれ開けてもらいました。

彼らも初体験。

下の息子はやや躊躇し、先にやった兄に『押すだけ。早く』と急かされる始末。

案ずるより産むが易し。

一瞬のチクッ!

今まで散々自分は保守的だった…と実感した瞬間でした。

 

ファーストピアスを付け、スタッフへ報告(何でも報告する院長)。

ファーストピアスの注意や、セカンドピアスへの移行などなど注意を仰ぎます。

ポスト(ピアスの軸)も最初は気になりましたが、段々慣れてきました。

美容室では『ピアスにしたなら攻めのショートにしましょう』と提案され。

 

ある朝、ベッドの上にピアスが一つ。

寝ている間に、掛布団に引っ掛かって取れたようです。

ベッドの上で良かった。

今度は家中を探さないといけなくなる事態でした。

 

♪どこかで半分失くしたら役には立たないものがある~♪(真珠のピアス 松任谷由実)

………♪そっとベッドの下に片方捨てたAh~真珠のピアス~♪

 

人からもらったものは、その人との縁次第かも。

自分で買った思い入れ(特に頑張りへのご褒美)のものは、簡単に手放せません。

 

イヤリングから再びピアスになって戻ってきました。

当初から、ピアス穴を開ける決心をして、ピアスで買っていたら…

と思わなくはないですが、人生、気付いた・気になった時点での行動は多いもの。

ピアスの穴開けに恐れおののき、今回は、後手に回った院長。

 

手持ちのイヤリングは全てピアス仕様に。

遅まきながら、ピアスのお洒落を楽しみます。

 

 

 

 

 

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事

2024.11.12  小学校に上がる前に

今年度の就学時健診も全て終了。

院長と就学児童の年齢差はどんどん広がっていくばかり。

仕事では赤ちゃんや子供と多く接しますが、私生活では大きな子供たち(息子)ともなかなか接点がない院長。

長く通院されている同年代の患者さんからは孫の話題も出てきて、そういう年頃なのね~と気付かされます。

 

就学時健診では、視力(ABCDで判定)・眼位・目の病気の確認を。

再検査を促したり、アドバイスも。

 

視覚は成長とともに発達します。

出生直後は光覚弁(明暗が分かる)くらいでも、生後3か月で0.05、1歳で0.2~0.3、2歳で0.4、3歳で1.0に達すると言われています。

3歳児健診で1.0が理想。

ですが、個々の発達やその時の機嫌により、眼科要精査になる子も多々。

受診用紙を持って来院した子供さんには、成長・発達がゆっくりで上手く視力検査が出来ないのか、早急に眼鏡などの治療をすべきかを判断し、方針を決めます。

視力検査は練習も有効なので、家でやり方に慣れること・眼科に慣れることも大事です。

 

就学前の子は、大人のように視力検査表で測定するのは苦手。

多くの中からひとつを見分けるのが苦手なのです(読み分け困難)。

そのため、ランドルト環という切れ込みがある丸い輪っかをひとつずつ見せて測ります。

 

3歳児健診で、就学時健診で受診用紙をもらって来院した患者さん。

以来ずっとお付き合いの患者さんもいます。

当院開院27年なので、〇〇ちゃんと呼んでいた患者さんも、今では立派な成人。

○○さんと呼びますが、記憶の中に小さな○○ちゃんがいます。

 

検査をして、斜視・弱視があれば、治療用眼鏡や訓練を行います。

強度の遠視・近視・乱視も眼鏡の適応になります。

軽度の遠視で裸眼視力が出ている場合は、本人が見えにくそうな時があるかがポイント。

子供はピント合わせの力が強く、視力検査は良好なことが多いです。

しかし、ピント合わせの緊張もずっと続くわけではなく…集中できなかったり、見づらくなったりすることがあります。

その場合は、今が一番遠視が強い状態(年齢とともに減少)なので、しばらく(数年)眼鏡をかけることにします。

 

調節麻痺剤を使って近視と診断されれば、回復はしません。

現在、近視抑制効果があると言われているのは、オルソケラトロジーと低濃度アトロピンです。

進行抑制効果(近視が強くならない)は期待できますが、近視をなしにすることは出来ません。

また、それ以外にも近視をなしにする治療はありません。

教室の後ろの席で黒板の字が見にくくなるのは0.7(屈折度数も重要)。

それより下がれば眼鏡を考える時期です。

最近では、一部の例外を除き、原則的には完全矯正にします。

緩めに矯正すると、近視進行しやすくなります。

 

遠視や近視の検査・治療など、時代とともに変化しています。

医学分野では特に、過去に常識だったことが、数年で非常識になります。

その変化に対応した知識と技術と機器を獲得し患者さんに還元がモットーの院長です。

小学校に上がる前に、気になることは解決しましょう!

