2025.3.18 死は幸せなこと?!  in メキシコ

ペルーを旅した院長ですが…

乗り換えの時間を利用してメキシコシティを少しだけ観光。

 

メキシコはスペインが植民地とした後、湖の上に建設された標高2240Mの都市です。

多くの世界遺産があるのですが、古い建物は傾いています。

そして少しずつですが更に傾きつつあるとのこと。

地下水のくみ上げにより、世界で最も地盤沈下が加速しているシティです。

 

国立人類学博物館にはメキシコ古代文明遺跡からの出土品の数々が展示。

無知故ガイドさんの説明を一生懸命聞いて『へ~!』の連続感嘆詞。

メキシコシティ郊外で発掘されたマンモスの骨も。

愛地球博(2005年の愛知万博)ではロシアの冷凍マンモス。

生物や人類の誕生・進化・移動も勉強になりました。

 

名古屋市とメキシコシティは友好姉妹都市です。

名古屋市民なのに初耳。

偶然にも前市長はどちらも国政に転身(名古屋市→国会議員とメキシコシティ→大統領)したとのこと。

 

歩いていると、すれ違う人々(メキシコ人)はみんな体にフィットした服装です。

日本人だとスレンダーな人でも積極的に体のラインを出す服装の人は多くありません。

一般的には、いくらか隠す服装緩めの服装です。

恥ずかしくないのかな?

視線が気にならないのかな?

ガイドさんに尋ねると

メキシコでは、胸とお尻が大きいことは魅力である。

それらを引き立たせるために、身体の線を出す装いをする。

自身のアピールでもある。

日本人の適度にふっくらではなく、肥満と断定できるほどの人たちもフィットした服です。

あれだけしっかりお尻を強調するなら、当然Tバックが主流なのも納得。

 

ふくよかさが良い価値観とはいえ、肥満の人が多いのには驚きです。

油分・糖分多い食べ物に合わせてコーラ。

量・カロリーとも相当オーバーです。

美味しそうに完食。

食習慣により肥満大国となり、糖尿病患者も激しく増加しているそう。

糖尿病は進行すると失明することもある怖い病気です。

定期的な眼科受診は必須です。

また、腎障害や末梢神経障害も合併します。

 

私達のランチのメインはトルティーヤ(トウモロコシ粉や小麦粉で作る薄焼きパン)で煮込みポークを巻いて、カカオソースとチーズが掛けてある一皿。

手の込んだ料理だそう。

出てきたのは、クレープのチョコレートソース掛けをイメージする一皿。

美味しいのですが、甘味のないカカオソースに視覚・味覚の脳内処理が追いつきません。

カカオ=甘い、の先入観がぬぐい切れず、美味しいのかどうか不明。

カルチャーショックの一例。

 

さて、メキシコでは、たくさんの骸骨の人形や置物が売られています。

骸骨は、現地ではカラベラというそうです。

メキシコ文化からの流れで、亡くなった人は悲しい思い出として記憶に残るのを嫌がり、死は幸せなことであるべきと考えられています。

死は生の延長であり、その一部である。

死を受け入れ生を楽しむ。

カラベラは、悲しみでなく喜びの象徴であり、来世で幸せな生活を示すために、踊ったり楽器を弾いたりと楽しい姿に描かれています。

毎年11月1日と2日の『死者の日』は、亡くなった家族への愛と敬意を示すお祭りです。

 

日本の死生観とは違う…

 

キュートなカラベラをたくさん目にして、死にポジティブな印象を抱くラテンの思想もいいなぁと思った院長です。

 

院長には、あんなことがあったなぁとふと思い出し自分が温かくなる故人(患者さんも含む)がいます。

ふと思い出されて懐かしい思い出にちょっと浸ってもらえる…

たまに出てくるカラベラになりたいです。

 

こちらもご覧ください。

2025.2.18 幸せの黄色 in ペルー その 1

2024.3.4 幸せの黄色 in ペルー その2

 

カテゴリー:健康 公センセの想い 公センセの日常の出来事

2024.3.4  幸せの黄色 in ペルー その2

マチュピチュ遺跡はアップダウンあり、1日かけて歩くと1万歩超。

ナスカの地上絵へまでは、セスナでアンデス山脈を越え、砂漠を渡り、旋回飛行で主翼が指す絵を見ます(探します)。

スコール・乗り物酔いなどアクシデントも。

百聞は一見に如かず。

 

クスコは3360Mの標高で、マチュピチュも含め訪ねた村や塩田はアンデスの高山地帯にあります。

アンデス=高山病。

医学部時代に勉強した記憶が呼び起されます。

 

高山病とは、気圧が低く酸素濃度の低い高地へ行くことで、体内で使える酸素が少なくなり.頭痛・吐き気・嘔吐・ふらつきなど(酔った感じ)が起こる病気。

高度が下がるにつれて症状は改善しますが、ひどい場合は酸素吸入やダイアモックス@(炭酸脱水素酵素阻害薬)を用います。

脳の血管を広げ血流を増加、脳内の低酸素状態を改善。

3000M以上の高地では発症率は約40%。

ダイアモックス@の内服が効くと言われています。

 

ダイアモックス@は、実は眼科医にはおなじみの薬です。

眼圧がある程度以上高くなった時に眼圧を下げる内服薬としてよく処方されていました。

カリウムが不足することが多いのでカリウムを同時に出したり、全身の副作用に注意しなければいけませんでした。

しかし25年ほど前に、同じ成分の点眼薬が発売。

緑内障治療において画期的な点眼薬の登場です。

今では緑内障患者さんに、同種の内服薬を処方することはほとんどありません。

 

