2023.10.17  目の神様 in平泉

『平泉に眼の神様のお守りをいただきに行ってきた』

知人からの情報。

 

平泉…院長にとっては、初一人旅の思い出の地です。

再訪をいつか…と片隅にありましたが、知人の一言で決行することに。

 

岐阜の片田舎からの一人旅に、東北を選んだのは、ペンフレンド(死語?)に会いに行くため。

高3時、受験雑誌の文通相手募集欄にRちゃんの名が。

当時は住所も名前もオープンだった時代。

めでたく文通成立。

合格目指して頑張りました(というより息抜き)。

仙台の大学に進学した彼女に会う+αの一人旅です。

 

まだスマホなどない時代。

父は、紙の時刻表から旅程を作ってくれました。

○○に着いたら家へ電話する(もちろん公衆電話)こと、と注釈も書かれています。

 

初めて会ったRちゃんは、とてもきれいな子でした(当時のアルバムに感想が)。

仙台を案内してもらい、一人旅にわくわく。

不思議な縁で、今も二人の文通(手書きです)はほぼ毎月続いています。

 

別れてから平泉を目指します。

 

当時は、東北本線オンリー鈍行の旅。

今回は何十年の時を経て、飛行機・新幹線で東北本線は一駅のみ。

時間はあるけどお金がない時代から、お金を時間で買って行動する時代に。

 

中尊寺に向かいます。

特に藤原氏の富の象徴ともいえる豪華絢爛な金色堂は有名です。

ここは、初代清衡公・基衡公・秀衡公の御遺体と泰衡公の首級が納められています。

ミイラが祀られているんだ~と単純な感想しかなかった無知な大学生だった自分を内省します。

 

ひとつひとつ建物、仏様、装飾など,解説を読みながら見ていると、あっという間に時間が立っています。

 

今回の旅の目的は峯薬師堂に参拝して、『目のお守り』をいただくこと。

以前中尊寺に行ったときに参拝した記憶はありません(目に関心無かったし)。

境内に入ると、ひらがなで『め』と書かれた絵馬や、『め』がいくつも描かれた旗など。

絵馬の数を見るに、目の病気の平癒祈願をしている人がいかに多いか…

院長も薬師如来様にお祈りします。

患者さんの眼がよくなりますように。

院長がより良い眼科医療を提供できますように。(いつもながら他力本願)

お守りには『め』と縫ってありインパクト大です。

 

同町内の毛越寺も訪ねるべき場所。

中尊寺とともに世界遺産です。

この境内の片隅にあるYH(ユースホステル)に泊ったのでした。

建物は当時のままでしたが、今は使われていないとのこと。

何年か前にYHも閉館したそうです。

池を囲む庭園(浄土庭園)が素晴らしく、しばし鑑賞。

あの頃と同じ場所で池をバックに写真を。

 

前回、初めての一人旅で緊張していたのですが、同室の25歳の女性の話しを聞くうちに打ち解けました。

社会人で仙台から車でひとり旅。

かっこいい~憧れる~

その彼女に撮ってもらいました。

毛越寺の素晴らしさもわからず、毛越寺で出会ったひとり旅の若干(今の自分から見たら)25歳のお姉さんと過ごした一晩のほうが記憶に残っています。

YH懐かしい~

当時YHは、若者が泊まるには一番安心安全安価だったので、父の意向で毛越寺YHに泊ることになったのだと思います。

 

今、臆することもなく、自由に一人旅もし、物事をもっと深く見たり聞いたりしたいオバサンになっています。

池の傍で立っている少女の私へ…こんな未来、想像できた?

 

再訪・再読など時を経て感じることの変化も楽しもうと思います。

目の神様シリーズはこちらからご覧ください

目の神様 in 仙台

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

目の霊山

余呉へGO,GO

鎌倉好き

医者も祈願する!?

