2023.11.7 マイボーム腺問題
ドライアイは、誰でも知る病気となってきました。
涙の分泌が少ないか、蒸発が多くて目が乾く自覚があります。
涙は、3層構造になっていて、表層から水分・油分・ムチンとなっています。
ムチンは涙と角膜をくっつける役割をしています。
つまり、目の表面に涙を均一に乗せてしっとりさせる役割があります。
油分は、涙の蒸発を防ぎます。
ヒトの瞼の際には、マイボーム腺という油分の出る分泌腺があります。
まつ毛の生え際より内側の、通常は透明の目立たない小さな穴口です。
ここから出る脂がとても重要です。
マイボーム腺は、しっかり開口していると、穴口は目立たず、透明な油がさらさらと分泌され、目の表面を覆います。
マイボーム腺機能が上手く働かないと、まぶたの辺縁もギザギザ(不整)になったり、毛細血管がまぶたの際に浮き出てきます。
また、脂がまぶたの際やまつ毛にまとわり付いていることもあります。
穴口が詰まると、際にぷつっとした油のふくらみ(タピオカサイン)や、白い粒のようなものが出来ます。
眼科医がふくらみを圧出すると、粘度のあるねっとりした脂が出てきます。
今年、日本眼科学会から『マイボーム腺機能不全診療ガイドライン』が出たくらい、マイボーム腺問題?もホットな昨今です(眼科医にとって)。
マイボーム腺をきれいに、健康的に保つためには、
1.目の温めを。
眼科では温罨法(おんあんぽう)と言います。
ガイドラインで、実施を強く推奨!です。
院長が研修医の頃には、古い病院に温罨法の器具もありましたが、現代とは用途が違ったかもしれません(使用経験なし)。
最近の温罨法は、蒸しタオルや市販の温かくなるアイマスクのことです。
脂の線を開口させ、きれいな脂が出るのを促します。
リラックス効果もあるので、眼精疲労にも効果大です。
2.まぶたの洗浄を。
ぬるま湯か専用のアイシャンプー(当院で取り扱いあり)で目元を優しく5回くらいなでるように洗う癖を付けましょう。
冷たい水はお勧めしません。
アイシャンプー使用で格段にまぶたがきれいになり、すっきりします。
アイメイク落としにも良いですし、高齢者の目の周りの不快感には特に有効です。
マイボーム腺機能不全は、加齢になるほど増加し、50代で32.8%・60代で41.9%・70代で48.4%・80代で63.9%と報告されています。
加齢に伴い、マイボーム腺が要因の目に不快感が増えてくるのも納得です。
院長は50代ですが、毎日の温罨法とまぶたの洗浄のお陰か、マイボーム腺機能は健全です(32.8%に入っていない)。
毎日患者さんの眼球も眼瞼(まぶた)もしっかり観察(診察)している院長。
もちろんアイメイクも見ています(目に入る)。
かなり遅まきながら、少し前から美に目覚めた!?院長。
メイクアップ教室に通ったし、化粧品も良質なものを使うように。
先日、新しいアイラインを付けたら、夕方スタッフに『センセイ、目、ぶつけました?』
鏡を見ると、無残なパンダ目。
早速、お店に行き、メイクの仕方をもう一度習います(申し訳ないので、何か買う羽目に。その繰り返しです…)。
ナチュラル(すっぴん)は恥ずかしいお年頃(院長です)。
メイクは念入りに(マイボーム腺まで埋めないように)。
そして、クレンジングは更に念入りに。
お肌もマイボーム腺もケアは大事です。
オバサンだって(それなりに)綺麗に見られたい願望はエンドレスです。