幸い高山病にはなりませんでしたが、クスコよりも標高の高いチンチェロ村(3750M)では空気が薄い自覚はありました。

長閑な山岳農村地帯で人々は普通に生活しています。

(医学部ではなぜアンデスの人々が高地で普通に生活できるかも勉強しました)

やや小太りの浅黒い顔、山高帽にカラフルな民族衣装。

 

アルパカやリャマの毛を糸にし、染めて織っていく伝統工芸。

赤はカイガラムシをつぶしたコチニール色素から出す貴重な色だそうで、その深紅色に魅せられてしまいました。

 

 

マラスの塩田(3200M)は、泉から湧き出る塩水が流れていき、約3000の棚田を作っています。

塩水を天日で乾燥させて塩を生成するそうです。

段々の緑の田んぼではなく、全部真っ白な塩の田んぼ。

巨大なチョコレートのかけらのようです。

塩田ごとに所有者が違い、嫁入り道具として使われるとか。

 

ペルーは美食の国とのこと。

ほとんどの食材が手に入るそうです。

中でもジャガイモはペルーが発祥とされており、何十種類も。

市場でもカラフルなジャガイモが多種売られていました。

乾燥芋(天然のフリーズドライみたいな)もあり、何十年と経たものでもお湯で戻せば食べられるそうです。

ガイドさんに、インカの目覚め(日本産ジャガイモの名)を教えたら喜んでいました。

 

そしてコカ(の葉)。

コカの葉から抽出されたコカインは麻薬(違法)だけでなく、麻酔薬として医療用に用いられています。

ペルーではコカの葉が普通に売られています。

コカ茶やコカ飴も。

コカの葉自体はコカイン濃度が低いので、依存性は抽出コカインに比べて低いそう。

現地の人たちは好んで口にします。

高揚感が出たり、疲労空腹の軽減になるそうです。

コカを含んだ食物は国外に持ち出し禁止なので、珍しさで買ったコカ飴はペルー内で消費しました。

 

ペルーの魅力はまだまだたくさん。

わずかですが、行って見て知ったからこその産物。

Gracias peru!(ペルー、ありがとう!)

 

 

3月2日(日)の中日新聞に記事が掲載されました。

 

 

 

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2024.12.3  人もワイン?!

11月第3木曜日はボジョレーヌーボー。

ボジョレーの新酒ワインの解禁日です。

 

20年以上前の大学院生の頃。

JRから金華山の岐阜城が見えると間もなく岐阜駅。

岐阜城は、懐かしさ(故郷)とともにエールをくれるシンボルでもあり。

木曜日は、大学病院の緑内障外来を担当し研究もして、ふらふらになりながら一目散に家に向かいました。

幼い子供たちは頑張って起きて待っています。

翌日は自院の診療です。

 

現在よりもずっとバタバタの毎日でしたが、それでも、大学院を経て医学博士を取得したときは感無量。

実際には、博士号取得後の恩恵よりも、博士号を取る過程で勉強・研究したことが大きな収穫となりました。

 

大学病院の緑内障外来は、進行した緑内障患者さんや、手術前後の患者さんなどでいっぱい。

クリニックでは経験しないような症例も多く経験。

これも眼科医として知識と経験の財産となっています。

そして、途切れることなく新しい知識を得ることもスムーズになっています。

 

 

最近、重症化する緑内障のタイプがわかってきました。

進行が速い患者さんとは…

1,高眼圧

開放隅角緑内障では、眼圧が1mmHg下降するごとに、進行リスクが10%減少。

正常眼圧緑内障では眼圧を30%下降により約8割が進行抑制された。

2.落屑(らくせつ)症候群

落屑とは、加齢により瞳孔周囲に付くふけのようなものです。

落屑緑内障は平均的には正常眼圧緑内障より進行が10倍速い。

3.睡眠時無呼吸症候群

眼圧が低くても進行しやすい(肥満・加齢・男性は発症要因となる)。

 

 

QOLが低下する患者さんとは…

1.中心視野障害がある

日本人に多い正常眼圧緑内障は中心視野障害を生じる頻度が高い。

強度近視の正常眼圧緑内障は早期から中心視野障害が生じやすい。

 

まだ20年前にはわかっていなかった知見です。

多くの症例・論文の積み重ねで新しいことが分かってきます。

 

さて、当時は今よりもボジョレーヌーボーの売り出しが盛んでした。

11月の第3木曜日の大学院の帰りには、必ずお勧めのワインを買って帰りました。

新酒だけあって、渋みもなくフレッシュ感があり、普段飲まない院長でも飲みやすかったです。

 

いつの間にか普段飲むようになった院長。

そしてボジョレーヌーボーも買わなくなりました。

好みは重くて渋みのある辛口赤ワイン。

ちなみに赤ワインは緑内障発症率を下げる傾向ありと言われています。

今日の一日に『お疲れ様!』

 

最近読んだ終活をテーマにした小説。

75歳の主人公が、高校1年生の時の憧れの女子に、終活と称し再会の機会を図ります。

再会した彼女は、初々しく清楚な女子高生はどこへやら、苦労の人生を経て同居の嫁の悪口を話しまくる婆になっていた、という始末。

親しい知人にその落胆を話します。

しかし落ち着いた先は…

『昔は、えぐみも渋みもなくて複雑さもないライトボディのワイン。

今のほうがずっと面白い。

意地も悪いし策士だけど、それが人間の複雑さになっていた。

まさにフルボディ』

 

なるほど。

楽しいことも悲しいことも、嬉しいこともつらいことも、たくさんの経験をすることによって、自分というワインが熟成されるのだと思えばこの先も乗り越えられそう。

目指せ、最高のフルボディ!です。

澱(おり)も溜まるくらいに!

 

 

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