2024.11.12  小学校に上がる前に

今年度の就学時健診も全て終了。

院長と就学児童の年齢差はどんどん広がっていくばかり。

仕事では赤ちゃんや子供と多く接しますが、私生活では大きな子供たち(息子)ともなかなか接点がない院長。

長く通院されている同年代の患者さんからは孫の話題も出てきて、そういう年頃なのね~と気付かされます。

 

就学時健診では、視力(ABCDで判定)・眼位・目の病気の確認を。

再検査を促したり、アドバイスも。

 

視覚は成長とともに発達します。

出生直後は光覚弁(明暗が分かる)くらいでも、生後3か月で0.05、1歳で0.2~0.3、2歳で0.4、3歳で1.0に達すると言われています。

3歳児健診で1.0が理想。

ですが、個々の発達やその時の機嫌により、眼科要精査になる子も多々。

受診用紙を持って来院した子供さんには、成長・発達がゆっくりで上手く視力検査が出来ないのか、早急に眼鏡などの治療をすべきかを判断し、方針を決めます。

視力検査は練習も有効なので、家でやり方に慣れること・眼科に慣れることも大事です。

 

就学前の子は、大人のように視力検査表で測定するのは苦手。

多くの中からひとつを見分けるのが苦手なのです(読み分け困難)。

そのため、ランドルト環という切れ込みがある丸い輪っかをひとつずつ見せて測ります。

 

3歳児健診で、就学時健診で受診用紙をもらって来院した患者さん。

以来ずっとお付き合いの患者さんもいます。

当院開院27年なので、〇〇ちゃんと呼んでいた患者さんも、今では立派な成人。

○○さんと呼びますが、記憶の中に小さな○○ちゃんがいます。

 

検査をして、斜視・弱視があれば、治療用眼鏡や訓練を行います。

強度の遠視・近視・乱視も眼鏡の適応になります。

軽度の遠視で裸眼視力が出ている場合は、本人が見えにくそうな時があるかがポイント。

子供はピント合わせの力が強く、視力検査は良好なことが多いです。

しかし、ピント合わせの緊張もずっと続くわけではなく…集中できなかったり、見づらくなったりすることがあります。

その場合は、今が一番遠視が強い状態(年齢とともに減少)なので、しばらく(数年)眼鏡をかけることにします。

 

調節麻痺剤を使って近視と診断されれば、回復はしません。

現在、近視抑制効果があると言われているのは、オルソケラトロジーと低濃度アトロピンです。

進行抑制効果(近視が強くならない)は期待できますが、近視をなしにすることは出来ません。

また、それ以外にも近視をなしにする治療はありません。

教室の後ろの席で黒板の字が見にくくなるのは0.7(屈折度数も重要)。

それより下がれば眼鏡を考える時期です。

最近では、一部の例外を除き、原則的には完全矯正にします。

緩めに矯正すると、近視進行しやすくなります。

 

遠視や近視の検査・治療など、時代とともに変化しています。

医学分野では特に、過去に常識だったことが、数年で非常識になります。

その変化に対応した知識と技術と機器を獲得し患者さんに還元がモットーの院長です。

小学校に上がる前に、気になることは解決しましょう!

 

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