2020.1.14 地域医療実習
今年度より、藤田医科大学医学生の地域医療実習の受け入れ機関となりました。
5年生への進級が決まった4年生、もしくは5年生がstudent doctor(学生医師?)として、地域医療機関(病院や開業医)に実習に来ます。
初の受け入れ第1号は、好青年のMくん4年生。
院長が医学生だったころとは違い、今は、カリキュラム全てが前倒しになっています。
4年生までに、基礎科目(解剖・生化学・薬理などなど)だけでなく、臨床科目(内科・外科・産婦人科などなど)も終了。
国家試験も前倒しで2月(院長の時代は4月)です。
藤田医科大学では4年生から臨床実習です(院長の時代・岐阜大は6年生のみ)。
国家試験のシステムも内容も激変しているようです。
30年なんて一昔どころではない期間、親子ほどの差がある学生を見てそう思います。
『〇内科のT教授に教わった?』
『はい、すごく勉強されていますよね』(そりゃそうです)
『大学の同級生なの』
『え~!?そうなんですか!?』
同級生の何人かは、大学教授に就任しています。
T君(教授)もその一人。
学生の立場からは『は、は~』と恐れ多い教授T君と、『は、は~(母)』みたいな実習先の院長(私)。
『月とすっぽん』ではありますが、双方、もうそんな年齢、立場なんだわ~
院長の傍で、診療の様子を見てもらいます。
当院は緑内障患者さんが多いので、院長自ら眼圧を測ります。
『教科書のその機械で測るの、初めて見ました!』
『こんな風に見える眼底カメラ(オプトス)、初めて見ました!』
初めてがいっぱい。
M君が持参した眼科の教科書は、今風のイラスト多しの廉価な本と、由緒ある『現代の眼科学』の第13版。
『お~!まだ、あるのね!』
院長室の本棚にある学生時代の『現代の眼科学』は第3版。
ここでも時代を感じます。
昼休みの往診も同行してもらいます。
眼科の往診は意外だったようですが、患者さんに会い、状態や病名を知ると納得。
開業医は、毎日毎日同じことの繰り返しのようですが、患者さんは一人一人違うので、全く同じということはありません。
尋ね方、診療の仕方、説明方法、薬の処方内容、世間話など、個々に対応できるコミュニケーション能力は大事です。
知識も、技術も、検査機械も、医師を続ける以上留まることなく更新していかなければいけません。
特に、個人の開業医は、自分で課さないと、進化していきません。
医療現場以外の体験も、プラスになることは多いので、好奇心もあった方がいい。
などなど、熱い?思いも、先輩医師として、語った次第です。
『患者さんとの距離が近いことに驚きました』
病院よりは、そうだと思います。
距離が近いことが、開業医の強みであり、地域医療を担う上で重要なことだと意識して、診療をしています。
M君との距離も縮まり、息子のように愛着がわいた1週間。
最後は、鏡開きのぜんざい(毎年の院長お手製)を食べて、『実習お疲れさまでした!』
どの科を選ぶにしても、モノになるまでは、辛くても諦めないで!
止めないで続けることこそ、医師の道が開け、更に続けることが出来ます。
M君、頑張って!
オバサン医師(院長)からのエールです。