 

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.9.26 ビフォーアフター

今年の夏はとても暑かったので、長期休みや休日も花壇の水やりに気を遣いました。

早朝と夕方と。

花壇はお花屋さんが四季折々に入れ替えてくれるお花が主流です。

加えて、長男出生時に役場でもらった誕生記念樹のもみの木。

香りのよい金木犀などの木々もあります。

当初30センチもなかった小さな苗木は、息子よりもずっと素直にすくすく育って、今では人の背丈をずっと追い越しています。

 

早朝は誰にも会わないだろうと、すっぴんで適当な格好で水やりをしていると…

意外にもウオーキング中の多くの患者さんに話しかけられました。

『誰かと思ったら…先生』

挨拶をし会話をするものの、じっと見ないで~(と、うつむき気味の院長)。

 

水やりをしながら、クリニック周りも見ていきます。

ハイビスカスの花が咲いた、散った。

ゴミが落ちている、拾おう。などなど。

 

そして、ふとやり過ごしていた看板のくすみが急に気になりました。

西側(docomo側)は西陽によって変色も。

看板は、クリニック開設以来一度新しくしたのですが、もう15年以上となり、経年劣化も甚だしいことを改めて痛感。

 

気になると何でも動かないと気が済まない院長。

早速看板屋さんと打ち合わせ。

 

院内も壁紙や椅子・ロールスクリーンなど随時改修しているのですが、イメージを変えずに同系色でまとめるので、意外と患者さんは気づいていません。

 

『現行の原色の看板からイメージを変えてみましょう』

と提案されたデザインは、院長の思いもしっかり入っています。

 

院長は眼科専門医(この道一筋)なので、目に関することは何でも診ます。

地域のかかりつけ医のスタンスですので、『こんな些細なこと、いいの?』と思っても気軽に受診してください。

地元4校を各15年以上学校医も拝命していますので、親子2代に渡り学校保健活動でも担当していることも。

小さなお子さんにとっては、女性医師であることは強みかもしれません(怖いお母さんだけど、怖い先生ではない。つもり)。

お子さんの成長は著しく、何年かぶりの来院の姿に目を見張り、近況を聞くのも楽しみです。

大学院では緑内障を専攻したので、緑内障患者さんとのお付き合いは途切れることなく長く長く。

 

誰でも、いつでも、何かあったら来院してくださいね!という眼科です。

 

出来上がった看板は、手前味噌ですがとても良い出来!

工事終了後、出来上がった看板を確認すると…

まさにビフォーアフター!

ピンクを主体に優しいイメージの中にもアピールはしっかり。

立看板の当院マスコットキャラクター?の『あんこうちゃん』の提灯部分は結構苦労したとのこと。

LEDになり明るくなりました。

 

駐車場の白線も塗りなおしをしました。

 

経年劣化は仕方がない…ですが、古くても手入れが行き届いている建物やモノは、美しいし気持ちが良いです。

当院も経年劣化は否めないものの、患者さんに気持ちよく来院していただくために、メンテナンスはしっかりしていこうと思っています。

何年・何十年ぶりに来院される患者さんに『センセイは全然変わらないね~』と言われることもありますが、自身の経年劣化(自覚もちろんあり)も日々のメンテナンスで最小限に食い止めるよう努力をしています。

古いけれど、古いだけに見えない(歴史の重み)。

年だけど、年に見えない(人生の重み)。

オバサンだけどオバサンじゃない!(院長スローガン)

 

看板を新しくしたので、新規開業の気持ちで頑張ります。

   

 

カテゴリー:クリニックに関すること

2023.9.5 何しにカンボジア?  その3

*前々回・前回からの続きです*

 

おそらく、カンボジアではゼロ(正視)から遠視の人の割合が高いのだと思います。

近視は、近くにピントを合わせられるので、老眼になっても距離を合わせれば、自分の目で見ることは可能です。

遠視の場合、老眼が始まると自分の目で近くを見るのは困難になります。

日本人と比べて、あまり細かな書物を読んだり書いたりする文化はそれほど根付いてない(ように思える)ため、老眼に対しても積極的に眼鏡を使おうという意識(必要性)がないかもしれません。

 

10年ほど前の緑内障に関する沖縄久米島のスタディでは、遠視の割合は34%(近視は29.5%)と報告されています。

また、日本の都市部に比べ近視の割合がかなり低かったとも。

視力が良い人が多いと言うことです。

しかし、狭隅角の人が多く、閉塞隅角緑内障に多く罹患していることもわかりました(今、日本人に多いのは正常眼圧緑内障)。

それゆえ、急性緑内障発作も多くなります。

現在では、沖縄でも近視の人が多くなり、本州とあまり変わらなくなっています。

 

カンボジアに来て、そのスタディを思い出しました。

恐らく、カンボジアの人は狭隅角が多い。

強い紫外線を年中浴びて、若くして白内障になる人は多いはず。

急性緑内障発作もかなり発症していると思われます。

かなり激しい頭痛と眼痛が特徴ですが、医療制度の体制が不備な地では、なんとかでやり過ごして失明してしまう人もいるかも。

日本では、予防法・治療法は確立していますが。

ただし、カンボジアの平均寿命が69歳(健康寿命は58.1歳)と聞くと、不具合が生じる前に寿命が尽きてしまう可能性も。

それゆえ、日本で多い緑内障や加齢性黄斑変性症など加齢に伴う病気も多くないと思います。

 

