2024.2.27 me散歩
小さなクリニック(当院)は、患者さんの小さなことに耳を貸しお手伝いするのがウリです。
ロービジョン然り。
まず日常でどんなことが困っているか、どんなことが一番したいかによって、眼鏡を処方したり、遮光レンズを入れたり。
拡大鏡選びのアドバイス(LEDライト付きルーペが好評です。当院取り扱いあり)をするだけでも、ぐっと生活がしやすくなります。
読みたいところがはっきりわかるタイポスコープを作って差し上げたり、お役立ちアプリを教えたり。
大病院と違い、『プチ(小さな)ロービジョン』です。
回復を望めない病気では、小さなケアもQOLのお役に立てれば…の一心。
神様にはかないませんが…
さて先日、ある小説を読んでいたら、目の神様が出てきました。
散歩好きで健啖家で女性とのコミュニケーション大好きな90歳に近い高齢男性が主人公。
妻と3人の息子との日常・散歩での出来事を綴った小説です。
その中に『新井薬師』が登場しました。
新井薬師は目の神様としても有名です。
目の神様巡りを趣味とする院長は、その場面に食いつき。
新井薬師はお話の流れで出てくるのですが、目に留まったからには俄然行きたくなりました。
毎月第1日曜日は境内で骨董市をやっています。
この日に合わせていきたいものの、なかなか都合がつきません。
そもそも骨董品をしっかり見たことがない院長。
小説の中でも、主人公は骨董市店じまいの時間に出かけています。
小説では、古伊万里の角皿が12万円と出ており、素人には怖そうな値段(価値があっても)…
行けるときに行こう。
新井薬師は東京中野区にあります。
自分も小説のように散歩の一環としていきたいのですが、何せ東京。
新幹線と山手線と西武を乗り継いでいきます。
新井薬師の目の神様の由来とは…
寛永六年(1629年)徳川二代将軍秀忠公の第五女和子の方が、悪質な眼病にかかられた。
父君秀忠が大いに憂慮して、名医、名薬、祈祷八方手を尽くしたが効果がなく、万策つきた時、本尊の霊験を聞き、人を遣して当御本尊に祈願せしめた。
すると、難病も全く快癒したので、大いに悦び、多くの御礼を賜り物として寄贈された。
このことは、たちまち天下に広まり、江戸はもとより、全国各地から参詣者が訪れるようになった。
『新井薬師前』駅は普通列車しか停車しない小さな駅。
それでも、駅員さんに新井薬師への道順を聞きます。
知らない場所ではグーグルも起動しますが、人に尋ねる方が信頼性が高いと思うアナログ人間です。
『出たら左に曲がって、まっすぐ行くと5叉路に出るので、1時の方向に進んだら右にあります』
1時方向という指示が新鮮(眼科ではロービジョンケアで使いますが)。
駅前も小さな商店街で、シャッターが閉まっている店も多数。
言われたとおりに道を歩いて行くと、ありました。
こじんまりとした人影少ない境内ですが、骨董市の日は賑わうのでしょう。
お祓いを受けている人々も。
どんな・誰の眼病治癒願い?
いつもながら、患者さんの眼病治癒と、眼科医としての診療技術の向上を祈願。
他力本願・神頼みも少しならいいよね~(眼科医としての研鑽は当然)
今回も、お守りをいただいてきました。
意外と拝観はあっさりの院長ですが、目の神様にたどり着いた感慨はひとしお(いつも)。
これからは目の神様巡りを‘me(目)散歩‘としよう!
迷医ゆえの満足かもしれませんが、患者さんにご利益がありますように。