2023.11.21  卵1パック

院長の産業医としての職場はスーパー。

 

店内の巡視もずいぶん見るべき点を抑えられるようになってきました(自己評価)。

冷蔵・冷凍商品がロードライン(商品陳列の上限ライン)を越えて積まれていないか?

店長さんが気付いて並べ直す前に、気付けるようになりました。

バックヤードでシマウマラインからはみ出ている台車を見つけて元に戻せるようにもなりました。

スーパーのパートさんとして採用されたら、意外と間に合う人だと評価されるかも!?(勝手な妄想です)

 

さて、今回は年に一回の健康診断の評価もあります。

健康診断結果を基に、受診勧告をしたり、就労制限をかけたりします。

職種・職場によって就労制限は違います。

毎回気になるのは、太った人が多いこと。

ちょっとぽっちゃりならまあ…ですが、肥満の域に達している人の多いこと。

もう少し体重を減らせば、血圧も血糖値も改善するのにな~と思いながら、治療中でない人には受診勧告を。

スーパーには手軽で美味しいものがたくさんあるので、どうしても手に入れ口に入れる機会が多くなります。

 

新店長が赴任して3か月。

店長さんと健診結果を見ながらあれこれ。

店長:『センセイ、僕、単身赴任でこっちに来てから7キロ瘦せたんですよ!』

店長さんは、かなり大きい人です(どっちにも)。

公センセ:『え~!?そうなんですか!(気づかなかった)すご~い!』

店長:『家にいるときは、出された夕飯全部食べていたから。それに、子供の残りも』

公センセ:『それは、奥様思いかもしれないですけど(どれだけの量?)、全部平らげてたら体重減らないですね~』

店長:『一人だからあまり食欲がなくなったのもありますけど…』

公センセ:『例えば、昨日のお食事は?』

店長:『朝は、ご飯と鮭と漬物。昼は総菜の弁当とラーメン』

公センセ:『お昼、そんなに!?』

店長:『1日で昼しかちゃんと食べられないから。その代わり、夜は米抜きです』

公センセ:『なら、まあね~で、夜は?』

店長:『鍋ですわ。白菜4分の1もやし一袋にうどん一玉入れて』

うどんは、十分米の代わりですが…

栄養指導と運動指導もしたほうがいいかも。

 

最後は、投書箱『お客さまの声』の話題に。

院長も毎回読んでは、くすりと笑ったり、こんなストレート(名指し)な辛辣な投書があるのだと反面教師にしたり。

毎回、店長からの返事を付けて掲載されています。

店長が嬉しそうに見せてくれたのは、ルーズリーフ1枚にびっしり書いてある感想。

先日、ハロウィーンに合わせて、かぼちゃの重さ当てクイズを催したそう。

応募者は延べ2400人。

楽しい気分でイベントに参加したこと、何枚も出したのに当たらなかったけれど多くの人が当てたこと、ちゃんと当選者に商品が行き渡ったこと…など、感謝の手紙でした(筆跡・内容から中年女性のよう)。

店長:『こういう手紙をもらうと、また頑張ろう!って気になります』

院長も同じ。

患者さんからの激励は、院長はじめスタッフのモチベーションアップの源です。

 

公センセ:『当てた人は何人くらいでした?』

店長:『それが…なんと140人でした!予想以上に当ててましたわ』

公センセ:『当たりの賞品は何だったんですか?』

店長:『当てた人には卵1パックプレゼント』

公センセ『では、全員に?』

店長『そう、約束通り140人分配りました!』

 

院長、産業医をしているこの職場がますます好きになりました。

 

 

カテゴリー:産業医

2022.11.22  通常勤務可

産業医出務の日。

年に一度の会社の健康診断結果が出揃いました。

就労判定の時期です。

産業医は、分厚く束ねられた健診結果を見ていき、『通常勤務可・要自己管理・要就業制限・要事業場管理・要休業・要産業医面接・判定保留』のいずれかに区分。

 

院長担当の職場(スーパー)は、肥満気味の人が多い傾向です。

よって、高血圧や脂質異常・血糖異常もそこそこ。

既に加療中の人はいいとして、毎年異常を指摘されているのに、受診せず放置のツワモノも。

血圧が160!