翌日、今度はコンタクトレンズの購入について、別の眼鏡屋さんに行きます。

今すぐ用意できるメーカーは米国製の有名なブランド。

単焦点です。

ジッパーの袋に度数ごとに入っています。

トライアルレンズか?と聞くと、売り物とのこと。

ここでは1ペア〇ドルで購入できるとのこと。

ただし、すぐ入手できるレンズは中等度度数以下。

それ以上強い近視は、箱買い(日本では通常)のオーダーで2週間後受け取りとのこと。

ちなみに院長装用の遠近コンタクトレンズは、オーダー後2か月かかるとのこと。

発注はすべて外国に。

当然自国ブランドは無し。

時間もお金もかかります。

近視大国の日本、コンタクトレンズの需要が高いこともありますが、自国ブランドであれ海外ブランドであれ入手できる環境にあることは、恵まれています。

カンボジアでは、コンタクトの需要も低いのでしょう。

それにしても、眼鏡やコンタクトにも、こんなに国の差があることは驚きでした。

 

まだまだ発展途上のカンボジア。

若年人口が多いこの国はどう変化していくのでしょう?

 

カンボジアの歴史と医療・文化に少しだけ触れた旅。

短い旅でしたが、衝撃は大きかったです。

もしカンボジア人なら…『老後の始末を考えないといけない年齢』

そう思うと、身が引き締まります。

 

こちらもご覧ください

何しに台湾?  その1

何しに台湾?  その2

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.8.22 何しにカンボジア? その1

比較的短期間で行ける東南アジア。

世界遺産・アンコールワット遺跡群を見尽くす!+α(個人的興味&好奇心)の旅。

 

アンコールワットは遺跡群の中でも、抜群に知名度が高くその美しさも有名です。

しかし、それ以外にもアンコールトムやまだ修復中の遺跡(寺院)がたくさんあります。

 

ガイドは現地のTさん。

日本語がペラペラです。

聞けば、20年前に仕事先の日本人から日本語を習い、その後私塾で勉強を続けているそう。

日本渡航歴はなし、憧れの日本にいつか…と貯金に励んでいるとのこと。

 

アンコール遺跡の歴史。

仏教寺院、ヒンドゥー寺院、両方が融合した寺院。

建物・壁画・像の説明。

メモ魔の院長に、復習の意味でTさんが質問(説明の確認)。

書くけどすぐ忘れている院長(記憶力低下甚だしい)。

しかし、3日間いくつもの遺跡群を訪ねて話を聞くと、古代9-12世紀のクメール王朝時代の偉大さが偲ばれてきます。

寺院の壁画は、天国から地獄の様子まで、中には恐竜の絵(この時代に何故?は謎)もあり、書物のない時代、壁画が図書館の書物の役割を果たしたのだとか。

カンボジアが、宗教戦争、民族戦争、内戦など戦争ばかりの歴史の国であることも、石像や宝物の損傷・紛失が物語っています(Tさん説明あってこそ)。

1日当たり約2万歩、アップダウンも激しく、院長より年上と思われる人は見かけません。

遺跡群を堪能するなら、体力は絶対!

普段の筋トレの成果が発揮できました。

アンコールワットの朝日鑑賞(5時から開園)や、空港では、老若男女・世界中の人がいたので、見るだけの人が圧倒的に多いのかもしれません。

 

Tさんは

『農村部と農村地の違いは何ですか?』

『崩壊と破壊の違いは何ですか?』

『連日を言い換えるとどういう言い方がありますか?』

などなど、ガイドの時に疑問に思った日本語のことを尋ねられるので、私もネイティブとして回答します。

『とても勉強になります、知識増えました』

車で移動中も『何でも聞いてください。答えられることなら何でも答えます』とTさん。

日本語で質問を受けるのも好きそうなので、院長も質問攻めです。

遺跡については勉強不足で、深い質問は出来ません。

しかし医療や文化には興味があるので、あくまでも一日本人の観光客Ms.HASEGAWAとして色々尋ねてみました。

 

