2016.5.31 そこ笑う?

学校検診シリーズも終了した午後、映画を見に行ってきました。

 

『海よりもまだ深く』

前日インターネットで予約した時には、話題作にも関わらず座席はガラガラ。

後列真ん中の一番いい席をゲット。

スタッフ曰く「サミットの最中だから名駅は警備強化で映画見る人も少ないんじゃないですかね~」

当日行ってみると、満席に近い盛況ぶり。

ざっと見渡したところ、自分が最年少のようです。

オバサマの二人連れからグループ、熟年夫婦といった具合。

 

文学賞を一回受賞したきりの売れない作家良多(阿部寛)が主人公。

愛想を尽かされ離婚した元妻と息子に未練たらたら。

しかし、ギャンブル好きで養育費も滞る。

月に一度の息子との再会が楽しみ。

夫に先立たれ団地に独りで住む母(樹木希林)。

 

ある日、母の家に息子を連れてきた良多。

元妻が迎えに来るも、台風のため、母の計らいで、元家族が思いがけず一夜を過ごすことになる。

と言うお話。

 

淡々としているのですが、時々じ~んとする場面が。

樹木希林演じる母がとても絶妙です。

気に行った場面としては…

団地のベランダにあるミカンの木。

良多が、中学だか高校の時に食べたミカンの種から芽を出し大きくなった木。

母『花も実もつかないんだけどね、あんただと思って毎日水やってんのよ』

良多『いやなこと言うな~』

母『青虫が葉っぱ食べて育つのよ。何かの役には立ってんのよ』

皮肉っぽい言葉の中に、母の愛情を深く感じました。

元気で生きているだけで十分という思いが伝わってきました。

まだ、息子には、花も実も付けてほしい母ではありますが、何十年もすれば、達観するのかもしれません。

この会話の直後、どっと『ハハハ~』の笑い声が。そしてボソボソ『~なのよね~』

…ここで笑うの?

自分は映画館では声を出さないので、なんで~?

それ以外の場面でも、笑いの渦が…どうもオバサマたちには笑いのツボがたくさん存在するようです。

映画館では自分の世界に浸りたい~願望の自分は、『くすり』心の中で一人笑い。

 

決してコメディではない、『なりたかった大人』になれなかった大人たちのお話です。

DVDが出たら、今度は一人きりで見ようっと。

 

カテゴリー:公センセの日常の出来事
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