2016.5.24 あなたの好きなように
学校検診後の『受診のお知らせ』用紙を持って来院される患者さんが増えています。
近視の場合は、程度によって眼鏡を処方するか否か。
処方しない場合は、どのくらいの間隔で経過を見ていくか。
前回の視力検査より急に視力が低下した場合や、患者さんがまだ小さい場合は、検査薬を用いて、調節力(ピント合わせの力)を取り除き正確な程度を測定します。
もう、眼鏡処方をした方が良い場合…
Dr「○○君、黒板の字見える?」
子「何となく見えるけど、見えない時も多い」
Dr「どうする?眼鏡はめたらすっきりするけど、どうしたい?」
○○君、お母さんの顔を見る
母「あなたが決めなさい。あなたのことだから」
子「じゃあ、作る。はめる」
母「いいの~?本当にいいの?」
「眼鏡はめたら、どんどん悪くなりますよね~?」
Dr「そんなことないですよ」
母「眼鏡はめ始めたら、はめっ放しになっちゃいますよね~?」
Dr「近視の程度によりますよ。本人が不自由なら自分から積極的に掛けます」
母「まだ小さいので、壊すかもしれないんですよ~」
Dr「壊すことは滅多にないですよ。フレームのゆがみは、眼鏡屋さんで直してくれますし」
母「こんな小さいうちから、可哀そうじゃないですか?」
Dr「見にくいままの方が可哀そうな気がしますが…」
母「どうする?大丈夫?良く考えてよ」
子(母の顔をじっと見て)「もう少し考える」
母「ということで、もう少し様子見るそうです」
Dr「わかりました。では、もう少し様子見ましょう。掛ける気になったら言ってください。処方箋書きますね」
父親が付き添いの場合は、「眼鏡作りましょうか?」「どうする?」「お前が決めろ」「作る」「よし」「まだ作らない」「わかった」で終了する事が多いのですが。
「あなたの好きなように…」と言いつつも、その裏には、母親特有の(広く言えば女性特有の)『私の希望に沿って』というニュアンスが感じられる場面が時々あります。
自身もそういう常套句を使った身。
子供たちが大きくなった今、反省すること然り。
『相手の意思を尊重するようで、自分の希望を聞いてほしい』そんな女子心に、「女ってめんどくせ~最初から本心を言えよ~」と、吠える息子たちです。
ともあれ、眼鏡はそんな悪いものではありません。
生活を良くするツールです。
お母さん、心配しすぎないでくださいね。