2021.10.19 阿房列車
比叡山の大阿闍梨様の法話は大変ありがたいものでしたが、院長にとって印象的だったのは、千日回峰行でお堂に籠っておられた時、はるか遠くの特急『サンダーバード』の音で時刻を推定した話。
全然、仏教には関係ない…
信心が足りないことを改めて自覚します。
それにしてもそれ以降『サンダーバード』が気になりだし…
乗りたい!乗りたい!
用がなくても乗ればいいじゃないか…(内田百閒・第一阿房列車)
といっても、『サンダーバード』は大阪から金沢・和倉温泉の区間です。
元は『スーパー雷鳥』(ちなみに雷=サンダー・鳥=バード、雷鳥はGrouse)
東海人には縁のない列車、停車駅です。
通常、名古屋からは新幹線で大阪に行きます。
最短50分、あっと言う間です。
ですが、『サンダーバード』に乗りたい一心で鉄道路線図を見ていると…
名古屋から特急『しらさぎ』で敦賀まで。
敦賀から『サンダーバード』に乗り換え大阪へ。
『サンダーバード』に乗れます!
敦賀の乗り換えが出来るだけスムーズな『しらさぎ』と『サンダーバード』を探します。
そうすると、出発が早くなるので、朝の30分節約として新幹線を加えることにしました。
名古屋から米原を新幹線『ひかり』
米原から敦賀まで『しらさぎ』
敦賀から大阪まで『サンダーバード』
名古屋から大阪まで約3時間の旅です。
こんなにわくわくする大阪行きは初めてです。
『ひかり』はあっと言う間に米原へ。
米原で停車中の『しらさぎ』に乗り換えます。
『しらさぎ』は、金沢の学会などで幾度も使っていますが、米原で進行方向が反転するため、自分たちで座席の向きを変えないといけません。
敦賀まで約20分。
ホームを変えて『サンダーバード』を待ちます。
向かいのホーム椅子には、恐竜のオブジェが座っているのでぎょっとしてしまいました。
若干の遅れもありましたが、『サンダーバード』がホームに入ってきます。
白い車体に青の線が入り、速そうな白い鳥のエンブレムが描かれています。
列車の内外とも、『しらさぎ』よりきれいで新しい気が。
ちなみに『しらさぎ』は白い車体に青とオレンジの線が入っています。
田舎の風景は大きく変わりませんが、滋賀県に入ると琵琶湖の西側を走ります。
湖を眼前(左斜め前)に見ながらの走行に興奮。
『高僧の修業となれば、こんなはるか遠方の電車の音も聞こえるくらい聴覚も研ぎ澄まされるのだ』
比叡山近くの駅や線路を走りながら、そんなことを思います。
京都に停車し終点大阪へ。
米原、敦賀と地方の駅と一転して、大都会大阪に到着。
いつもの大阪着とは違う感慨深さ。
お昼ご飯を大阪で。
帰りは、最後のお楽しみが。
サンダーバードと並ぶ、乗ってみたいけど機会がなかった列車。
近鉄特急『ひのとり』です。
近鉄の始発・難波駅も初めてです。
『ひのとり』の車体を見て、『サンダーバード』の格好良さも一気に飛んでしまった程スタイリッシュ。
全体が紅炎色の車体に金色火の鳥!
幸運にも1号車2列目のプレミアムシートが取れたので乗り込みます。
座席の広さといい、リクライニングシートと言い、想像を超える快適さ。
どうぞ、くつろいでくださいな…と言わんばかり。
入って来る乗客の感嘆の声が次々に聞こえます(ほとんど初乗車のよう)。
さて、出発。
走行もとても滑らかで静かです。
中2階なので、運転手さんはやや下側で運転。
前方の景色が大きな窓から現れ、どんどん行き過ぎていきます。
背もたれがあるのに、前のめりで前景を見つめてしまう院長です。
奈良県に入ったあたりから、あちこちで寝息が。
乗客大爆睡、いびきもあちこちから聞こえる事態。
2時間8分かかりますが、休養(睡眠)を取りたい人にはぴったりかも。
終点近くになると、天井が深海のようにライトアップされ、名古屋到着です。
4つの新幹線・特急を制覇した贅沢かつ阿呆な旅。
限られた休みの日に達成した我流阿房列車でした。
こちらもご覧ください