2020.9.1 これが大根おろし!?
注文した品が3か月半してやっと届きました。
平たい箱を開けると…
『お~!』
銅製のおろし金が鎮座。
刃は規則正しく鋭く立っています。
ずっしりした重量感。
『その辺のおろし金じゃありませんよ!切れ者ですぜ!』という迫力。
我が家の大根おろしは、一般的な汎用品です。
プラスチック製で丸い穴が開いていて、その周りに小さなプラスチック製の刃が並んでいるもの。
受ける容器がセットとなり、底には滑り止めがついている優れもの。
このおろし器に出会うまでに、アルミやステンレス製のものを色々試しましたが、必ずやめる(処分する)きっかけとなったのが、指先のケガ。
貧乏性なのか、最後まですりおろそうとして『あ、痛っ!』
指先を刃に引っ掛けてしまい、そこから血が滲みます。
白い大根おろしに滲む赤…
サスペンスドラマの一場面のよう…
医師と言えども、自分の血には弱い院長。
ヘナヘナ…
この恐怖の体験を繰り返し、現在のプラスチック製に落ち着いたわけです。
ある日、テレビで、伝統工芸士の作るおろし金が放送されていました。
現在、東京で銅製おろし金を作る職人さんは唯一人とのこと。
鏨(たがね)から成型して、生地板を作り、一つ一つ目立てをしていき…
たかがおろし金と言うなかれ。
この道何十年とかかって一人前になれるのだそう。
『いいな~』
家人が『いいな~』と言う時は、よっぽど欲しい時です。
長年の付き合いで、『いいね~買ったら!?買おうよ!』と相槌を打つのが、うまくいくコツ。
少量の大根おろしは、自分でおろすのですが、量を必要とするときは、家人担当となっている我が家。
大根おろしを極めたくなった?
『金属製は怖いから、私は使わない。これからは、大根おろし専従でお願いします』
『オッケー』
価格は…
たかがおろし金、と考えればびっくり!
されど、伝統工芸士の作る一生ものと考えれば納得!
おろし金が届いたので、早速大根を買ってきました。
おろす方向に対して、刃が、細かく前後向かい合うように、目立てられています。
注文したおろし金は、男性に丁度良い大きさ(サイズは色々)。
下に受ける小鉢を置き、おろし開始。
シャリ、シャリ、静かな時間。
細かいみぞれのような大根おろしがどんどん出来ていきます。
『すごくスムーズ。おろし感がいいね~やってみる?』
『やらない(怖い)』
茹でたてのおそばに、大根おろしを添えます。
大根おろしって、こんなにふわふわ?なめらか?
そして『辛い!』
いつもと同じ部位なのに??
プラスチック製のおろし器で大根おろしを作ってみると、歴然の差。
いつものは、辛みは少ないけれど、ザラザラ感がはっきりします。
大根は、おろすと辛みの成分であるイソチオシアネートが出てきます。
大根の繊維がたくさん壊れるほど辛み成分は増大します。
銅製のおろし金は、細かくおろせる分、辛みが強くなるのです。
『辛い!辛い!』
これが本物の?大根おろしなのね~
郡上八幡で勤務していた時、郡上踊りのプロモーションで福井に遠征(院長、郡上踊り保存会からお免状をいただいています)。
そこで食べた越前おろしそば、大根おろしが強烈に辛かったことを思い出しました。
おろし金の裏面は、しょうが・山芋・にんにく用。
『大根おろしお願いしま~す』
『は~い』
『山芋お願いしま~す』
『は~い』
楽しそうにおろす家人。
高いおもちゃみたいな感じもありますが、『おろす』調理から完全に開放された妻(院長)となりました。