Tさんは、医療については専門外なので、あまり詳しくありません。

また前提として、滅多に病院にかからないから。

と言うより、かかれないから。

この国は、公的医療保険制度はないとのこと。

公務員は何か優遇があるらしいし、民間の医療保険に入る裕福な人もいるそうです。

ガイド(国の認定要)は自営業。

Tさんも保険未加入、受診すれは100%自費です。

そのためか、町のあちらこちらに薬局を見かけます。

何か症状が出たら、薬局で薬を購入。

数日~数週間様子を見ても改善しなければ、病院へ行く構図。

医師の数も少なく、医療レベルもあまり高くないので、富裕層は私立病院や外国に行ってしまうそうです。

日本の皆健康保険制度、フリーアクセスで負担も0~3割。

僻地医療の課題はあるものの、概ね医師全体数は多く、医療レベルも世界水準の日本。

Tさん『日本の国、大変羨ましいです』

 

次回に続きます…

こちらもご覧ください

何しに台湾?  その1

何しに台湾?  その2

カテゴリー:健康 公センセの日常の出来事

2023.8.8 冷凍庫を変えただけで

猛暑の中、産業医の出勤日です。

さすがの暑さに、本日はシャツとパンツ・スニーカー。

 

スーパーの店内に入ると、すっーと汗が引きます。

そのまま店内を進み、スライドドアの前で店内に向かってお辞儀、バックヤードに入ります。

スーパーやデパートの店員さんが、バックヤードの入退の際にお辞儀をしているのを見たことはあるけれど、当然したことはなかった院長。

産業医になって、スーパーに出入りするようになり、入退時のお辞儀にも慣れてきました。

 

事務所に入ると、院長より若いと思われるスタッフAさんが『センセイ、細い~』

Aさんよりは細いのは事実ですが、か細くはありません。

華奢だったのは遠い昔で、今は筋肉質になっています。

『センセイに言われて、お昼菓子パン買うのやめたけど、なかなか体重減らないわ~』

 

年に一回、スタッフの健康診断結果を見て、就労可能かどうかを判定します。

産業医着任初年度は、張り切って、肥満が要因でいくらか健診結果に異常が出ている人たちにお話をしました。

『体重あと○○キロ落としたら、血糖値下がるはず』

『毎日30分歩いたら、体重も血圧も下がりますよ』

『お昼ご飯を総菜コーナーで買う時は、炭水化物中心ではなく、たんぱく質意識して』などなど。

Aさんも指導対象だったのです。

お昼ごはんに菓子パンをやめただけエライ!

 

『運動もしたほうがいいですよ~』

『はい、週に何回かは歩くようにしてます』

『その調子!あとは筋トレとか…家の中でもスクワットとか…』

早速ブルガリアンスクワットを事務所の椅子に片足載せて披露します(本日パンツなので)。

『え~そんなの無理!足が開かない!』

『その場合は、足を前後に開け(自分の出来る範囲で)体を上下させることから始めてみて~』

オバサン院長ですが、いつもは左右12キロずつのダンベル持ってのスクワットです。

『センセイ、若~い!』(お世辞でも嬉しい~)

 

 

さて、いつものように安全衛生委員会。

他店の労災。

50代女性:お客さんに呼ばれてレジに戻る際に、床につまづき転倒、膝の骨折。

作業場・店内・構内では走らない、慌てないと再通達。

お客さんに何か言われたら焦って…と行動した結果の骨折ではやりきれません。

他に推測の域を出ないのですが…とコメント。

もしかしたら、つま先を挙げる筋肉・前脛骨筋(ぜんけいこうつきん)や足裏の筋肉・足底筋群(そくていきんぐん)の筋力低下もあるかも。

つまずかない・つまずきそうになっても耐えられる足の筋力は重要です。

足の筋トレもしましょう。

 

いつものように巡視を。

霜取りとかアブソーブドソックスとか、冷凍ケースからの漏水が度々問題になっていたのですが、遂に冷凍ケースが刷新されました。

縦型でそれぞれスライドドアがついています。

旧冷凍庫よりも商品の種類も多く陳列可とのこと。

野菜・パスタ・冷凍麵・夕食・簡単調理・アジアン・スナックなど、扉の前に表示されており、探しやすく新商品を見つけるのも楽しそう。

売り上げは、同年比較で最大1.7倍、ほぼ1.2倍とアップしたそうです。

冷凍庫が縦長タイプになっただけで!?

