2021.5.18 ワクチン2回目

1回目の新型コロナワクチン接種から3週間。

2回目の接種をスタッフ全員受けてきました。

何でも初めてのことには緊張しますが、2回目は楽な気持ちで臨みます。

当日診療時間の遅延のお知らせも早々に掲示していたので、患者さんとも話が盛り上がります。

少し前に、高齢者の集団接種の受付が始まったところ。

 

『3日間かけ続けたけれど、つながらなかった』

 

『連絡がつかないので区役所に出向いたけれど、予約は出来なかった』

 

『子どもに言ったら、PCであれよと言う間に予約を取ってくれた』

 

『23回目でやっと電話がつながったけれど、最寄りの小学校は空きがなくて、区外の接種会場となった』

 

巷(当院患者さん)の声は色々。

 

”固定電話いのちの我は押しつづけて 四日目つながるワクチン接種日”

まさに、某新聞の投稿短歌の如くです。

 

さて、2回目接種。

『20%は発熱、40%は頭痛が起こりますからね』と、説明を受けます。

以前、医師会の動画で、職場では分散して接種が望ましいと聞いたのですが、小さなクリニックだからか?全員同時接種。

明日大丈夫?

 

翌日、スタッフの一人が微熱。

微熱以外の他の症状は何もないので、副反応と判断し、欠勤に。

当院院長およびスタッフ調査結果。

当日の痛み(①~⑤ ⑤がMAX)

①57%

②43%

③④⑤該当なし

局所の痛み以外異常なし。

翌日の痛み

①42%

②24%

③24%

④⑤該当なし

微熱以外に、頭痛2名、倦怠感2名ありましたが、業務に支障はありませんでした。

しかし、帰宅後、倦怠感2名は発熱。

幸いにも一過性で、一晩で解熱し体調も回復しました。

院長はいずれも①で、翌日接種部位に10円玉大の薄い発赤を生じるのみでした。

 

 

緑区でも先週から集団接種が始まりました。

家人も先発隊として出務しましたが、とてもスムーズに遂行されたとのこと。

 

先日ZOOMで指定都市学校保健協議会学校医研修会がありました。

学校医として、生徒が健やかに学校生活を送れるよう、眼科・耳鼻科・小児科部門にわたり研修を受けました。

 

記念講演では、国立感染研究所の先生から新型コロナ感染の話。

 

”2020.2時点では10代未満が1.7%10代が0.6%と低比率だったが、その後若年層の比率も増えている”

 

”家庭内感染は、小学生では78%、中学生では64%、高校生では34%(2020.6~20201.4)

学校内感染は、小学校5%、中学校7%、高校24%

小学生は家庭内感染の割合が大きいが、中高校生では、生活圏や行動範囲の広がりが要因のひとつ。

学校内感染は小学校、中学校では極めて低い。

学校での感染対策はもちろんだが、それ以外の行動での対策も個別に必要”

 

”クラスター発生率は、2020.6~2021.3までで、小学校0.27%中学校0.48%高校4.25%と限定的。

自主的な活動増加(部活も含め)が要因のひとつ”

 

”乳幼児や学童は、青年期(10代)より感受性(感染の受けやすさ)は低い。

感染性(感染させる力)についてはまだ検討を要する”

 

引き続き、学校医として生徒の健康をバックアップしていきます!

 

学校検診が始まりました。

コロナ禍以前なら、運動会の練習で、児童たちの声が運動場に響き渡っている時期。

昨年に続き、今年も静かに廊下を歩いてくる児童たちを、静かな保健室で静かに検診をする院長です。

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2021.5.11 アイフレイル自己チェック

4月の大きな眼科学会は、ハイブリッド(現地と後日WEB配信)で行われました。

大阪なら日帰りも十分可能なので、久々に現地で聴講しようという予定でした。

通常は、新幹線を使うのですが、今回は1日だけでも話題?の近鉄特急『ひのとり』に乗りたい!

