2022.5.24 3つのお約束
今年度の学校医の仕事が始まりました。
春の眼科検診・秋の就学時健診・学校保健委員会が3大活動です。
そのほか、学校医として随時求められれば相談や助言をしたり、全国学校医会に参加したり…などなど。
院長は、小中学校併せて4校(一時は5校)受け持っています。
学校医の良いことは、生徒たちの成長(若い息吹)を感じられることです。
20年以上同じ学校3校を受け持っていますので、小学1年生に上がる前(就学時健診)から中学3年生までに検診に携わる生徒たちもいます。
また、親子2代にわたり、検診をするという機会も出てきました。
嬉しいことであり、有り難いことです。
さて、眼科検診では、3つのお約束があります。
1.(養護教諭に)名前を呼ばれたら、『はい』と返事をする。
2.整列のテープに沿ってきちんと並ぶ。
3.眼鏡をはめている生徒は、外して検診を受ける。
この3つを、検診を始める前に、養護教諭・担任・学校医(院長)が連呼します。
生徒の数は以前より少なくなりましたが、700名くらいの規模(ピーク時は1000人超)の学校ばかりなので、スムーズに行うためにはお約束(ルール)が欠かせません。
たった3つのお約束のはずですが…
これがなかなか…です。
『はい』と普通に答える子。
『ハイ!』元気よく大きな声の子(とても気持ちいい返事です。すかさず、先生が褒めます)。
『はい』耳をそばだてないと聞こえない小さな声の子。
何も言わずに立っている子(○○さんだったら返事しようね、と先生)
呼ばれる前に返事をする子。
なかには、呼ばれた子を差し置いて、学校医の前に立つ子も。
『自分の名前を呼ばれて返事をするのは、その人かどうかの確認をするために大事なことです。違う人を診たら大変だからね』と、学校医、連呼です。
整列のラインもジグザグになりがちです。
検診をどうやってやっているのか興味津々で、順番を超えて見に来たり、記入している養護教諭の机にウエイブのように流れて行ったり…
我が家の長男も小学1年生の時、学校検診で母(院長)を見つけ、『うちの母さんだー!』と大興奮。
並んでいる最中に、飛び跳ねて、机に頭を打ち付け、騒然となった一件があります。
入学式の日も通常診療をし、式に出席しなかった母。
公務で初めて来校したのは、長男にとってはすごく嬉しかったのだと思います(母の胸キュンの思い出)。
低学年の生徒は、学校検診でさえイベントになってしまい、興奮してしまうのかもしれません。
眼鏡を外しておくのも然り。
連呼の声を聞いていないのか、他の人の動作を見ていないのか、眼鏡をはめたまま立つ生徒も多々。
これらはさすがに高学年になると少なくなります(ここでも成長を感じます)。
ただ、個人差は否めません。
円滑に物事を運ぶには、ルールを守ること。
もちろん、検診の場合、特性を考慮して、全員に3つのお約束をさせるわけではありませんが。
検診後には、受診のお勧め用紙が出されます。
受取った保護者は、速やかに、医療機関を受診してください。
大したことがなければラッキーだし、何か病気が見つかってもラッキー(早期発見早期治療)です。
学校医を拝命したばかりの頃、ベテラン小児科医に『お勧め用紙をもらって、親が受診させないのは、子供の健全な成長を阻む一種の虐待ともいえる』と聞きました。
学校医は生徒の成長を見守っています。
それが楽しみで学校医を務めています。
願わくば定年まで(学校医も定年あり)!の気合の院長です。