2023.4.18 毎晩飲んでるの
午後のホテルのラウンジにて。
頼んだケーキが来てほっと一息。
『最近目が…』
このワードが聞こえて院長の耳はダンボに。
その元は、と見ると…距離が離れた隣席から。
『最近目が見にくくなったわ、よく見えてたのに』
『私も。
それで白内障手術したんよ。
よく見えとったけど、何やら痛うなってこの前眼科に行ったら花粉症と言われたわ。
何や目薬ぎょうさんもらってさしとるわ』
『そんなになるなら、手術せんでもいいね~』
はんなり京都弁のご婦人2人。
ここは京都。
Aさん(仮)は白内障で視力低下。
恐らく、近視はなかったよう(もしくは遠視)。
Bさん(仮)は白内障手術をした。
よう見えていたけど…に続くのは視力に関することだと思うけれど、痛みを感じた。
痛みはかゆみと同義語(特に子供)なので、痛いのはアレルギー症状の痒いに類似した表現だったかも。
ぎょうさんもらった、ということはアレルギー点眼意外にステロイド?ドライアイ?眼精疲労?の点眼か?
手術せんでもいいね~は短絡過ぎです。
全員がBさんになるわけでなく、個人差あり。
と、脳内で眼科医解説。
念力がないので、AさんBさんには届きません。
A『うちな、毎晩飲んでんねん。もう10年も20年も生きへんから我慢することないわ~って』
えっ!?ビール?ワイン?さすが、ホテルでお茶するご婦人たち!
ということは80歳超?
B『そや、私なんて4種類も飲んでるで。飲まんと寝られんの』
多くない?ビールから始まって4種類?日本酒4銘柄?ワイン4銘柄?
A『あんた、そんなに飲んでるの?私は2錠と言われてるけど1錠毎日やわ』
B『私は、精神科でも内科でももらってるの』
何?睡眠薬の事!?
A『まあ、寝られへんの我慢するより、飲んだ方がいいもんな~』
そっちの話でした。
それから夫の介護の話に移ります。
Aさん夫は介護施設に入院。
毎週手料理を持っていくそうです。
良い牛肉を炒めたり煮て、付け合わせにマッシュポテトや青野菜。
A『夫は耳が遠くて聞こえへんけど、いやや~と思わず、会えると思っていくんよ』
B『えらいわ~』
A『いい人やったから。まだ死んどらへんけどな。できるだけやれることはね~』
Bさん夫も入院中。
医師だったようです(患者さんのためによう尽くされはったね~のAさんの言葉より)。
A『私も最初は一人で寂しかったけど最近は慣れたわ。時々淋しくなるけどな』
B『私も慣れんとな。今夜は、息子が来てくれる』
Bさん夫入院は最近のよう。
A『人によって幸せは違う。
ひとのこと羨ましがってもきりがないなぁ。
いろんな人に左右されんよう生きたいと思ってんねん。
もう遅いけど』
B『そんなことないわ~』
帰り際
B『あんた明るいわ~』
A『アホやで~。あんたも明るいわ』
B『うちに帰ったら暗いわ』
B『楽しかったわ~もっと早くに会えばよかった』
A『また会お。夏過ぎたら』
B『それまで頑張るわ。ほんま、ありがと』
A『こちらこそ、ありがと』
とっさに取り出したメモに書きなぐった文字。
巷の人生訓。
所用と同じくらいの収穫でした。