デビュー当時は、大人気で予約も取れない状況だっただけに、早めにネット予約。

時間は新幹線の倍以上かかるので、会場到着時間から逆算して乗車時刻を。

しかし、大阪を中心に新型コロナ患者の急増。

学会臨場感と『ひのとり』より、ステイホームでGW間のWEB配信を選びました。

 

と言うわけで、GWは、PC前で視聴、視聴。

予定もないGWとはいえ、気になる演目を多岐にわたり集中して聞くと、けっこう頭は疲れます。

 

今回も、人生100年時代を見据えた、眼科戦略は、それぞれの病気の分野で、研究発表されていました。

 

『アイフレイル』は、眼の不快感を単に年のせいにせず、視機能の重要性を認識し、問題の早期発見を促すことを目的とした概念です。

早期発見することで、適切な介入(治療)を可能とし、ある程度機能回復させる・進行を遅らせる・緩和させることが期待できます。

元に戻る(正常)ことは難しいけれども、悪化抑制は出来ます。

眼科医にとっては、眼科に受診してもらわないと、診断治療ができません。

 

そこで…『アイフレイル』自己チェック!です。

1.目が疲れやすくなった

2.夕方になると見えにくくなることがある

3.新聞や本を長時間見ることができなくなった

4.食事の時にテーブルを汚すことがある

5.眼鏡をかけていてもよく見えないと感じることが多くなった

6.まぶしく感じやすい

7.まばたきしないとはっきり見えないことがある

8.まっすぐの線が波打って見える

9.段差や階段で危ないと感じたことがある

10.信号や道路標識を見落としたことがある

 

眼科医であれば、上記のそれぞれに予想される病名は浮かびます。

最終的に、単純に加齢によるものの場合もありますが、それは他の病気を除外しての場合です。

どんな健康な目でも、加齢に伴う機能低下は起こります。

日常生活が制限されないよう、早期発見早期治療のお手伝いをするのが眼科医です。

眼からの情報は大きく、見えていた人が見えなくなると、自立機能の低下も引き起こします。

 

緑内障の患者さんには、定期的に視野検査もするので、受診年数が多いほど、回数が多いほど、視野進行速度が正確に出ます。

『この進行具合なら、100歳まで日常生活問題ないですよ』とお話しすると、

『そんなに生きないからいいわ~』と言いつつも、嬉しそうな顔をされる70~80代の患者さんです。

最近緑内障が見つかった90代の患者さんは、まだごく初期。

『この程度で、治療をしっかり続ければ、120歳でも大丈夫ですよ!』

『わし、そんなにまで生きるかな?』と患者さん。

『大丈夫です!120歳まで診せてくださいね』

 

慢性の病気は、元には戻りませんが、悪化しないように現状維持をすることが目標です。

治らないから治療しても仕方がない…では、ないのです。

ご心配なことはご相談を。

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2021.4.27 ワクチン1回目

1回目の新型コロナウイルスワクチン接種が終わりました。

 

院長は、来月からの区民の予防接種に参加することになっています。

緑区(名古屋市)では、緑区医師会員が輪番制で、決められた日に決められた場所(小学校や区役所など)に行き、区民に接種します。

院長の当番日も、6月までに2回は決まっているので、それまでには自分も接種してもらいたいな~と思っていたのですが…

 

その連絡は突然に。

予定接種日の2日前。

医療従事者は優先接種が受けられるので、当院スタッフ全員が対象です。

指定された時間は、午後診療の時間。

変更した場合は、次回は未定だそう。

そう聞くと、その日時に行くしかありません。

水曜日の午後に、金曜日午後診療開始時間遅延の掲示をしました。

予約検査の患者さんには、電話をかけまくり。

(連絡を取りやすいのは携帯電話、と改めて実感)

 

当日、今から起こることに興味津々の院長です。

既に、接種を終えた同業者に聞くと『翌日、腕が上がらないくらい痛かった』とか『筋肉痛みたい』とか。

しっかり者のスタッフから『問診表と身分証明書(免許証)忘れないように』とアナウンスがあります。

腕の上のほうに打つので、簡単にめくりあげられて腕が上まで出せる衣服がお勧めです。

院長は、ノースリーブで行きました。

 

会場で体温を測定し、問診票を渡し、問題なければ、順番を待ちます。

以前、ビデオで見た会場は、広い体育館でしたが、今回は大きくない建物なので動線はそれほど長くありません。

接種する部屋に入ると、同意のサインをして、ワクチン接種を受けます。

『ちくっとしますよ』

ちょっと緊張。

あれ?インフルエンザワクチン(皮下注射)より気にならないわ(個人の感想です)

『明日、痛くなりますからね。お風呂は入っていいですよ』

その後、別室で異常が起こらないか、15分以上待機です。

スタッフ全員、異常なく、予定時間より早くクリニックに戻れました。

 

接種した晩、既に1回目が終わっている家人からは『明日、すごく腕痛くなるよ~』

何でも先に経験したほうが、物知り顔になります。

明日、どうなる?

