2016.8.30 いつまで使う?

「目が痒いので、前と同じだと思って、もらった目薬を使ったけど、かえってひどくなっちゃって…」と患者さん。
診察してみると、『アレルギー性結膜炎』
前回の診断も『アレルギー性結膜炎』で抗アレルギー点眼薬を処方しています。
しかし前回の来院の時期は、なんと4年前!
4年ぶりの来院。
その目薬は、もちろん一度開封したもの。
4年もの間、冷蔵庫に大事に保管されていた?
恐るべし…
患者さんには、一度開ければ、品質が不安定になり、かえってアレルギーをひどくさせた可能性もあると話し、新しい点眼薬を処方しました。

医師が処方する(医療用)点眼薬のほとんどは、開封後4週間以内で使い切るように設計されています。
その間、有効性、安全性に問題がないことが確認されて発売されています。
防腐剤は大方の点眼薬には添加されていますが、時代とともに、眼への影響の少ないものや、低濃度のものに変わってきています。

大まかな目安としては、1日1回両眼点眼で約4週間分、1日2回で約3週間分、1日3回で約2週間分となります。

点眼薬は一度開封すると、ラベルに書いてある使用期限ではなくなります。
開封後は、有効性、安全性の確認されている期間を超過したときは、破棄しましょう。

保存方法も大事で、
『室温保存』は、1~30℃
『冷所保存』は、1~15℃の場所です。
室温保存の点眼薬でも、直射日光(窓際、車中)を避け、涼しい場所で、投薬袋に入れて保存、
冷蔵庫に保存する場合も凍らないように。

また、湿布薬や防虫剤、芳香剤などと一緒に保存すると、それらの薬品の揮発性成分が、点眼薬の容器を浸透して、点眼時に刺激を感じる場合もあります。

点眼薬の容器の形態も、押す場所がわかりやすいもの、軽い力で押せるものや、液だれしにくいものなど、メーカーごとに色々工夫がなされています。

後発品が推奨されていますが、同じ点眼内容といっても、点眼容器から始まり、添加剤の微妙な配合は違います。
当院では、原則、先発薬も後発薬も院長が使用した経験のある点眼薬のみを処方しています。

処方してもらった点眼薬は、その時の病気に効いたら、いざという時のために取っておくのはやめましょう。
4年前に開けた調味料を、冷蔵庫にあったからと言って使う勇気のある人は、まずいないでしょう。

4年ぶりの患者さんのエピソードの後、冷蔵庫の断捨離をしたのは言うまでもありません!!

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