2024.10.29 またまた島医療
南の離島医療を見学して以来、南に行ったら北もいつか…と思っていた院長。
北海道の北端の島、利尻島と礼文島。
利尻島には病院が一つ、小さな診療所が二つあります。
礼文島には有床・無床診療所が一つずつ。
国保組合立と北海道立の公立医療機関です。
気になれば動いてみる!の院長。
今回も、見知らぬ相手(病院・診療所)に見学依頼の電話とメールを送ります。
就労に興味もしくは希望のある若手医師ならいざ知らず、年季の入った開業医が何故?と思われるのは承知の上。
自分の思いを伝えます。
利尻・礼文島行き決行。
院長は、学生時代に利尻島と礼文島に行っています。
当時全国大学生協が企画した北海道一周ツアー。
札幌発着10日間で、バス・フェリーと宿泊食事代全て込みで10万円だったような。
全国からの大学生と相席・相部屋で各地を回りました。
さて今回は、人生もう一度の利尻島と礼文島。
礼文島の診療所は、有床の割と大きい診療所です。
3代目の所長となるM先生は、お父上も2代目診療所長で僻地医療に尽力されてきた先生です。
一時は一緒に働いておられましたが、お父上は引退され、今はM先生(息子)が切り盛りされています。
地元で育って地元の医療を守る…理想的です。
しかも、現代風に自身の研鑽で島外に出るときは、代わりの医師が来るシステムを確立されています。
礼文島の澄海(スカイ)岬は、中島みゆきの‘銀の龍の背に乗って‘のPVが撮影された場所とのこと。
‘Dr.コトー診療所‘の主題歌。
最西端・与那国島のDr.コトー診療所ロケ地と最北端・礼文島スカイ岬でのPV。
どちらの地にも立った自分。
不思議な感覚。
利尻島は病院なので、常勤医が4名います。
うち一人は島の国保の診療所に出向しています。
常勤医師は、利尻島と縁もなく、それでも何かのきっかけで来島、離島医療を担っています。
事務長も島とはゆかりのないひとで、札幌から単身赴任です。
公立病院経営強化プラン白書を見せてもらいました。
元SEだけあって分析がきちんとされており、大変分かり易い資料でした。
島の著しい少子高齢化により、病院の経営も深刻になります。
外来患者の増加はあまり期待できないとのこと。
入院機能があることにより、一般急性期~回復期~慢性期~終末期と幅広い対応をしていかないといけません。
医師の確保(医師の働き方改革に乗っ取った)や看護師の確保(島外からの派遣が多い)。
事務長の立場からすると、税金の補填があると言っても、僻地・離島の医療は経営上も難題がたくさんあります。
眼科は、稚内から月に1度。
与那国島と同様全て予約制です。
休日診療所程度の装備しかなく、視野計もOCTもあればいいのに…と思いますが、患者さんの数を考えれば導入できません。
離島は与那国島もそうでしたが、島外へ出るには交通費などの補助があります。
利尻島から一番近い稚内へフェリーで1時間40分。
札幌には飛行機で50分。
それでも緊急時は、ドクターヘリ・防災ヘリ・自衛隊ヘリで搬送。
手続きに時間がかかるそうですが、その遅れについて患者さんからのクレームはないとのこと。
離島での医療は、患者さんの覚悟も必要です。
最北と最南の島の医療を垣間見て…
院長は、今直接行動は出来ないけれど、自分で行って・見て・知って良かった!
いつかは、離島にお手伝いに行けることがあるかな…
食堂の旬(夏)のうに丼は1万円!
う~ん、1,300円の海藻ラーメンを選んだ院長です。
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