翌日、スタッフの反応は様々。

当院スタッフ(年齢20~50代)を対象にした調査結果?によると

痛み(1から5で5がmax)

1:43%  接種部位を触ると痛い(接種場所から半径2センチくらい)

2:43%  何もしていなくても痛い 動かすとさらに痛い 寝返りで当たると痛い

3:14%  何もしていなくてもズキズキする

4.5該当者なし

全員滞りなく仕事は出来ましたが、当院のような小さなクリニックでも反応は様々です。

 

ちなみに院長は、1です。

触れば、当然軽い痛みはありますが、トレーナーに追い込まれた後の筋肉痛とは比べ物になりません。

ほぼ年中、どこかが筋トレで筋肉痛になっているので、痛みの閾値は高くなっているようです。

当日は筋トレをお休みしましたが、翌日はまたいつものルーティンを。

 

あくまでも個人の感想ですが、患者さんに近い人間(当院スタッフ)の体験談として、参考にどうぞ。

 

最近は、患者さんから、ワクチン接種に関して問い合わせを受けることが多くなってきました。

ご心配な方は、ご相談ください。

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2021.4.20 子供とブルーライトカット眼鏡

先日、眼科医が所属している日本眼科学会・日本眼科医会を始めとする日本近視学会・日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会・日本視能訓練士協会の連名で『小児のブルーライトカット眼鏡装用について』の見解が発表されました。

複数の学会が一堂に会して声明を出すのは、大変珍しいことです。

つまり、とても重大だということです。

 

1.デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光より少なく、網膜に障害を生じることはないレベルであり、いたずらにブルーライトを恐れる必要はないと報告されている。

2.小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与えるもの。

なかでも十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視リスクは高まる。

ブルーライトカット眼鏡装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できない。

3.最新の米国一流科学誌に掲載されたランダム化比較試験では、ブルーライトカット眼鏡には眼精疲労を軽減する効果が全くないと報告されている。

4.体内時計を考慮した場合、就寝前はともかく、日中にブルーライトカット眼鏡を敢えて装用する有用性は根拠に欠ける。

産業衛生分野では、日中の仕事は窓際の明るい環境下で行うことが進められている。

 

以上より、小児にブルーライトカット眼鏡を推奨する根拠はなく、むしろブルーライトカット眼鏡装用は発育に悪影響を与えかねない。

 

というものです。

それぞれには、検証結果が示された論文(日本語・英語とも)が存在します。

 

ブルーライトが話題になったころ、院長もブルーライト研究会に参加していました。

当時から、ブルーライトは生体の体内リズム(覚醒・睡眠サイクル)に影響することがわかっていました。

睡眠障害を予防するために、就寝時2~3時間前からデジタル機器の使用を控えるのも推奨されていました。

 

その後、巷では、ブルーライトが目に悪いとか、ブルーライトカット眼鏡を装用したほうがいい…と、根拠のないことが常識化しつつありました。

眼科医(および視能訓練士)以外の世界で。

小学生低学年のお子さんが、メガネ店でブルーライトカット眼鏡を勧められ購入される場合も多々あります。

ブルーライトカットレンズを通すと、やや暗く感じる(個人差あり)ので、違和感を感じる人もいます。

院長は、今まで患者さんからブルーライトカット眼鏡の是非を聞かれると、推進派でない旨・自分も普段装用していない旨を伝えていました。

仕事中は、電子カルテを使用しますが、『20分20秒20フィート』の法則(20分画面を見たら20秒間20フィート以上離れたところを見る)をすれば、眼精疲労を予防できます。

 

科学・医学は進歩するゆえ、変化します。

その時は、正しかったことも、新しい事実が見つかり、正しくなくなることも多々あります。

それを受け入れていくのが、科学・医学です。

私たち臨床医(患者さんを直接診る医師)も、最新の根拠に基づいた事実を知り、正しく患者さんに伝えるために、勉強を続けています。

 

知人から聞いた治療法や巷の大衆向けの治療(非医師や専門外の医師)が確立されているなら、既に、私たち専門医は当然その治療法を行っていますし、保険適応にもなっているはずです。

エセ医学に騙されないためにも、大事なことは発信していこうと思います。

 

休診日、ひとりで農業センターへ。

生まれて間もない仔牛を見、特製アイスを食べ…

それだけで、明日からの気力を充電できます。

ちょっと、太陽光を浴びてみませんか?

