2019.12.24 わすれられないおくりもの
今年もあと残り1週間です。
個人的には、日帰り一人旅(時々学会絡みで2日)を何回か実現させた一年でした。
行けないと思っている場所でも、おおよそ交通の便が良くて、一か所に絞れば可能ということが分かりました。
『いいな~』と思うだけでなく、やってみること。
院長にとっては、限られた日(休診日)の中で、やりくりしただけなのですが、なかなかの充実感。
そして、何より、自分にとって『一人の時間』は大切なのだと感じました。
結婚していても、家族があっても、『一人』は大事だし、最期は『一人』だし…
誰かと行動しないから淋しいとは違う、『自分のしたいことを一人でする』単独行動が出来ることは、自信を持っていいのだ!という再確認。
若い頃は、誰かと一緒に行動しないと恥ずかしい…なんて思っていましたが。
さて、晩秋に大切な友人の訃報が届きました。
友人と言っても、元々母の友人で、院長が小学校低学年時からの(友人の子としての)知り合いです。
医学生になってからは、個々の、より親密な付き合いになったので、準友人くらい。
東京の在職中も定年で北海道に戻ってからも、その都度、訪ねて行きました。
息子たちも、各々北海道の自宅に遊びに行ったので、彼らにとっても準々友人です。
腫瘍が見つかり、札幌の病院へ日帰りでお見舞いに行ったのが、2年前です。
その後は、だんだん、葉書のやり取りも間が開き、やがて途絶え…亡くなった知らせを受けました。
『日本一優しい看護婦さん』として新聞に掲載、表彰された東京のS病院の助産師さんでした。
一生独身で、キャリアウーマンなのに、チャーミングで、要所要所で、知恵やアドバイスをもらえたことは、『忘れられない贈りもの』です。
残された、葉書の文面と筆跡に、Nさんを偲びます。
Nさんの10歳くらい年下のKさんも心に浮かびます。
院長が大学時代、北海道をさすらいの旅(往復の航空券のみ)に出た時、NさんがKさんにお世話になるように言ってくれました。
初対面での小樽駅での待ち合わせ。
銀行員のキャリアを捨て、スナックを開いて間もないKさん。
昼間は、余市のニッカウヰスキーや銭函の海岸などの観光から始まり、小樽の街中を住人のように。
夜は、スナックの片隅で、接客もせずに、人間観察を(お店の手伝いはしなくてもいいと、きつく言われた)。
お店が終了すると、人生観を語り合ったり。
当時40歳過ぎの独身女子が、友人の頼みとはいえ、初対面の20歳そこそこの女子大生を約2週間居候させたなんて、今思えばびっくり。
Kさんとの共同生活から、そしてその後のお付き合いから学んだことも『忘れられない贈りもの』です。
NさんもKさんも、はるばる結婚式にも出席してくれましたが、Kさんはその数年後、癌で亡くなりました。
二人とも、独身で、家族は持ちませんでしたが、私の心の中に『忘れられない贈りもの』を残してくれました。
自分が、人生の折り返し地点に立った今、そういうことが出来るのか…と問えば、とてもハードルが高い気がします。
でも、自分より若い人たちに『ちょっとした何か』の足しにはなりたい…と思うようになりました。
雪が解けたら、Nさん、Kさんの故郷の小樽に参ろうと思います。
本棚を整理していて、子供たちによく読んだ『わすれられないおくりもの』絵本を見つけ、再読しました。
しみじみ良い絵本だと思いました。
大人にこそ、お勧めです。