見やすさ、新しさ、実際の商品の多さで、院長も全部チェックしてみたい…と思うほどです。

水漏れによる転倒のリスクもなくなり、これに関しては労災発生ゼロになるはず。

 

巡視終了、本日の業務も終了。

お楽しみの?新冷凍庫の新商品を探して帰ります。

 

*8月15日の公センセの部屋はお休みです。

 

 

 

 

 

カテゴリー:健康 産業医

2023.8.1    おかげさまで26周年

今年は、ツバメの巣が2回もカラスの攻撃に遭い、卵や孵ったばかりの雛も餌食にされてしまいました。

壊れかけの空になった巣の周りを、2羽のツバメが飛び回るのを見るのがやるせない院長でした。

もう今年は来ないかも…とあきらめていた頃、ツバメの雌雄が巣を修復して卵を産みました。

今度こそは…と、毎朝晩、巣を見上げ、落下物(糞・虫それ以外)を確認する日々。

ようやく、小さな雛が5羽顔を出すように。

よしよし…と思ったのも束の間、修復した巣は手狭だったせいか、一羽落下していました。

まだ産毛が生えそろっておらず、息も絶え絶え。

可哀そうですが、見届けるしかありませんでした。

 

その3日後。

またもや、雛が1羽落下。

3日前の雛よりは、産毛はあるものの、羽も短くも揃い始めています。

当然飛べません。

何とかせねば。

 

息子に連絡。

ふだん母のお願いにはほぼ耳を貸しませんが、今回は迅速対応。

ツバメの生態・人の手での育て方などを調べ、ミルワームを買ってきました。

小さな鉢にティッシュを敷き、ピンセットでミルワームを1匹づつ。

お腹がすくときは、大きな口をパクパク開けて吞み込みます。

お腹一杯になると餌に見向きもしません。

これを30分ごと。

息子は2日間どこに行くにも連れて行き世話をしました。

『赤ちゃんの世話って大変やな~Pちゃん(雛の名前)可愛いから出来るけど』

ちょっと~

そっくりそのまま、子育て中、母(院長)があなた(息子)に向けてた言葉ですよ!

ツバメの子育てより大変だったんだから!!!(親ツバメエサ探し・運びも大変だけど)

2日後、巣に戻して無事に生育。

兄弟ツバメの中では一番小さいせいか、最後まで巣に。

兄弟に数日遅れて、やっと初立ち。

『飛んだよ~』

孫(いないけれど)を見守る祖母と父親みたいな、母と息子のしばし穏やかな時間を雛が提供してくれました。

 

ところで、先日某メーカーの担当者が代わりました。

担当のTさんは、以前にも当院担当。

懐かしさで話が弾みます。

『あの頃は、息子さんたちを保育園にお迎えに行ったこともありましたね~』

開院当初は、子供がまだまだ小さくて、保育園のお世話になっていました。

診療状況で、どうしてもお迎えに間に合わない時には、面会に来ているメーカーさんたちにも助けてもらいました(良き時代でした)。

Tさんにもお世話になっていたのね~改めて感謝です。

一人で何もできない雛のような息子たちは、お陰様で、今度は親ツバメになれるほど成長しました。

 

お陰様で、当院も26周年を迎えました。

患者さんとの出会い、そこから得た眼科学の知識と経験の引き出しはかなり多くなっていると思います。

①医師が診療し指針を示す(事実に基づき診断・治療方針を決める・経験値も有用)

②患者さんが治療方針を遵守する(点眼回数・期間を守るなど)

恐らく①②が守られていれば、病気は快復または小康状態を保てます。

上手く結果が出なければ①に戻ります。

20年以上定期的に通院されている緑内障の患者さんの多くは、進行が抑えられています。

 

何年かぶりに来院される患者さんには『思い出して来院してくれてありがとう』

定期的に来院される患者さんには『いつも頼ってくれてありがとう』

『こんにちは!○○さん』から始まり『お大事になさってください』の〆の後の、声に出さない言葉です。

 

今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

カテゴリー:クリニックに関すること 公センセの家族・恩師・友人など 公センセの想い

2023.7.25 白目が真っ赤

日常診療で、充血が気になって来院される患者さんはとても多いです。

ある日、A君が何年かぶりに受診。

『朝起きたら、左眼がすごく充血していてびっくりして来た』とのこと。

診察すると…左眼の白眼は真っ赤!

