2021.2.16 まぶしいヘッドライト
夜の運転時、ヘッドライトがまぶしい!
そう訴えられる患者さんは少なくありません。
目の病気が原因で、夜間の運転時にまぶしさを感じることはあります。
代表的なのは、白内障です。
多くは加齢によるものですが、外傷やアトピーなどでも起こります。
もともと透明なレンズ(水晶体)が濁ってくる病気で、濁りの程度や部分により入ってくる光の方向が広がり、目の奥(網膜)にきれいな像が映りにくくなります。
次に、ドライアイです。
目の表面(角膜)を覆う涙のカバー力が悪いため、表面が凸凹になることで光が散乱しやすくなります。
目の乾きの自覚もあるため、ショボショボします。
また、ある時点(瞬間)の視力は良いのですが、凝視していると目の表面が乾いて視力が低下してくるのも特徴です。
緑内障も、眼圧がある程度高くなると、まぶしさを感じます。
また、視野欠損がある場合も、かすむ感じが起こります。
コンタクトレンズやメガネが適切な度数でない場合もあります。
特に、中年以降(院長世代です)やデスクワークで、やや遠方視力を落として日常のコンタクトやメガネを使用している場合は、夜間運転用にコンタクトの上からの補正眼鏡や運転に特化した眼鏡をお勧めします。
他にも、まぶしくなる病気は色々ありますが、その人に目の病気があるのか、あればどうするか、を診るのが眼科医です。
とはいうものの、最近の車のライトはまぶしくなったように思います。
LED化が進んだことも原因のようです。
LEDによってライトの色温度が高くなり白く見えます。
若かりし頃、ブンブン飛ばしていた時代の車は、やや黄色がかったハロゲンランプでした。
ハイビーム推奨もまぶしさを感じやすくなっています。
ハイビームにすることで遠方の歩行者などを早期発見でき、事故を回避できる可能性が高まった報告があります。
とはいうものの、ハイビームはまぶしい。
光を直視しないように。
安全な範囲で、視線をわずかに左下に向けることで、まぶしさが緩和した報告もあります。
また、対向車が近づいてきたとき、後続車に近づくときにはロービームに切り替えを。
相手にも光を直撃させないように。
院長も、若いころは、夜間の通勤(病院からの行き帰り)や夜出発のドライブなど、全然問題なかったのですが、近年は夜間の運転はほとんどしません。
仕事柄1日中眼を酷使。
更にストレスをかけたくないと思うのは、やはり加齢!?
夜は、身体(眼も)も心も明日の活動のために休んで充電する時間です。
高齢者の患者さんの多くが、昼だけの運転にしているのは、無意識の生体防御反応かも。
それでも、夜間運転をしないといけない業種の方々もたくさんいます。
夜間は、昼間より眼も神経も疲れやすくなります。
『まぶしい』が気になるようであれば、目の病気の有無も確認をお勧めします。