2024.10.22 白内障、またなるの?

当院は白内障手術は実施していませんが、白内障の患者さんは多くいらっしゃいます。

白内障のほとんどは加齢によるもの。

(先天性や外傷性・アトピー性など他にも原因はありますが)

白内障は水晶体の濁り。

前から見ると黒目の部分。

横から見ると紡錘形です(院長は、小学生の頃、給食に出たローヤルゼリーを思い浮かべます)。

水晶体が加齢に伴い少しずつ濁ってきます。

 

眼鏡をかけても運転に支障がある

日常生活に支障がある

などの自覚があれば、白内障の手術を勧めます(免許基準に引っ掛かる場合は、自覚がなくても積極的に勧めます)。

 

自分では不自由を感じない。

眼科医から見ても生活に支障ないようだ。

周りがやっているから、やらないといけないのかなぁ?

などの人には、積極的に手術を勧めません。

 

白内障手術の適応時期はほとんど患者さん主体で決められます。

 

さて、時に聞かれるのが

『白内障手術しても、また(白内障に)なるの?』という質問。

 

白内障の手術では、水晶体を取り除き(吸引)、眼内レンズで置き換えます。

水晶体は、前後透明な袋状の膜で覆われていて、前面の膜だけを切り取り、袋状に残した膜に人口レンズを挿入します。

後面の膜はそのまま残します。

術後何年かして、後面の膜が濁ることがあります。

すると視力低下を起こします。

これを『後発白内障』といいます。

レーザーで濁った部分を破ることで、視力は回復します。

 

一般の白内障と後発白内障。

どちらも白内障ですが、機序が違います。

また白内障手術を受けた全員が後発白内障になるわけではありません。

70~80代では、約1割に白内障が後発白内障が起こると言われています。

 

白内障手術後よく見えていたのに視力の低下を感じたら、眼科できちんと検査を受けましょう。

後発白内障が原因であれば、レーザー治療で改善します。

 

こんな話をざ~っとすると

『ほお~そうなんかね~』(理解してもらえたでしょうか?)

『聞いてよかったわ~』

 

このように、類似した名前の病気や治療法は誤解していることが多いもの。

やはり、目の前の医師に直接聞いてみることが一番正確で責任ある回答だと思います。

 

10月10日は目の愛護デー。

子供の近視進行予防から、中高年の眼病の早期発見まで、眼科医は啓発も行っています。

院長は日本眼科学会のアイフレイルアドバイスドクターでもあり、先日ピンバッジが送られてきました。

緑内障啓発月間のグリーンリボンと同様に、しばらくブルーのアイフレイルのバッジをつけようと思います。

 

ネットでの知識。

メールやラインでのやり取り。

それもいいけど、やはり対面で情報や知識を得たい。

面倒でもコストがかかっても、学会に行く、レッスンを受ける、気になる所に足を運ぶ…

その場で『へぇ~』を感じたい昭和生まれの院長です。

患者さんが『へぇ~』を発するような診療をしたい昭和生まれの院長です

アイフレイルアドバイスドクターにご相談を!

 

 

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2022.9.13  公センセイとQ&A

緑区いきいき支援センターからの依頼で、緑区医療相談支援事業の講師を務めてきました。

 

いきいき支援センターとは、地域包括センターの名古屋市版名称(名古屋市だけの呼び名)です。

高齢者の身近な相談窓口として設置されています。

生活・介護・介護認定・介護サービスなどの相談。

相談内容に応じた各種情報提供や関係機関の紹介。

認知症高齢者を介護する家族への支援事業、などなど。

 

相談は、ケアマネージャー(ケアマネ)・社会福祉士・保健師などの職員が、専門知識を生かしながら、互いに連携して「チーム」で対応します。

 

院長は、時に介護認定委員会に出席したり、主治医意見書を書いたりします。

視覚障害だけで、介護認定がおりることは少ないのが実情です。

 

 

緑区では、通常は、内科医による医療相談が、数か月ごとに行われています。

会議室と言うこともあり、講義形式ではなく、『公センセイとQ&A』で話をすることにしました。

 

事前にいくつかの質問をもらっています。

また、それ以外に、当日に何でもいいから聞いてください!のスタンス。

 

『眼内レンズの選び方について。何回もできるのか』

眼内レンズは単焦点(保険)と多焦点(自費)のタイプがあります。

患者さんの希望に加え、身体症状・性格も考慮して選ぶべきです。

今回は、介護認定を受けている高齢者と言うことで、その人の状態・生活様式・術後のケアなどを考慮して主治医としっかり話しあうべきとお話ししました。

何回も白内障手術が出来ると思っている人もあるようですが、基本1回のみです。

術後経過云々で眼内レンズの入れ替えをすることはありますが、非常に稀なケースです。

また、数年後、眼内レンズの後ろの膜が濁り視力低下を起こす『後発白内障』がありますが、これは、いわゆる白内障の手術はせず、レーザーで濁りを取り除きます。

眼科医としては、後発白内障のレーザー治療は、白内障手術2回目とは捉えていません。

 

『術後の点眼が出来ない』

手術後は、病気により違うものの、抗生物質や消炎剤の点眼薬が1日4回点眼指示されます。

認知症や体の不自由さがあり、回数を守れない場合は、主治医に相談しましょう。

絶対点眼しなければいけない回数・期間を、主治医の裁量で変えてくれると思います。

 

『眼鏡店で、眼鏡で視力が出ないと言われ、ショックを受けている』

眼鏡店は、屈折(近視・遠視・乱視・老視)以外目に病気がない人なら、良く見える眼鏡を合わせてくれます。

眼科医は、眼鏡希望の患者さんでも、他に病気がないかを診察します。

まずは、眼科を受診して、病気の有無や視力が出ない原因を診てもらいましょう。

また、眼科で眼鏡は処方します。

 

質問は尽きず、あっと言う間にタイムオーバー(紙面に書ききれず)。

 

院長は、アイフレイルアドバイスドクターと言うこともあり、アイフレイルについて大いにアピールもしました。

また、視覚障害のある利用者を考慮した、デイサービスやデイケアの計画をお願いしました。

在宅になって眼科医を受診せずに、漫然と点眼薬を使用するリスクもお話ししました(往診もします)。

 

眼科医だからこそ、全身とつながる、その人の人生ともつながることを実感する院長。

子育ても介護も、目(の病気)とつながること、ありありです。

知識・技術だけでなく、人生そのものも医師を形成するのだと実感(ならばずっと成長・成熟です!)。

だてにオバサン(院長)ではないキャリアだと思えば、オバサンもまた良し。

 

→こちらもぜひ、ご覧ください

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来週の公センセの部屋はお休みです。

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