充血ではなく出血です。

充血は、結膜(白目の上にある透明な膜)下の毛細血管の拡張です。

出血は、結膜下の血管が破れ、結膜の下に出血し、白眼(結膜)が鮮紅色になった状態を言います。

『充血じゃなくて出血ですね~』

 

内科的な病気(高血圧や糖尿病・抗凝固剤内服など)の有無は尋ねます。

 

外傷(物が当たったとか打撲とか)の有無も。

 

いきむようなことをしたか?も。

 

毛細血管へ圧が加わり、血管が破れて出血します。

 

原因を特定できない場合も多いのですが、50~60代に多いと言われています。

毛細血管の強さと、眼瞼の開閉の摩擦力のアンバランスが、この年代に最も起こり易いということです。

若い時は、瞬きが力強くても、毛細血管も強い。

高齢になると、毛細血管も脆くなるけれどまぶたの開閉の圧も弱い、というわけ。

 

最近では、ドライアイとの関連も明らかになってきました。

涙が少なく角膜表面の涙のノリが悪いと、まぶたの開閉に摩擦が起きやすくなります。

そのため血管が破れやすくなります。

若年で結膜下出血を繰り返す人は、ドライアイが隠れているかもしれません。

ヒトは通常1分間に約20回瞬きをします。

1時間で1200回、1日16時間起きていたら2万回近く瞬きをしています。

ドライアイの強い人は、ウオッシャー液無しでワイパーを動かしているようなものです。

 

多くの結膜下出血は経過観察でも消退していきます。

場合によっては、点眼薬を処方します。

原因不明として治ればよい結膜下出血なのか、その裏に隠れている要因を治療したほうがよいのかは、眼科医でなければわかりません。

例え受診して心配ないと言われても、それは眼科医からの責任ある言葉なので、自己判断・放置はしないほうが良いと思います。

 

さて、さきほどのA君。

『原因不明だけど、大丈夫。1週間くらいでひくから』

『あの~先生。昨日、飲み会があって、すごく飲んじゃって、最後に何回も吐いちゃったんですけど…関係ありますかね?』

あああ~

年齢見ると20歳!

Aくんは、ずっと中学生のまま(最後の受診)だと思い込んでいたけれど。

もう成人で飲酒する年齢。

吐くほど飲む…なんてこと、有り得る年齢でした。

嘔吐で腹圧は上昇します。

『そっか~。もう成人だもんね。飲むのはいいけど、ほどほどにしてね』

 

初診の80歳の患者Bさんは、『以前母が受診して』が来院理由。

お母さんの近況を聞くと、もうあちらの世界へ。

Bさんは、加齢により白眼(結膜)がたるんで(弛緩)いました。

その周辺に結膜下出血が。

『ひどい便秘で、今朝すごくいきんだからかしら?』

恐らくそうです。

排便時のいきみも要注意です。

 

『結膜下出血は50~60代に多い』の説明を他人事のように説明していた頃もありましたが、今はしっかりその年代。

眼科医として、自身の眼の変化も実感するこの頃です。

 

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休日診療所

カテゴリー:クリニックに関すること 眼に関すること

2023.7.11  さようなら 桃のスープ

桃が店頭に並ぶようになりました。

そろそろ『桃のスープ』を食べに行かないとね~

恒例行事?のひとつ、でした。

 

4月の初め、件(くだん)のレストランからお知らせが届きました。

5月末で閉店の旨。

突然でびっくり!

37年8か月の営業を、70歳を機に閉業することにしたとのこと。

後継者不在。

体力と仕事のアンバランス。

色々考えての決断とのこと。

 

オーナーの今後はまだ未定だそう。

中途半端よりも、退路を断って今後を考えるのもあり。

70歳、人によってとらえ方は様々だと思います(まだ70歳未知の世界の院長です)。

周囲を見ると、開業医師のほとんどが診療を続けています。

また、勤務医でも、定年後新たな職場で、何かしら医療に関わっている人が多い様に思います。

特に、院長の知っている限りで女性医師面々は、とても元気。

お手本とすべく、『あの年齢でもまだまだ行ける!』と確認・確信・安心しています。

もしかしたら女性のほうが、切り替え(仕事・家事・趣味など)が上手く、貪欲なのかもしれません。

自身も、自分より若い女性には『あの年齢(院長の年齢・年代)でもまだまだ行ける!』と希望を持ってもらえるモデルになれたらな~の願望あり。

 

さて、早速予約。

電話越しで、対応スタッフも『残念なことですが…』と。

 

初めてこのお店に連れて行ってくれた家人と。

急だったので子供たちは参加せず。

最初(30年くらい前)と最後は、めでたくもカップルで。

満席です。

いつも飲み物をサーブしてくれるウエイターも『淋しいことですが…』と、お勧めのビールを紹介してくれます。

安定した美味しさ。

でもまだ桃のスープの時期ではありません。

もう一度味わいたかったな~

最後に飲んだスモーキーなドイツビールは、このお店での最後の思い出になりそうです。

 

