2018.3.6 子供の近視
小児眼科学会が名古屋で開催されました。
向上心旺盛な当院の視能訓練士は、2日間にわたり、熱心に聴講してくれました。
この学会は、子供の目の病気に特化した内容で講演されます。
専門施設で行われている特殊・高度な医療から、開業医レベルの身近なことまで多岐に渡ります。
今回の教育講演のひとつ、『学童の近視をどうするか』
近視が進行すると、黄斑変性や緑内障などの病気を発症するリスクが高まります。
それらのリスクを下げるためには、学童期に、出来るだけ近視進行を抑制することが重要です。
屋外活動の増加は、近視抑制効果があることが分かりました。
1日1時間屋外で過ごすと、対象の13%に近視進行抑制効果がありました。
また、近視発症時期を遅らせるのに有効とも言われています。
院長が子供の頃は、毎日外で遊んでいましたから、現在、強度近視ではありますが、そのおかげでいくらかは軽減されているのかもしれません。
(近視は、遺伝が大きく関与します)
他に、累進多焦点コンタクトレンズ(コンタクトレンズに段階的に度が色々入っている)や、オルソケラトロジー(ハードコンタクトレンズを着けたまま寝て、日中の近視度を緩和する)も、近視抑制効果は報告されていますが、日本ではまだ近視抑制法として認可はされていません。
さらに、薄い濃度の調節麻痺点眼薬も有効という報告があり、治験中だそうです。
よく、保護者の方が、『私も近視だけど、こんなに早くメガネかけなかった』と我が子と比べられます。
屋外活動の減少、屋内遊びの多様性の増加(TVゲーム、スマホ、タブレットなど)が、近視化を早めているには違いないようです。
『スマホ内斜視』という言葉も出ました。
1日4時間以上4か月以上スマホを使用すると、内斜視(目が内側に向く)になりやすくなるそうです。
特に目とスマホの距離が20センチ以下では、大きく負荷がかかるので要注意です。
『スマホ育児』がなかった院長の子育ての時代は、まだ良かったのかもしれません。
『子供の近視』は、小さい子を持つ親なら関心が高いことと思います。
ネット情報に惑わされず、目の前の主治医にご相談ください。