即刻受診して~と念じながら、受診勧告書を作成します。

 

0.3とか0.4で、裸眼視力低下を指摘されている人も。

矯正視力の記入がないので、自分の視力が悪いことに気が付かず運転しているのかもしれません。

『裸眼でも免許更新できた~』眼科医は要眼鏡と思っても、試験場で通ってしまうことがありますが、危険です。

 

健診の目的は早期発見・早期治療。

健診結果だけですぐに病気と言うわけではないので、必ず医療機関を受診しましょう。

また、病気だったとしても、その日がこれからの人生の中で一番軽い状態と考えれば、治療を開始して良かったというもの。

 

ちなみに、視神経乳頭陥凹拡大とか視神経線維層欠損のコメントが出れば、緑内障の検査してね~と言うことです。

緑内障は、40歳以上で発症率約5%(多治見スタディ)ですが、自覚がないことがほとんどです。

むしろ、見にくい(視野欠損)の自覚が出た時点では、中期~後期になっていることが。

コンタクト作りに来ただけなのに…の患者さんにどれだけ緑内障(疑い)が埋もれているか、日々の診療で実感しています。

 

今年も全員『通常勤務可』に。

ただ、もっと運動したほうがいいです。

店内だけでは、歩いていると言っても運動にはイマイチ。

あとは、菓子パンや惣菜弁当が好きな人が多いので少しセーブを。

 

店内を巡回します。

これから1年で最も繁忙なクリスマス・年末商戦です。

クリスマス用菓子や料理・お餅やおせちなど、院長の感覚としてはかなり先取りですが、会社の気合を感じます。

いつものように店内とバックヤード。

鍋特集コーナーについ目が行きます。

その数約50種類!(目視で計算)

見やすいレイアウトで、つい見入って買いたくなってしまいます。

(院長もつい帰りに数種買いました。重かった…)

水濡れ対策にタオルやクロスをいつも帯同。

台車にも設置。

出入り口にも図入り付きで設置。

整理整頓されていてとても気持ち良いです。

指摘することなし。

 

鍋の素をリュックに入れて、駅まで戻ります。

いつもは駅から大きな道を右折左折右折。

帰りはいつもと違う小道で曲がってみます。

路地は生活感があふれていて好きです。

建物や駐車してある車や自転車、洗濯物などきょろきょろ見ながら歩く院長です。

オバサンだから不審者には見えないと信じて…

 

古い商店街に出ました。

靴屋さん・本屋さん・カメラ屋さんなど懐かしい。

お客の気配は何処もありませんが。

店先に柿が売っていました。

近づいていくと、お好み焼き屋さん。

おやつに食べていこう。

イカを選びました。

何と160円!?

薄い生地にほぼキャベツ、イカ2カット入りのお好み焼きです。

店内は院長ひとりだけ。

こうしてかつての商店街もだんだん淋しくなっていくのでしょう。

途中パン屋さんも見つけたので次回に。

 

仕事(産業医)ですが、プチ旅気分で今日も無事任務終了。

もちろん帰宅後は、職場巡視報告書を仕上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 産業医

2022.12.7  押したり引いたり

担当の職場(スーパー)に近づくと、頭の中でテーマソングが流れるようになった産業医(院長)です。

 

1年に一度は健康診断結果の判定をします。

該当職場で労働は可能か、否か。

制限付き(時間・配置転換など)で労働は可能か、否か。

あとは、健診結果から、『要受診』対象者をピックアップします。

昨年、『要受診』と指摘した人が、今は『治療中』になっていると、ほっとします。

高血圧・糖尿病は特に自覚ないまま見過ごされやすいので、早期発見早期治療が大事です。

眼科健診項目は、視力・眼圧までがほとんどで、眼底検査まで健診で受けている人は少ないです。

眼科医としては、40歳過ぎたら、自覚症状がなくても眼科受診を!と言いたいところ(実際啓発しています)。

 

 

労災事故は、発生防止に努めていますが、担当する店舗でも一件発生しました。

50代女性スタッフが、飲料を積んだ台車を引いている際、誤って台車の車輪に足の小指を巻き込み骨折。

普段、台車(スーパーやホームセンターのカートではない)を使用したことのない院長は、早速、職場巡視で確認。

バックヤードに台車は多数。

荷物が載っているのも、空のも。

『これで小指骨折するんですか?』

カートを前後に動かしながら店長さんに尋ねます。

別のカートの場所に連れて行ってくれます。

2リットルペットボトル6本1箱が12箱。

上下2段に乗っています。

合計144キロ。

該当女性に近い院長(体系は不明)。

かなり重いながらも、車輪がついているので、押す方向にも引く方向にも動きます。

 

『引いていた時の事故でしたよね?』

普段、台車やカートは押すイメージの院長。

スーパーでは、品物の量(かさ)も重量も多くなります。

押して動かすと、前方不注意や、重量で走行の制御が効かず、お客様に被害を及ぼす恐れもあるそうです。

だから、自分のほうへ引きながら商品を運ぶのだそう。

しかし、重量のある台車だと、引いた時の重さで、すぐに静止しない場合があり、今回もこれに該当(かつ、バックヤード通路がやや暗かった)したとのこと。

自分も144キロ荷重の台車をやや勢いをつけて引いてみます。

結構なパワーの台車を受け止めないといけません。

小指が下敷きになったら折れるかも!?