6月のある日、帰り際に患者さんが『センセイ、桃のスープのお店、閉店してしまったんですよ。ご存じ?』と。

昨年、桃のスープの拙話を読んでくださり、足を運ばれたそう。

その後も出かけたときに、閉店のニュースを知ったとのこと。

院長のエッセイ(公センセの部屋)も多少反響があるようです。

 

さて、そうはいっても桃のスープを味わいたい。

何とか再現できないものか…

大体の味と大体の材料で何回かトライ。

なかなかいける…と感じた(あくまでも個人的な感想なので、レストランはもっと本格的な材料かもしれません)レシピは…

桃1個

ヨーグルト100cc

生クリーム(動物性)100cc

砂糖 大匙1

全部ミキサーにかけます。

それだけ。

生クリームを入れると上品になります。

 

おそらくレストランの3~4人分。

いつも人の分を欲しがるほど大好きな桃のスープ。

今回はひとりで存分に。

美味しいけれど、何か違う。

シチュエーションと、もう少し欲しい!という塩梅の量が、レストランではうまく計算されているのだと思います(繊細な味の違いはもちろんですが)。

 

院長はまだまだ引退の予定はありません(オバサンだけど、まだ脂が乗っている(眼科医としてです)と思っている)。

今回、レストランの閉店をきっかけに、人生の来し方行く末について、ふと考える院長でした。

 

さようなら、桃のスープ。

脳内思い出箱にしまっておきます。

 

*来週7月18日の『公センセの部屋』はお休みです。

 

 

カテゴリー:公センセの家族・恩師・友人など 公センセの日常の出来事

2023.7.4 目の神様 in 仙台

先日は仙台で学会。

仙台と言えば、学会以外に気になる場所が。

目の神様ミーハー(罰当たり)の院長としては、マークしておいた目の神様にお参りに行かねば!

 

青麻(あおそ)神社と言います。

地図で調べると、『宮城県民の森』の中にあるそう。

基本、公共交通機関+自分の足で移動派の院長。

東北本線で仙台から北上し、岩切駅下車。

そこから神社までは5キロちょっと。

表参道は桜の名所だそうです(今回は時期外れ)。

歩けない距離ではありません。

 

しかし、目指すは森と言うより小山。

天候は小雨。

フォーマルではないものの、仕事で通用する格好。

 

駅前のタクシーに乗ります。

タクシーはぐんぐん坂を上がり山の上へ。

通りすがりの人影も車もなく、タクシー乗車でさえやや不安です。

徒歩決行せずに良かった!

 

言われは…

岩切村の山中に青麻権現社があった。

高さ1丈余りの岩窟があり、古来大日・不動・虚空蔵の三佛を祭ると伝えられていた。

純朴正直な青年が、長く目を患い、遂には失明に至った。

1682年4月1日に、一人の老人が、天を拝み黙禱(もくとう)するように告げた。

『吾はお前が純朴なので、目が見えなくなったのを憐れに思う。お前が吾が教えに従えば程なく病は癒えるであろう』

青年が毎日拝み続けることで、30日余りで目の病は全快した。

再び、老人が現れ、名を問うたところ、源義経公の臣下であった日立坊海尊とのことであった。

その後、海尊仙は、この岩窟に入られたとのこと。

 

現代の眼科では、失明は病気のエンドステージで、不可逆な状態です。

わずかな光でも感じられれば、失明ではないので、可逆的な(良い方向へ)期待が出来ます。

そして、その最先端は、iPS細胞を網膜に移植する研究・治験です。

 

しかし昔々であれば、目が見えなくなった=(現代の)失明ではないのでしょう。

おそらく、極端な近視や遠視もなく(もっとも、細かい文字を書いたり読んだりする機会もほとんどなく)、平均寿命も短かった(加齢に伴う現代の病気が発症する前に寿命が尽きた)ので、生活するうえで支障になる眼病はほとんどなかったのだと推察します。

感染症(結膜炎や角膜炎)は、当時のほうが、治療困難を極め(点眼薬なし)、眼病の主な原因だったかもしれません。

当時の生活での不自由さが生じた時点で、失明と定義されたのかも。

 

現在の眼科医は科学者ではありますが、心の拠り所としての寺社参拝は、日本人だからか?院長だからか?