 

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カテゴリー:眼に関すること

2024.11.5  健康だから仕事が出来る

院長は、医師・歯科医師の任意団体の休業補償委員をしています。

気が付けばもう10年以上前から。

どのような経緯で引き受けたのかわかりませんが、必要があれば対応する(イレギュラー)仕事なので…と頼まれたのか…?

休業補償の掛け金を毎月掛口分支払い。

病気やけがで診療が出来なくなった時に、掛口数に応じて休業補償金が出ます。

対象の会員は、所定の書類を書いて、休業補償委員に送ります。

委員は、その会員と電話や面談をして、事実確認や不備の有無を確認、押印して事務局に送ります。

愛知県下・名古屋市下にも何人かの委員がいて、委員会業地周辺の会員からの要請がほとんどです。

 

相手の先生に連絡を取る時は少し勇気がいりますが、お見舞いの言葉と休業補償の確認をすると、何となく相手のこともわかり、まんざらでもない役だと思っています。

 

さて、今年からは、休業補償委員審査会にも出席の依頼が。

事務局に提出された休業補償金申請書類は、月ごとに事務局でまとめられます。

○○先生○○歳

病名

既往歴と現病歴

休業日数など

これらを休業補償委員たちが確認、疑義照会などして、委員長が決裁します。

その後、全国の総審査会に諮ります。

 

今までは、近隣の先生たちの病気やケガでの休業だけだったので、毎月仕事があるわけではありませんでした。

しかし、愛知県中となると…毎月毎月該当者はあります。

健康で仕事できることを意識する場でもあります。

 

65歳以上75歳(加入上限年齢頃)が圧倒的に多い。

脳疾患・心臓疾患・がん・整形疾患な・怪我など。

既往歴のある人もそうでない人も。

医者の不養生では片づけられません。

 

 

数年前、A先生から休業補償申請用紙が郵送で。

A先生の字で一筆箋が添付。

A先生は一回り上でしたが、年に何回か食事をする仲でした。

体調を崩され癌になったと聞いて以来、こちらからも連絡を控えていました。

仕事(休業委員)にかこつけて、電話しようっと。

翌日、携帯電話に電話すると…

『もしもし、A先生?長谷川です、ご無沙汰しています。』

『もしもし、長谷川先生ですよね?』

あれ?男性の声。

『Bです。息子の。母は、昨日亡くなりました。お世話になりました』

何てこと!

小康状態になって、休業補償申請じゃなかったの?

最後の字を見つめ放心の院長でした。

その後Bさんが、保証の手続き(休業・死亡)に来院。

Bさんのことは、高校生の頃から知っています。

『凛としてきれいなお母さんだったわね~』

『やつれた姿を家族以外に見せたくなかったようです』

亡きA先生を偲びます。

そして今でも時にA先生を思い出します。

 

まだまだ死を意識することは無い毎日。

それでも、来る老後(将来)のために、体を鍛え頭を鍛え…日々の感動感激を大事にして、と意識はするようになっています。

 

休業補償委員会が早めに終わったので、いつもは地下鉄を使う区間を歩いてみることに。

名古屋駅に向かう大きな道路を中に入ると小さな路地・路地・路地。

神社にお寺、民家。

そびえるビル群のふもとにこんな場所があるなんて!

ドンドン・ピーヒャラ、ピーヒャラとお囃子の音が聞こえてきます。

からくり人形の乗った山車があちらから、こちらからとやってきます。

塀に貼ってあるポスターには『名駅山車揃え・下町に続く200年の伝統』

郷愁を誘う意外な出会いに寿命が伸びそう。

 

階段を降りると、そこはいつもの都会の地下街。

束の間の異次元ワールド、今日の感動。

明日の仕事への糧。

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事
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