2018.6.26 目の霊山
鎌倉一人旅で『本覚寺』。
スタッフみんなで滋賀の『木之元地蔵院』へ。
いずれも、眼にご利益のある寺社です。
小欄を愛読?してくださる患者さんから『袋井(静岡県)の油山寺(ゆざんじ)』をご紹介いただきました。
遠州三山の一つで、701年に開山した真言宗のお寺だそうです。
ということで、先日スタッフと参拝旅行へ。
梅雨空。
幸い、前日の雨はやんで、参拝日和?に。
油山寺は、山全体が霊場の寺院ということで、歩く気満々の私たち。
本堂へ至る直線ルートではなく、あちこちの建造物を見ながら、登ったり下りたりするルートを選びます。
雨上がりの、苔でヌルヌルの道は要注意。
気を抜くと、つるっと滑ってしまいます。
『瑠璃の瀧』
約1200年前、献上された瀧の水で、眼を洗った眼病の天皇が『効験忽ちにして御全快遊ばされたのであります』
『その頃、瀧の水は油であったと申します』(信ぴょう性?)
『』は、立札の説明書き。
その後、眼病に悩む多くの人が、瀧に打たれて、全快したとのことです。
眼科医としての一私見ですが…
当時、眼の病気は、前眼部(結膜炎とか、ものもらいとか)が主であった。
寿命が短い時代に、白内障や緑内障などは稀で、発症したとしても、わからなかったのではないか。
点眼薬もない時代では、眼を洗うこと(ここの瀧の水が、より澄んでいたかもしれない)位が、治療だったかもしれない。
現在のような清潔概念がなく、細菌やウイルスの存在も不明であったが、人々の免疫力も現代より高かったため、自然治癒力も発揮されたのではないか。
現在では、水道水で、予防的に目を洗うことは推奨されていません。
角膜表面の涙の層のバランスを壊してしまうからです。
目を洗いたい場合は、人工涙液を使いましょう。
もちろん、洗眼で治ることはあり得ません。
さて、本堂へ。
全ての患者さんの、目のご利益を祈願してきました。
『め御守』は、中待合室に掲げておきます。
ちらりと眼に入った絵馬には…
『緑内障の手術をしなくても済みますように』
『白内障が治りますように』
『ドライアイが治りますように』などなど。
遠州三山(医王山油寺・法多山尊永寺・萬松山可睡斎)全て行けたら良かったのですが、午前中に油山寺、昼ご飯のんびり…の時間構成では、あとは、厄除けで有名な法多山のみに。
239段(少し前を登っていたオジサンが、下方のオバサン達に向かって叫んでいた)を登って、厄除け開運をお祈り。
たくさん歩いた後に、名物『厄除け団子』が美味!
『本覚寺』の御守り、『木下地蔵院』のお札、『油山寺』のめ御守。
御守りに囲まれて、今日も診療に励みます。