今回も、患者さんのためにお参りします。

自身にも眼科医としての能力をもっと授けてください(願うだけでは叶いません)。

 

待たせておいたタクシーに乗って下山します。

帰りも誰ともすれ違わない不思議な道でした。

 

再び仙台駅に戻り、大好きだけどなかなか食べる機会のない『ずんだ餅』を。

一口頬張り『幸せ~』

若い子たちはずんだシェイクを頼んでいたけれど、お餅が王道でしょ~

 

今回も、迷医の院長がすがる?お守りをいただいてきました。

もちろん、院長も自己研鑽します。

 

■目の神様シリーズはこちらからご覧ください

やりなおしたい?

初めての御朱印

身代わりどじょう

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鎌倉好き

医者も祈願する!?

カテゴリー:公センセの日常の出来事 眼に関すること

2023.6.20 何しに台湾?  その1

近視関連の学会や話題が多くなってきた近年。

オルソケラトロジーも含め近視関連の論文を読んでいると、意外に中国・台湾・シンガポールといった東アジア発が多いことに気が付きます。

論文は英語なのですが、何篇も中国・台湾・シンガポール…と出てくると、近い外国だしいつか行ってみたい…

そんなきっかけから約1年前独学で中国語を開始。

腕試しも兼ねて一番行きやすそうな台湾行きを決行!

与那国島から見えたくらいだからね~

 

中部国際空港から台湾桃園国際空港へ。

人々の顔は似ていますが、中国語が飛び交います。

来ちゃったけど、大丈夫?

 

今回のミッション

1.台湾の小学校での近視進行予防の取り組みを聞いてみる

2.台湾でのオルソケラトロジーの話を聞く

3.台湾でコンタクト処方をしてもらう

 

故宮博物館を観覧していると、小学生の集団がやってきました。

小学3~4年生くらいです。

20代男性の先生が、注意を述べた後、自由観覧となりました。

チャンス!

すすすーと近づき

『初めまして。私は日本から来た眼科医です。2時間以上の屋外活動で近視を抑制したという台湾の論文を読みましたが、現場ではどうでしょうか?』

初対面なのに、かなり図図しい日本人オバサン(院長)。

若い先生は、警戒することなく(いい人だった~)対応してくれました。

ちなみに、最初の2文(中国語)は練習してきたからスムーズ。以後、文にならず…途切れ途切れ…だんだん英語に…

先生も、最初は中国語でゆっくり話してくれましたが、院長に合わせて英語で。

しかし、双方とも医学用語や教育用語など微妙なニュアンスが伝わらず、後半は日本語・中国語翻訳アプリの登場となりました。

アプリ恐るべし。

子どもたちが珍し気にどんどん集まってきました。

『何してるの?』『この人だれ?』って感じで。

どの国の子供も同じ。

 

まとめると…

小学生の近視の増加は、学校も気づいているし、気にしている。

厳密に何時間屋外活動とカリキュラムに取り入れられてはいないが、担任ごとに努力はしている。

例えば、昼休み90分の間はPCやテレビを見ないように指導。

月に一度は野外活動を計画。

先生は、『名古屋』や『三重』の地名や日本語も少し知っていて、大学で学んだとのこと。

 

別日に出かけた台湾民主記念館でも、同様の答えが。

この時は、小学1年生だったせいか、屋外でもさらに賑やか。

また、あちこち行かないように複数の先生が号令を。

天気の良い日だったので、バイオレット光も良く浴びました。

 

屋外活動が良いということはわかっているが、厳密に管理されているのではない。

(論文は、方法をきちんと設定したうえでのデータ)

しかし、教育の現場は何処も学童近視が少しでも進行しないように、努力している。

 

博物館からの帰り、タクシーに乗ってホテルを告げると、運転手さん『?』

地図は日本語と英語表記。

大きなホテルです。

しかし、ホテルも中国名で言わないとわからない運転手さんでした。

メーターは上がる、ちっともホテルに着かない…

どうしよう…焦っていると、交番の前で停車。

『場所を聞いてくる』(速い中国語で聞き取れず)と言ったよう。

戻ってくると、中国でホテル名を言いグ~の合図を。

ホテルはすぐそこでした。

メーターより安くしてくれて、謝ってくれました(ここは聞き取れた)。

『謝謝』

 

ミッション1終了。

続きます。

 

近視関連についてはこちらもご覧ください

2023.4.11 2023日本眼科学会総会

2020.5.26 ステイホームで見すぎちゃう

2018.3.6 子供の近視

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