2020.8.25 休校と子供
学会も勉強会もWEB。
出かけることは格段に少なくなった分、眼科以外の講演も気軽にWEBで視聴できます。
緑区医師会の病診連携勉強会もその一つ。
今回は、小児科のお話。
コロナの休校措置化で子供(小・中・高校生1417人対象)の生活で一番変わったのは、就寝・起床が遅くなったこと。
ついで、友達と会えなくなった。
外遊びができなくなった。
結果、家ですることが増えた時間は、睡眠(寝る)とゲーム。
当然生活リズムが乱れます。
睡眠が増えたというものの、睡眠・覚醒リズムの乱れが生じます。
そして学校が始まっても…
朝、起きられないし、起きれば(起こされると)機嫌が悪い。
朝食が食べられない(食欲なし)。
昼間の居眠り。
ドカ食いで肥満、もしくは不規則な食事で痩せてしまう。
ということが起こっています。
睡眠・覚醒リズムは『光刺激』(太陽の光を浴びる)や『行動刺激』(食事・運動・学校)で調節されています。
学校に行く生活って、子供にとって重要です。
パソコン・スマホ・タブレットなどから発せられるブルーライトが、睡眠・覚醒リズムを乱れさせるとして、以前から眼科でも話題になっています。
また、休校下で、スマホやゲームなど近距離で物を見ることが増えたため、近視の増悪も見られています。
休校下の生活は、多くの子供たちにとっては、あまり健全ではなかったかも!?
加えて、小児科で問題になっているのは、肥満による子供の生活習慣病です。
肥満度(%)は (実測体重(㎏)-標準体重(㎏)) /標準体重(㎏)×100
肥満度20%以上で体脂肪の増加があり、診断基準を満たした場合は、小児肥満症として加療の対象となります。
また、小児でもメタボリック症候群があり、腹囲は小学生で75センチ、中学生で80センチを超えると該当します。
その他、血液検査や血圧が判定項目に入ります。
染色体異常や内分泌異常・遺伝など防ぎようのない原因もありますが、生活習慣と食事習慣はとても大切です。
外遊びを1時間以上するかどうか、テレビを2時間以上見るかどうかで、肥満の増減に影響があるそうです。
1週間に20時間の外遊びは、近視の抑制効果があることは報告されていますが、外遊びは、目にとっても肥満にとっても推奨されることです。
肥満児の健康被害として、
血液検査が正常でも動脈硬化は始まっていること。
また、2型(ふつうは成人してからが多い糖尿病タイプ)糖尿病にも小児時から、なりやすくなります。
肥満児の気管支喘息は難治性ともいわれています。
さらに、肥満児は、運動能力も学力も低い傾向があるとのことです。
運動能力は何となく想像がつきますが、学力まで…(ごろごろすることが好きなので、何かに取り組む意欲が減退しているようです)。
子供の逆まつげは時々ありますが、多くは、年齢が上がり、顔がシュッとしてくると治ってきます。
しかし、肥満のお子さんだと、瞼や頬の肉付きがよくて、一向に改善しません。
地域の眼科である当クリニックでは、多くの小児の患者さんを診ます。
今週は、夏休み最終週。
『あ~夏休み終わってほしくない!』例年の子供たちの声。
今年は、短い夏休みに名残惜しそうな声を聞きませんでした。
6月1日から7月31日までに感染が報告された242名のうち、家庭内感染が57%、学校内感染は5%でした。
正しく感染対策をして、『学校生活』が再開・確立されることを願います。
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