 

こちらもご覧ください

ブルーライト in トーキョー

ステイホームで見すぎちゃう

カテゴリー:眼に関すること

2021.4.13 知らんがな

次男が長男に帽子(キャップ)を買ってきました。

親からより弟からもらうほうが断然喜ぶ長男。

次男は、キャップ好きで、いくつか持っているようです。

スポーツ以外の日常用のキャップは、若い人にはオシャレなアイテム?

なぜか、別ブランドのキャップを母(院長)にもくれたことがあります。

ゴルフ用ではなさそう…

ジムでキャップを被って筋トレしている若い子たちを真似してみました。

若い世代に人気のブランドと言うこともあって、若いスタッフたちからは『かっこいいですね!』(お世辞でも嬉しい)

しかし、室内での帽子着用にはいまだ抵抗感ありのオバサン(院長)に継続は無理でした。

 

喜んで弟からもらったキャップなのに、何日も下駄箱の上に置いたままです。

ある日の可燃ごみ収集の朝。

ごみ袋に家中のごみを集めます。

どんなに小さくても、ひとつでも多くのごみを入れたいのが主婦の心情。

長男の新品キャップのシール(牛乳パックに付いているアルミの宣伝シールみたいな)が目に留まりました。

『ものぐさな〇(長男)は、こんなシールを取るのも面倒で被らないのか!?』と思い、ごみ集めの一環としてシールを剥がしてごみ袋へ。

 

数日後。

『帽子のシール剥がしたの、母さんやろ?』

『そうよ、剥がすのも面倒で被らないかと思って』

『違うって!あのブランドは、シールつけたまま被るのがオシャレなんだぞ!』

『え~!!!知らなかった。ごめん。シール剥がしたら被れないの?』

『シールなしだと価値が半減する!せっかく〇(弟)が買ってくれたのに!勝手に人のもの触るな!』

そんな大事なシールだったの~

タグと同等だと思って剥がしたのに…

 

次男に話すと、そのブランドは設立は古いものの、若い世代に最近人気で、ブランドのシールを貼ったまま被るのがオシャレらしい。

知らんがな。

長男の怒りは収まらないけれど、次男は、母の行為に『まあ、仕方がない。今度から子供のものは触らないように』と忠告。

『剥がして被っている人もいるし…まあ、放っておけばいいんじゃない』

 

長男がそのキャップを被ったところは見たことはありませんが、車に置いてあるので、気に入っているよう。

 

一連のエピソードをポロリと話すと、『ごみの日の話、あるあるですよ~』と慰めてくれる主婦層スタッフです。

 

それでも気になっていたので、そのブランドのお店へ行ってきました。

長男と同じキャップも売っていました。

若い男性スタッフにシール有無での着用を聞くと、やはりシールを付けたまま被るのがブランドの証明みたいなキャップだそうです。

なるほど~

でも、知らんがな。

自分のキャップを買ってシールだけ長男に渡そうか…

適当に選べばいいと思っていましたが、いざ、自分が被るとなると、悩みます。

これだ!と思えるものがなかなか見つからないのです。

鏡に映るキャップを被るオバサン(院長)はどれもイマイチ…

さんざん悩んで、イニシャルのにすることに。

レジに持っていき、シールを息子にあげる旨を言うと…

『このキャップのシールは、息子さんの帽子のとは違いますよ』

そうなの?

『じゃあ、同じシールのついているキャップの中で、20代の子が好きそうなのを選んでください』

『あっちのシールのキャップは、デザインにこだわる人が多いので、お母さんが勝手に選んで渡したら、また怒られますよ。今度、息子さんと一緒に来られて、気に入ったのを買ってあげたほうがいいですよ~』

力が抜けてしまいました。

長男への和解の方法を水面下で探っている母。

息子は母の心『知らんがな』でしょうけど。

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2021.4.6  頭を打ったら?

