2022.2.1 値引きを当てに
産業医の仕事で使う郊外のローカルな駅。
駅の近くには、自転車預かり所が何件か。
木造の家屋の中に自転車がきれいに整列しているのを見ると懐かしさを感じます。
『とらや』などと書かれた屋号を横目に仕事場に向かいます。
毎回、労災事故の確認をします。
担当スーパーでの発生が、一件もないのは何より。
全店舗の件数・事例も報告され、ほとんどは、転倒・切創。
整理整頓・作業手順の徹底が求められます。
毎回の巡視。
午後のバックヤードは、忙しさから解放された時間です。
総菜売り場では、排水溝?の掃除をしていました。
『今日は、グリストラップの掃除をしているんです』と店長さん。
ブリストラップ?
指しているのは、排水溝のような場所。
初ワードです。
メモ、メモ。
『ブリストラップとは何ですか?』
『ブでなくてグ。
グリストラップです(調べるとGrease(油) Trap(罠)という英語表記)。
調理油が直接下水に流れないようにする装置のことです』
見せてもらうと、結構な油が付着しています。
グリストラップとは、業務用の厨房に設置が義務付けられている『油脂分離阻集器』のことです。
厨房から出る排水に含まれる油やゴミ(野菜くずや残飯)を直接排水に流してしまうと、自然環境への悪影響が考えられ、それを防止するための装置です。
飲食店やスーパーなどで発生した汚泥は、一般ごみではなく業者に委託しないといけません。
1槽目:厨房排水に混ざっている残飯や生ゴミを除く
2槽目:水面に浮上する油脂と、さらに細かい汚泥を分離
3槽目:汚泥と油脂をある程度分離した排水を下水道へ
1のバスケットの洗浄は毎日、2の浮上油脂の清掃は週1、沈殿物の清掃は2週間から月に1度清掃をするそうです。
『今日は、もう総菜作りはおしまいですか?』
『売れ行き見て追加します』
『売り切ったらおしまいじゃないんですか?』
『そうですね。
残っても廃棄になれば処理費用が掛かります。
余っても売り切らないといけませんからね。
でも、半額にすると利益出なくなっちゃいますしね。
残量と値引き率は毎日変わります』
『ほ~』
『それに、8時過ぎると値引きを当てに買いにくるお客さんも多いんです。
特に単身のお客さんは、ついでに飲み物やお菓子も買ってくれますし。
値引き品が全くないと何にも買ってくれないんで(他へ行ってしまう)』
『そうなんですか!?』
残量に対する値引きの設定もなかなか難しそう。
修業がいります。
毎回、新しいことを知る産業医(院長)です。
値引き品を買ったら、値引かれた分で、何か余分に買いましょう!
スーパーもお客さんもWin Winになります。