2025.1.14 象が落ちても…
個人宅に往診に行くと、年季の入ったガラス戸にたくさんの土産物・置物が飾ってあるのを見ます。
子どもの頃、友人宅や親戚宅でよく見た昭和の風景。
余程気に入ったお土産や飾り物以外は買わなくなった昨今。
ですが、一人旅復活してから自分用に小さな置物をいくつか買うように。
旅した体験と記憶が一番のお土産なのですが、目に見えるものとして小さなお土産も欲しくなるもの。
お土産を見てその時の旅を思い出す。
回想は幸せな時間。
とはいえ、やはり置物に統一感はなく…
置き場を探していたら…ありました。
院長電子カルテの横のモニターの回転台。
置いたもの。
網走刑務所のアポポ(服役者が作成)。
野沢の鳩ぐるま(籐で編んだ地元婦人作)。
宇和島闘牛の木の置物(闘牛は一見の価値あり)。
備前焼の亀(の箸置き)。
つるつるした石(息子が旅先で拾ってきた)。
4792と彫ってある小さな与那国馬(地元の陶工房)。
ちょんと腰かけている鳩サブレ人形(本店限定)。
バンダナを巻いているオバケのQ 太郎人形(3本の毛が今2本に)。
そして、カンボジアで買った象(これのみ大きい)。
診療の度に目に入るので院長の癒しになっていました。
モニターで説明した後、患者さんに尋ねられることも。
ある時ちょっとしたいたずら心で、象をPCの上面に手をかけているように置いてみました。
意外にもキュート。
ただ置いておくよりもいいね~とスタッフと話していました。
ある日の診療終了後、スタッフが『すみません~、先生、大変なことが!』
何々?
聞くと、PC周りを掃除しようとしたら象が落下、牙が取れてしまったとのこと。
見ると確かに象の牙が折れています。
そして牙の折れた所を見ると…何と空洞!
やはり…
カンボジアの市場で見つけた木彫り(と思っていた)の象。
一目見て欲しい!と思ったけれど、その時は現金しか持っていませんでした。
しかも持ち金は残りわずか。
何度か手に取り戻しを繰り返し、やはり象は高いなあと思っていると…
日本語で『お姉さんだから安くしておくよ、○○ドルにするよ』
う~ん、手持ちが…
『もう少し安くできる、それとてもいい物』
手持ちのお金を見せて断ろうとすると…
『わかった、○○ドルでいい。すごく安くなった』
『買います!』
Good Job!
模造紙に包まれた像を持ってホテルに向かって歩いている(約1.5キロ)と、トゥクトゥク(2輪タクシー)が近づいてきて乗らないかと誘います。
1乗車2ドルとのこと。
1ドルしかないことを伝えて断り歩き出します。
すると、1ドルでいいから乗っていけとのこと。
50%ディスカウントしてくれホテルまで付けてくれました。
帰国後、象を家族に見せると『木製じゃないよ。プラスチック製を買わされたんだよ』
そんなこと思っても見なかったけれど、お風呂に入れると沈んでいきました…
でもまだ木製を信じたい院長。
牙が折れたことで、いわく付きの象はやはりプラスチック製だったと判明!
やはり…
真偽がはっきりしてすっきり。
お値打ちに買ったと思ったのに、市場のオバサンのほうが上手。
トゥクトゥクのドライバーは、じっと待っていて0より1ドルにまけても乗車してもらった方が売り上げにつながると賢明な選択。
みんな生きるために頭を使っている…
カンボジアの市場と象とツクツクのエピソードは一番のお土産。
偶然ですが、象が落ちて良かったのかも。
代わりに、一位一刀彫の巳・宇和島の牛鬼が加わりました。
新年から賑やかなデスク周りです。
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