久しぶりに、映画を見てきました。

『ミナリ』

2021年アカデミー賞6部門にノミネートされた映画です。

1980年代、移民韓国人一家が、職と住居を転々としながら、定住地を求めてアメリカ南部にやってきます。

広大な土地で農業をして成功したいという夢に対し、現実は大変厳しく、様々な困難が襲いかかります。

絶望するも這い上がり…を繰り返し、一生懸命生きる移民一家。

派手さはないものの、余韻が残る映画でした。

 

その後、もう少し韓国人主役で見たいと思い検索。

最初にヒットしたのは『冬のソナタ』

2002年に韓国で、2003年に日本で放映されたテレビドラマです。

主人公のペ・ヨンジュン(ヨン様)に日本女性も熱中し、韓流ブームの走りと言われています。

が、ヨン様の顔は知っていても、当時は全く興味がなく、ドラマも見たことがありませんでした。

試しに…と、ネット配信で視聴してみると…

ハマりました。

ヨン様に。

ヨン様の笑顔に。

ストーリーは恋愛もので、あり得ない設定の連続です(院長、やや冷めた目で見ています)。

しかし、集中して全20話を見ようとするので、常にヨン様が脳裏に浮かび、ことあるごとにドラマの切ないバックミュージックが流れる日々。

 

セリフが割とゆっくりなのと、会話に同じ単語が出てくるので、字幕と合わせて、なるほど~

名前の後に付けるナとかヤとかは、親しい間柄で呼ぶ。

アラッソ=わかった

キオク=記憶(日本と同じ音) などなど。

小学生の時に、英語の単語(机とか鉛筆とか)を少しだけ覚えたときの嬉しさに似ています。

 

さて、クライマックス。

ジュンサン(ヨン様)は、ある日、室内で倒れて病院に運ばれます。

検査の結果、医師から、慢性硬膜下血腫で、血液が眼球を圧迫している危険な状態だと告げられます。

以前の事故で頭を打ったことが原因で。

このあたりから、ストーリーから外れて眼科医として突っ込みたくなった院長です。

 

『時々目がかすむのも…?』ジュンサン

『おそらく、眼球を圧迫しているのでしょう』医師

『手術すれば治るのですか?』ジュンサン

『手術したとしても、失明などの後遺症が出るでしょう』医師

そして、予断を許さない状態にも関わらず、アメリカへ渡航し手術を受けます。

数年後、帰国したジュンサンは、失明していました。

 

『慢性硬膜下血腫』は、高齢者に多く、覚えていないような軽度の打撲を数か月前に起こし、脳の外側に血がたまる病気です。

頭が痛いとか、ぼんやりする、手足がしびれる、物忘れをするなどの症状がゆっくりと現れ、進行します。

手術は血種(血のたまり)を除去すればよく、術後成績も良好です。

失明って…あり得ない!

 

一方、脳腫瘍では、原発性・転移性とも視神経を圧迫し、残念ながら失明に至ることもあります。

また、眼単独の腫瘍もあります。

視力という機能を残すことは大前提ですが、生命に関わる場合、眼球・視神経などの部分的なものより、生命を優先させることもあります。

病院勤務時代は、両眼とも眼腫瘍で摘出した患者さんや、乳がんの脳転移で失明した患者さんなどなど、悲しい思い出もたくさんあります。

 

最後のシーンで、失明したジュンサンを演じるヨン様。

家の中は、壁をたどり歩数を数えて進む…歩き方をしています。

外出時は白杖なしでいいの?

視覚障害者用補装具適合判定医師である院長としては、気になる点色々…

 

約20年遅れての冬ソナ。

若かりしヨン様をたっぷり堪能しました。

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2021.3.30 桜サクラさくら

新卒採用予定のスタッフから『国試(国家試験)合格しました!』と嬉しい報告。

現代は、ネットで瞬時に確認できます。

電報なら『サクラサク』だわ~と変換してしまう昭和の院長です。

『おめでとう!』

資格を得たここからがスタートです。

 

近年は、医療系国家試験の日程・合格発表ともに年度内に終わりますが、院長の時代は4月の初めに試験、5月に発表でした。

学校総出でバスにて母校を出発。

市内のホテルに宿泊し、某大学が試験会場でした。

2日間やり切って外へ出ると、雨の中、満開の桜。

桜、咲いてたんだ…

そして1か月後、無事『サクラサク』

医師免許証を手にしました。

これはほんのスタート地点で、起伏に富んだその後の30年が待っているとも知らず…

 

院長は、医師免許を取得して丸30年になりました。

 

30年働き続ける…医師免許を取ったばかりの新米医師には想像がつかないくらい先の事でした。

大学病院で30年働いている身近?な人は教授レベル。

同じ医局員と言えども、雲の上の人でした。

 

