2021.7.6 若さより老い?
高齢者のワクチン接種も順調で、1回目はもちろん、2回目接種終了後の来院も多いこの頃です。
『先生(院長)はどうだった?』
『私は、2回とも全然問題なかったですけど』
『そう?私、その晩熱出たわ。腕も痛かったし』
『副反応は若い人のほうが多いらしいですから、若いってことですよ!』
『そうかしらね~まあ、そういうことにしとこっか』
日々の診療での一コマです。
一日に何場面もあります。
50代院長でも、お姉様オバサン(70代)達とラウンドすれば『若いわね~』
(当然、年下ですから)
自分より下の世代からは『若く見えますね~』
(実年齢より若々しく見えるだけであって、若いわけではない)
十分自覚しているオバサン(院長)です。
でも、言われるとちょっと嬉しい。
院長自身、『若い子』『若い』を口にすることが多くなりました。
傷の治りで言うと、眼の表面やまぶたのキズの患者さんは日々来院されますが、40歳未満の患者さんは確実に治りが早いです。
年齢に応じて、治癒までの期間は変わります。
子どものキズは、眼に関わらず、治癒までがとても早い。
『若いから大体〇日くらいで治りますよ』
若いを強調してしまう院長です。
眼のパーツだけを見ても、加齢による変化は各部位で見られます。
10代20代のキラキラした眼(眼底も)は、若さゆえ。
そして、『老眼』は加齢を感じさせるターニングポイントです。
自覚するかどうかは別としても、一般には、眼科で検査をすれば、40歳以降老眼(調節力の低下)が出てきます。
若く見えていても、文字を読む距離や暗所での見え方などから、年齢が推定されてしまいます。
院長も当然老眼が出てきています。
近くにピントが合いにくくなった40代の患者さんに『老眼です』と言うと、多くは『ショック~』と返ってきます。
それでも、院長自身が体験しているので、その気持ちは若いころよりずっと共感できるようになっています。
『老眼』と言う状態は眼科学的に知っていても、実体験(院長の加齢)が加わると、更に理解が広がります。
医師が自分の専門の病気をすべて体験することはできませんが、診療の経験と誰もが通る加齢性変化により、患者さんの診療により還元できるものとなっています。
『若い』は遠き?過去のちょっとした羨ましさではありますが、しがみつきたいものではありません。
ただ、未熟でも、輝いていると思われるのは若さゆえなのかも。
外見は若々しさには重要な要素ですが、内面もそれ以上に重要だということも、加齢とともに気づかせてくれます。
普段接している年長の患者さんたちや、医師や趣味つながりの先輩たち(10歳以上年上)の信条・生活スタイルは、いつもお手本や目標になります。
結局、若さより高齢化(将来)に目が向いている院長です。
高齢者の性格特性としてレイチャードの5類型
1.円熟型:過去を後悔せず未来に希望を持つタイプ。寛大。
2.ロッキングチェアー型(依存型):現実を受け入れる。物質的、情緒的な支えを与えてくれる人に頼る傾向。
3:防衛型(装甲型):若い時の活動水準を維持しようとするタイプ。老化を認めない。
4:憤慨型(敵意型):老いに対する不満が他者への攻撃となって現れるタイプ。人生の失敗を人のせいにする。
5:自責型:人生を失敗だったと考えてふさぎ込むタイプ。
若さは過去のことですが、老いは未来。
円熟した将来に向けて、小さな積み重ねです。