2020.4.14 『あいうえお』から
ここのところ、スマホ・PC・読書・テレビの時間が増えています。
リアルタイムのテレビ視聴は、3月までの朝の連続ドラマのみでしたが、最近はNHKニュースは欠かさず。
最近の重大会見では、同時手話通訳も行われています。
あちこちチャンネルを替えてみたり、番組欄をよく見るようになると、NHKのEテレも興味深い番組が多々。
『見つかる、見つかる、見つかるEテレ♪♪』というフレーズを口ずさんでしまう院長。
ある日、手話の番組を目にしました。
手話にマスクは困るよね…
ふと、思い出したのは、国立リハビリセンターでの『障がい者スポーツ医』講習会。
新型コロナの話題が出始めた頃。
聴覚障害スポーツ担当講師(耳鼻科医)から、聴覚障がい者はマスクがあるとコミュニケーションが取りづらい話を聞きました。
だから、平時の診察時はマスクはしない。
手話が、単に手の動きだけではなく、顔の表情も大きく関わってくるからです。
なるほど~
当院には、4人の先天性聴覚障害の患者さんが、今までに来院されています。
意味として聞き取りが出来る発語の方も、そうでない方もみえます。
言葉を知らない外国の人と意思疎通するような、大きな身振り手振り、表情を駆使しコミュニケーションを図ろうとする院長ですが、細かなことは筆談です。
短い時間で会話のすべてを文章で書くのは難しいので、単語か、短文になります。
『困っている』とか『嬉しい』『安心した』という表現は、患者さんの表情や身振りからも推定。
患者さんも、院長の身振りと顔の表情、口の動きで理解しようとしてくれます。
Aさんは、20年以上お付き合いのある患者さんです。
ほぼ1~2か月おきに来院されます。
身振り手振りと表情で大まかにコミュニケーションを取り、その後、筆談で診察の結果や薬の確認をします。
Aさんが院長の白衣から覗く服を褒めてくれたり、Aさんの新しいカバンに気づいたり…など診療以外のコミュニケーションもあるのですが、手話の使えない院長は、見た(見えた)感じで判断しています。
発語の際は、手話も伴うことが多いのですが、表情を読み取るのに精いっぱい。
そんな経緯もあって、早速テキストを購入。
『手話』は手の動きなどを使ってメッセージを伝えあう『視覚言語』です。
目を合わせて会話し、眉の上げ下げや目の見開き・細かい首振りも重要な役割をします。
手話にも単語と文法があり、それをまず覚えないといけません。
ふだん使っていない指の動きは、なかなか難しいものです。
まずは『あいうえお かきくけこ』まで。
繰り返し、指を曲げたり伸ばしたり。
家人に『あいうえお かきくけこ の中から何か単語言って!』
『こう』(手話の単語で表現する院長)
『いけ』(同上)
『かき』(同上)
『おかき』(ちょっと待って~と、テキストで確認する院長)などなど。
子供がひらがなを習い始めた時のようです。
今から覚えられるかしら?
『久しぶり』
『元気』
『さようなら』
『お願い』
『〇歳です』出来る挨拶は、まだこれだけ。
手話の道は始まったばかりですが、道のり険しそう…
まずは、手話でAさんに挨拶(だけ)してみます。
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