院長が医学生・新米医師だった頃や、それ以前の女性医師の働き方は、ALL OR NONE。

フルに働くか、まったく働かないか。

多様性(ダイバーシティ)の言葉がない頃です。

決断を迫られたのは、結婚出産に伴い、医局の関連病院がない地域に転居したとき。

ALLとNONEの中間の働き方がなかった(見つからなかった)時、決断したのはALL。

それが開業に繋がります。

 

3人の息子の産休(三男の時は開業後だったので産前0日産後7日のみ)・他諸々を合わせても、1年には到底満たないので、同世代の男性とほぼ同様に30年間、医師として働き続けたことになります。

自身の能力は秀でていませんが、患者さん個々に応じた対話と、細隙灯顕微鏡や倒像鏡(いずれも眼を診察する機器)を駆使した診療を30年間続けてきたことは、今では根拠のある自信となりました。

日々の勉強、知識の習得に加え、技術は実践・鍛錬しないと上達しません。

また、仕事を続けるにあたっては、興味と関心はとても重要だと思います。

クリニック裏の扇川沿いの細い若木で植えられた桜も、今では立派な桜並木になっています。

 

新卒の2人のヒヨコ視能訓練士に贈る言葉でもあります。

 

小さなクリニックながら、新年度から視能訓練士は5名と言う贅沢な人員配置です。

診療に当たり、迅速で正確な検査を担ってくれます。

良きスタッフたちと、最新の機器に囲まれて、院長もまだまだ頑張ります。

ここからの30年後も想像はつかないですが、どんな風であれ働けていたら最高です。

 

3月後半になり、進学や就職などでコンタクトレンズデビューの患者さんも増えてきました。

ほとんどが、幼児や小学生の頃からの来院歴のある患者さんです。

『おめでとう!』

『大きくなられましたね~』お母さんと小さい頃を懐かしむことも。

患者さんの背景やエピソードも院長の脳内に記録されています。

みんなの診療が眼科医としての経験を積ませてくれたんだよ…と思う院長です。

 

さて、4月から、ユニフォームを一新。

クリニックのイメージカラーに合わせて、華やかなチェリーピンクです(今までは桜色)。

イギリスのデザイナーズブランドで、院長の白衣も同ブランドです。

ちょっとオシャレに、スタッフのユニフォームとリンクコーデ。

来院されたら、ぜひファッションチェックも楽しんでください。

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2021.3.23 忘れ物ない?

ローカル線の車窓から菜の花を眺め、春のお出かけ…ではなく、産業医の仕事先に向かいます。

 

何回か訪問するうちに、新米産業医(院長)と安全衛生委員長(店長さん)との距離も近づいてきたような…

 

まずは、直近の安全衛生委員会での議事について確認します。

安全衛生委員会は、政令で定める規模の事業場ごとに設置が義務付けられていて、業種に関わらず常時50名以上の労働者を使用する事業場が該当します。

委員長をトップに、会社側から安全管理者・衛生管理者・メンタルヘルス推進担当者・産業医が選任されています。

労働者側からの参加もあります。

月別の課題や労働災害の発生状況の確認、ヒヤリハット、改善・注意点、コロナウイルス感染対策関連やメンタルヘルス不調者の確認など多岐にわたります。

初めて知る業界用語も多く、新鮮です。

 

また、店長始め、スタッフからの質問も受け付けます。

今回は、新型コロナウイルスワクチンの接種についていくつか質問を受けました。

また、事務所の保健室的な利用については、小さなささくれ程度は別として、内服薬(店内併設の薬局の市販薬)などを渡す際は、体調不良の状況などを記録するよう助言しました。

 

毎回の職場巡視は、少しづつ慣れてきましたが、産業医が気付く前に、同行の店長さんが気付き指摘することが多いです。

さすが、毎日現場に立つ現場の責任者です。

 

全社挙げて、大掛かりな2S(整理整頓)がなされ、ビフォーアフターの写真も見せてもらいました。

棚の最上段には、危険を知らせる黄色と黒のテープが貼ってあり、落下防止のために物を載せないような注意喚起のサインも視覚化されていました。

惣菜揚げ物部門では、使い捨てのアームカバーを付けて作業。

紙マットも毎日替えることで、転倒防止になっています。

店全体として、改善事項に取り組み、実行されているのを見ると、産業医として、嬉しくなります。

 

