2018.8.21 早く無くなるのは?
眼科での治療は、主に点眼薬を使います。
結膜炎のように短期間のみ点眼薬を使う病気もあれば、白内障・緑内障のように長期にわたり続ける慢性の病気も。
新薬の開発が著しく、より効果的な点眼薬が開発されていますが、粘性があったり、濁っていたりと、見た目や点し心地に特色のある製品もあります。
ある点眼薬を処方している患者さんから
『他の薬に比べて、無くなり方が早いのだけれど…』という声。
『濁っているし、粘度も高いからかもしれませんね~』と答えたものの、その後何人かから同様の声を聞きました。
調べてみると
A社の粘性のない透明な点眼薬①(アレルギーの薬)では、1滴量が30㎕、1本分で160滴下可能です。
同じA社の粘性があり濁っている(懸濁)点眼薬②(緑内障の薬)では、1滴量が33㎕、1本分で140滴下可能です。
B社の粘性のない透明な点眼薬③(アレルギーの薬)では、1滴量が45㎕、1本分で111滴下可能です。
A社①とB社③は、容器の違い(硬さやデザイン)が大きいかと思われます。
どちらも、良いアレルギー点眼薬ですので、患者さんに応じて、処方しています。
ちなみに、目の中に入れられる容量は、20~30㎕なので、1回1滴点せば、十分目に行きわたります。
これを2~3滴、点眼時に点すと、早く無くなってしまいます。
さらに、A社②のような、懸濁液は、使用前に容器を振る必要があります。
この時、激しく振ったり、逆さまにすると、キャップを開けた時に、中身があふれることがあります。
そうすると、早く無くなってしまいます。
優しく、左右に振ってみてください。
また、しっかりキャップを閉めないと、液体が固体化して、キャップねじ部分に隙間を作り、液漏れをする可能性もあります。
実際に、液漏れをする患者さんの点眼薬の不良品の有無を、メーカーに確認したところ、キャップ閉めが甘かったことがあります。
患者さん、院長ともに納得しました。
そういえば、ドレッシングなど調味料の類も似ているような…
ゴマドレッシングのような粘度があるものは、ついボトルに力が入り、多めにかけてしまいがち。
ノンオイルドレッシングは、逆に出すぎないよう、静かに振り入れます。
穴の大きさ、ボトルの硬さなどもメーカーによって違うはず。
冷蔵庫から出して、並べて、比較検討するのも楽しそう。
実際、『早く無くなるんですけど…』という声が、お客様相談センターにあるかもしれませんね。