その後、念のため、安全シューズの支給もすることになりました。

 

台車を引きながら浮かんだのは、視覚障害者を誘導する体勢。

クリニックでは、眼の悪い患者さんが多く来院されます(眼科なので当たり前)。

中でも、視力や視野がひどく悪く、院内を歩くにも、介助が必要な方がいます。

もちろん付き添いの方がおられますが、誘導の仕方は色々。

目が見えないから…と、患者さんの手を引っ張って進行方向に後ずさりしていく介助者が多々。

これは、介助者も進行方向が見えないので危険ですが、患者さんにとっても引っ張られる行為は不安です。

見えていないのに、どんどん前に行く不安。

視覚障害の方を介助するには、原則、横に立つことです。

肩もしくは腰に手を添えて、声をかけてゆっくり進む。

白杖で介助者付きの場合は、介助者の肩に手をかけて後ろを歩くことが多いです。

その際も、介助者は、歩行のペースや障害物などを知らせる必要があります。

 

明日から、スーパーで台車を見かけたら、運搬方法と荷重を見てみようと思います。

今回も、新しいことを知った産業医業務でした。

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 産業医 眼に関すること

2021.5.25  深夜労働

産業医としての職場はスーパー。

先月、ドライブがてら職場にお買い物へ。

道路の混雑もあり、車でも1時間以上。

やはり電車で行くのが気楽です。

はるばる来たので、1週間分の食料をまとめ買いしてきました。

お客としても優等生な?産業医です。

 

今回は、深夜業務従事者の健診結果を確認しました。

深夜業は、午後10時から午前5時までの時間帯の業務です。

深夜業の交代制勤務で多いのは、ライフライン関係・飲食・宿泊業・製造業・運輸・医療福祉・その他諸々の順。

当スーパーも午後11時まで営業しているので、該当する従事者がいます。

 

深夜業を含む交代勤務では、不規則な生活習慣や生体リズムの乱れにより、病気発生のリスクが高まります。

睡眠障害(不眠など)・胃腸障害・生活習慣病(肥満・脂質異常・高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中)。

前立腺がん。

女性では、月経周期の乱れや流産・早産、乳がんも。

 

安全衛生法では6か月ごとに健康診断を義務付けられています。

 

健診結果を見ながら

この血圧では…

このHbA1c(糖尿病の指標)では…

などなど、気になる人には精査を勧めます。

あまり数値が悪いと、産業医が就業措置を検討しなければいけません。

店長さんがスタッフをよく把握しているので、紙面だけでなく、その人を何となく想像できました。

 

遅くまで営業しているのは、昼間よりはお客が少ないながらも需要があるから。

ライフスタイルの多様化は小都市でも進んでいるよう。

院長の過去の深夜業務は、研修医時代の居残り(仕事覚えるため)と研究補助の2時間おきの眼圧測定(この研究で院長も博士論文を)、病院勤務時代の当直。

まだまだ若く元気いっぱいの頃だったので、体力的に苦だとは思いませんでした。

 

しかし、ほぼ規則正しい毎日を送るこの頃。

年に一回の医師会の夜間休日診療で午後10時頃に帰宅すると、その日はなかなか興奮して寝付けません。

 

安全衛生委員会では、初めて聞くワード(業界用語)が出ます。

『ロードラインを守る』

ロードラインとは集荷限界線で、その線を超えるとケース内温度が既定の温度(-18度以下)に保たれなくなる限界を示す線です。

冷凍食品が山積みされると、冷気がその品物に届かず品温が上がったりして、ショーケースの温度が守られなくなり、品質管理上好ましくありません。

職場巡視の際、ショーケースのロードラインを確認しました。

どこのショーケースもロードラインを越えずに、商品が並べてありました。

前回の霜取り棒と言い、知らないワードを知ると得した気分です。

近所のスーパーでも確認しよっと。

商品が山積みされているお店は要注意だわ~

 

その他色々検討事項や相談に対応して、無事終了。

 

 

さて、田村正和さんの訃報で、追悼視聴を始めた院長です。

まずは『古畑任三郎』

刑事コロンボ風の演出が気に入って、家人が買っていたオリジナルDVD。

古畑任三郎を演じた年齢は、今の私たちより若かった!なんて驚きです。

1日1話、1日の終わりのお楽しみに。

 

犯人役のゲスト俳優を見ても、事件の詳細が思い出せず、初めてのような気になって見ているお得な院長。

ミステリー好きの家人は細かく覚えていますが、繰り返し見るのは楽しいよう。

番組ひとつとっても、見方の違う夫婦です。

 

DVDを見ながら…健診の人たちは、今頃まだまだ働いているのね…

健康に働いてほしいものです。

カテゴリー:健康 公センセの家族・恩師・友人など 産業医
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