このスーパーのベーカリーコーナーは、形成生地が届き、店内で焼成だけします。

昔、パン教室で習っていたのとは大違いの業務用オーブンです。

この部門も、大きなオーブンから、奥のパンを取り出すときなど、火傷に注意です。

天板も大きく、パンの数も多いので、重さのバランスも難しい。

腕まくりをしたほうが作業はしやすいようですが、火傷の心配が…

これも改善を考えます。

 

店内の改装・修理はもちろん、バックヤードについても、店舗の売り上げ規模により、本社から予算が配分されるそう。

近くには競合店もあり、売り上げ増も大変です。

 

帰り際、事務所に厳重に管理された『落とし物』コーナーが目に付きました。

中身を見せてもらうと、トイレットペーパー、キッチンペーパー、洗剤、ポテトチップス、カレー粉、ジュース、マヨネーズなどなど。

全て、店内のレジ台で忘れられていたもの。

こんな大きなもの、忘れる?

帰宅して忘れ物に気づいたら、お店に問い合わせないの?

もしかして、買ったことも忘れていたりして?と、びっくり。

けっこうな量になるそうで、すべてを、毎回、警察に届けます。

現金やカードなどは、警察保管ですが、かさばるものは、店内に持ち帰って保管。

保管期限が過ぎると、また店長が警察に出向いて…

 

買い物をしたら、最後に、レジカゴに何も残っていないか確認しましょう。

家に帰って唖然とするのも、お店の手間も減らせます。

カテゴリー:健康 産業医

2021.3.16 デパ地下フルコース

最近は、めったに揃わない家族ゆえ、ゴルフは4バッグ1組で予約する我が家。

珍しく息子たち全員フリー。

母(院長)が、母の愛で譲ります。

 

ひとりの休日。

あちらがラウンドなら、こちらは少し贅沢なひとりランチもいいよね。

どこ行こうか?と思案しながら、今までやったことのないことをしたくなりました。

 

デパ地下大好きの院長ですが、主に(必ず)覗くのは、和洋菓子コーナー。

デパートの最後は、お土産に何か甘味を買って帰ります。

お惣菜やお弁当は、出張や学会など外の仕事日の夕食に買いますが、日々の食事は内容・レベルはどうであれ手作り派の院長です。

惣菜・弁当コーナーは、意外にも素通りしているお店の多いことに気づきました。

ふだん、何気なく通り過ぎていますが、惣菜・弁当コーナーだけで約40店舗あります。

 

『デパ地下でランチフルコース!』と題し、ひとりゲームを思いつきました。

マイルールを決めます。

前菜からメイン、デザートまでで10品とする。

一品あたり、最小単位で買う。

一つのお店で一品とする。

全品完食できる量とする。

 

我ながら、期待でわくわく。

開店早々、デパ地下へまっしぐらです。

 

デザートに2品は確保したいので、惣菜関係は8品。

まずは、サラダを選びます。

マグロとアボガドとか、ベトナム風サラダとか、普段なら選ばないようなものに目が行きます。

『〇〇100グラムください』

少量でも気持ちよく対応してくれるデパートの店員さんに嬉しくなります。

1日30品目の野菜入りとか、鉄分入りとかの身体に良さそうなキャッチワードにも反応する院長。

サラダ関係だけで3種類。

色々なお店を行ったり来たり。

やっと3品購入。

 

次は、メイン。

肉食系としては、ここで、ちょっと奮発したいところ。

ビーフシチューのポットパイ、ローストビーフなど洋のメイン。

でも、中華も美味しそう。

今回、トータルの量・カロリーとも多くなりそうなので、揚げ物はパス。

たんぱく質がある程度多そうなお惣菜を3品。

 

主食も、大いに迷います。

米で行くか、パンで行くか。

お寿司関係も捨てがたいし、点心もいいよね。

サンドイッチも捨てがたい。

残り2品、これまた行ったり来たり。

 

デパ地下の半フロアと言えども、こんなに熱心に見たことはありません。

今回は、買わなかったけれど、次回は!と候補にしたお惣菜も多々。

 

最後は、和洋菓子コーナーへ。

以前から気になっていたチョコレートケーキは必須。

最後の一品は、和菓子か口どけの良い冷菓か迷った挙句、冷菓を選択。

ゲーム終了!

 

10品、そこそこ重いお買い物バッグを手に帰路へ。

 

パックのお惣菜を、それぞれ器に盛り、テーブルに並べます。

なかなかのお料理が勢ぞろいです。

いつもは夕食時の1日1杯(マイルール)のグラスワインを今日はお昼に(その代わり夜はなしです)。

『お~こういう味だったんだ!』

『大正解だわ~』

『美味し~』

フルコースと言えども、すべて食卓に並んでいるので、こっちを食べたり、あっちを食べたり。

周りを気にしなくてよい、ひとりだけの贅沢ランチです。

最後は、コーヒーを淹れ、デザートで締めくくります。

 

ちょっとした好奇心から、ひとりの休日を大いに楽しんだ院長でした。

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2021.3.9 眼科もポリファーマシー

患者さんのお薬手帳を確認すると、薬の多いことにびっくりすることがあります。

お薬は、高齢になるほど、増える傾向にあります。

病気の種類が増えるからです。

それぞれの病気に対して、複数の種類の内服薬が処方されます。

都内の75歳以上の通院高齢者を対象に調査したところ、5種類以上の薬を処方された人は64%でした(東京都健康長寿医療センター研究所)。

眼科の患者さんでも、掌にいっぱいになるほどの量を毎回飲んでおられる方がいます。

『薬だけでお腹いっぱいになるわ~』

確かに…

 

多くの薬を併用することで、同じような薬が重複していたり、薬物間の相互作用で副作用がでたりと、身体に悪影響が出ることを『ポリファーマシー』と言います。

高齢になると、認知機能の衰えで、薬をきちんと内服できなかったり、薬の代謝分解機能の低下から、最近は多剤併用の見直しが注目されています。

医師・薬剤師・患者さんの相互理解があって、減薬が実現するのですが、減薬しても老人ホーム入居者の認知機能は維持できたとの報告もあります。

 

眼科でもっぱら処方するのは点眼薬です。

眼科でも、時に、驚くような多剤点眼薬が処方されていることがあります。

 

以前、往診を頼まれた施設入居の認知症の患者さん。

出されていた点眼薬は、抗生剤、炎症を抑えるステロイド剤、炎症を抑える非ステロイド剤、ドライアイの点眼薬2種、眼精疲労の点眼薬2種。

患者さんは、白内障の手術をした後、施設を転々とされていたようで、施設前医からの申し送りのごとく何年も同じ点眼薬を処方されていました。

当の患者さんは、自分がいつ白内障の手術を受けたかも記憶にないくらい。

スタッフは、7種類の点眼薬を、忙しい介護の合間にさしていました。

一日に何種類も何回もさすので、眼瞼は荒れ、めやにも出ていました。

同じ抗生剤を何年も使用していたので、耐性菌(抗生剤に効かない細菌)の有無を確認。

検出された細菌にターゲットを当てた別の抗生剤の点眼薬を処方し、他の点眼薬は全て中止。

すっかり治癒しました。

その後、点眼薬は使用しなくても特に問題は起きていません。

餅は餅屋、目は眼科に!

 

点眼薬をしっかり効果的にさせるのは3剤まで、と考えられています。

点眼薬と点眼薬の間は5分以上空けるのが望ましいので、2剤でも、うっかりしていると忘れてしまうことがあります。

また、種類が多くなることで、薬剤によるアレルギーを起こしたり、まぶたの荒れを起こしやすくなります。

 

緑内障の点眼薬も、進行の程度によっては、多剤併用になっていきます。

しかも、長期にわたり、点眼するので、合併症も出やすくなります。

現役世代も多いので、点眼と点眼の間をしっかり空けると、けっこうな仕事になってしまいます。

そこで、近年では、次々と合剤(2成分が1本に混入)が主流になってきました。

現在では、緑内障点眼薬の主要5成分が3本でカバーできます。

 

多剤併用は、他の病気にも当てはまります。

気になることを一度にカバーしようとすると、何種類もの点眼薬が必要になります。

優先順位をつけて、点眼薬の種類を決めるべきだと考えています。

眼科医の処方する点眼薬は、頓服みたいな何か起こった時だけの指示のものは原則ありません。

1日何回を継続してこそ効果の出るものばかりです。

 

最小の薬で最大の効果を!

最低の眼鏡(コンタクト)度で最高の視力を!

最高のコンディションで最高のパフォーマンスを!

当院のモットーです。

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